「良き友人だったスカルポーニにこの勝利を捧げたい」。第103回リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで自身4度目の優勝ならびにラ・フレーシュ・ワロンヌとの連勝を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)はライバルの死を惜しんだ。



アスタナの選手たちを先頭にリエージュ中心部のサンランベール広場をスタートアスタナの選手たちを先頭にリエージュ中心部のサンランベール広場をスタート photo:TDWsport
アルデンヌ地方の丘陵地帯を進むアルデンヌ地方の丘陵地帯を進む photo:TDWsport元オムニアム世界王者アーロン・ゲイト(ニュージーランド、アクアブルースポート)を含む序盤の逃げ元オムニアム世界王者アーロン・ゲイト(ニュージーランド、アクアブルースポート)を含む序盤の逃げ photo:TDWsport

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2017リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2017 image:A.S.O.リエージュとバストーニュの往復レースは、2日前のトレーニング中の事故で亡くなったミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)に捧げる1分間の黙祷で始まった。多くの選手に愛されたイタリアのベテランライダーの死を悼み、アスタナの選手たちを先頭に25チーム、200名の選手たちがリエージュ中心部のサンランベール広場をスタートしていく。

雨と雪のサバイバルレースとなった1年前の第102回大会とは異なり、2017年の第103回大会は好天に恵まれた。バストーニュに向かって南下を開始するとすぐ、ティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)やマクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ)を含む8名が先行を開始。逃げグループは順調にタイム差を広げ、折り返し地点のバストーニュに差し掛かる頃には13分をマークした。

中盤に新たに導入された「コート・ド・ポン(平均10.5%)」「コート・ド・ベルヴォー(平均6.8%)」「コート・ド・ラ・フェルムリベール(平均12.1%/最大19%)」という3つの連続坂でレースは動きを見せず、2014年大会覇者サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・スコット)らのカウンターアタックも引き戻される。クイックステップフロアーズとモビスターがコントロールするメイン集団は、逃げグループとタイム差6分で残り60kmに差し掛かった。

コート・ド・サンロシュを登る選手たちコート・ド・サンロシュを登る選手たち photo:TDWsport
7番目の坂「コル・ドゥ・マキサール(平均5%)」でネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)ら6名が抜け出して追走グループを形成したが、続く「コート・ド・ラ・ルドゥット(平均8.9%)」でセバスティアン・エナオ(コロンビア、チームスカイ)らがペースを上げるメイン集団にハースらは吸収される。先頭ではアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)が独走に持ち込んだ。

例年よりもずっと人数が多いメイン集団は、クイックステップフロアーズやBMCレーシング、モビスターを先頭にペレスを追いかける。諦めずに独走を続けたペレスには、元逃げメンバーでチームメイトのステファン・ロゼット(フランス、コフィディス)が最後から2つめの「コート・ド・ラ・ロッシュ・オ・フォーコン(平均9.3%)」で合流。力尽きたペレスに代わってロゼットが単独先頭に立つ。

このラ・ロッシュ・オ・フォーコンでロマン・クロイツィゲル(チェコ、オリカ・スコット)のペースアップを切っ掛けにしてティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)やダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)を含む8名の追走グループが新たに形成され、そこから単独でロゼットまでジャンプしたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)が最後の「コート・ド・サンニコラ(平均8.6%)」を先頭で駆け上がった。

アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)を含む追走グループアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)を含む追走グループ photo:TDWsport先頭で最後のコート・ド・サンニコラに挑むティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)先頭で最後のコート・ド・サンニコラに挑むティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:TDWsport

しかしウェレンスとロゼットのリードはあまりにも小さく、サンニコラの登坂中にメイン集団に飲み込まれてしまう。続いてジャパンカップ覇者ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)やセバスティアン・エナオ(コロンビア、チームスカイ)がカウンターアタックを仕掛け、もう一段加速したダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)が単独で抜け出すことに成功する。

最後の難所を終えて、先頭フォルモロが約30名で形成されたメイン集団から10秒のリード。リエージュ街中の連続コーナーを抜け、残り2kmからフィニッシュ地点アンスに向かう緩斜面の登坂をスタートさせる。5秒リードでフラムルージュ(残り1kmアーチ)を切った先頭フォルモロ目掛けて、メイン集団からダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)がアタックした。

マーティンはすぐさま先頭フォルモロに追いつき、追い抜く。スプリントに持ち込みたくないマーティンはそのままダンシングで登坂を継続。しかし好調なバルベルデを引き離すことはできなかった。

コート・ド・サンニコラでアタックしたセルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)コート・ド・サンニコラでアタックしたセルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ) photo:TDWsport独走で残り2kmを切るダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)独走で残り2kmを切るダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) photo:TDWsport
残り1kmを切り、ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)がアタック残り1kmを切り、ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)がアタック photo:TDWsport

集団内のライバルたちの様子を伺いながらダンシングで加速したバルベルデが最終コーナーで先頭マーティンをキャッチし、そのままフィニッシュラインまでスプリントした。マーティンに応戦する力は残っておらず、バルベルデが先頭でフィニッシュに到着。両手で天を指差し、フィニッシュラインを駆け抜けた。マーティンがラ・フレーシュ・ワロンヌに続いて2位に入り、3秒遅れの第2グループの先頭をとったミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が3位表彰台。

直前のラ・フレーシュ・ワロンヌで圧巻の5勝目を飾ったばかりのバルベルデが、2006年、2008年、2015年に続く4度目のリエージュ勝利。エディ・メルクスが70年代に作った5勝と記録まであと1勝に迫った。「完璧な1週間を締めくくる勝利。最後は全員が限界を迎えていたと思う。マーティンのアタックは強力で、自分が飛び出すべきタイミングを計算しながら追走し、残り500mで加速した。そしてマーティンに追いつき、5秒ほど息を整えてからスプリントしたんだ」と、再び圧倒的なパフォーマンスを見せたバルベルデは語る。

「この勝利で得た賞金はすべてミケーレ・スカルポーニの家族に捧げたい。状況が状況なだけに、これまでの4勝の中で最もスペシャルな勝利だ。最後はミケーレに背中を押された気分だった」。バルベルデは前日に事故死を遂げた同年代のスカルポーニに勝利を捧げた。

選手コメントはこちらをご覧ください。

スプリントでマーティンを下したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)スプリントでマーティンを下したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:TDWsport
4勝目をアピールするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)4勝目をアピールするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:TDWsport表彰台 2位ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)、1位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、3位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)表彰台 2位ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)、1位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、3位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) photo:TDWsport



リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2017結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)        6h24'27"
2位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)
3位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)       +03"
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)
5位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
6位 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
7位 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット)
8位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)            +07"
9位 マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック)
10位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
95位 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)               +7'40"
DNF 別府史之(日本、トレック・セガフレード)

text:Kei Tsuji
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