イタリアはエミリア・ロマーニャ州で、中根英登が出場する4日間のステージレース「セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ」が開幕。午前と午後で2ステージが行われた初日、ディレクトエネルジーのリリアン・カルメジャーヌが総合首位発進している。



1aステージ(ロードレース):カルメジャーヌと逃げ続けたピションが勝利

1aステージ キャノンデール・ドラパックがメイン集団をコントロール1aステージ キャノンデール・ドラパックがメイン集団をコントロール photo:CorVos先行したローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)がリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)を下して勝利先行したローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)がリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)を下して勝利 photo:CorVosイタリア中部のエミリア・ロマーニャ州を舞台にした4日間のステージレース「セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ」が開幕。レース名は同国の英雄ファウスト・コッピとジーノ・バルタリの名前に由来するが、1984年に第1回大会が開催されるなど比較的歴史は浅い。

2017年大会にはチームスカイ、キャノンデール・ドラパック、ディメンションデータという3つのUCIワールドツアーチームに加え、NIPPOヴィーニファンティーニやアンドローニ・ジョカトリ、ウィリエール・トリエスティーナなどイタリアを代表するコンチネンタルチームが多く揃った。NIPPOからはミラノ〜サンレモを体調不良で終え、回復した中根英登が唯一の日本人選手としてスタートラインに並んだ。

初日はチェゼーナにほど近いガッテオを舞台にしたセミタッパ(ハーフステージ)を2つ(1aステージ+1bステージ)組み合わせており、午前中の第1aステージは途中に峠を3つ含む100km弱のロードレースで争われた。

レース距離が短くハイペースを刻んだ1aステージでは、イウリィ・フィロージ(NIPPOヴィーニファンティーニ)ら7名が逃げ、メイン集団も逃げを視界に捉えながらレースが進む。フィロージは1つ目のKOMを3位通過、2つ目を首位通過し、合計7点を稼ぎ出して山岳賞で同一ポイントの2位につける。

残り30kmを切ると、先頭からはリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)がアタック。ローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)が続き、残りの逃げメンバーを飲み込んだメイン集団に対して1分差以内のリードで逃げ続け、タイム差を切り崩しながらゴールに到達した。

残り2kmでのカルメジャーヌの攻撃は不発に終わり、ゴールまで距離を残したロングスプリントでピションが先着。2012年から勝利が無かったピションだが、今回は先週土曜日のロワール・アトランティックに続く今年2勝目となった。19秒差でフィニッシュにやってきたメイン集団の頭は、ミラノ〜サンレモで9位に沈んだエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)が獲った。



1bステージ(チームTT):チームスカイを抑えたCCCスプランディ・ポルコウィチェがトップタイム

1bステージ 最速タイムをマークしたCCCスプランディ・ポルコウィチェ1bステージ 最速タイムをマークしたCCCスプランディ・ポルコウィチェ photo:CorVos総合首位に立ったリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)総合首位に立ったリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) photo:www.gsemilia.it午後からは4人1組(=各チームは2組ずつ出走)でチームを組んで争われるタイムトライアルが行われた。コースはガッテオの海岸線から内陸に向かう、ほぼフラットな13.3kmだ。

市街地を駆け抜けるため、コーナーが多く続くショートTTで最速タイムを刻んだのは、バロブロッキ、クレク、トラトニク、サモイラウというメンバーで臨んだCCCスプランディ・ポルコウィチェ。14分57秒で駆け抜け、ヴィヴィアーニ、ボスウェル、ディッベン、ゲオゲガンハートという布陣で臨んだチームスカイをわずか2秒抑えて勝利した。

また、午前中のロードレースで2位に甘んじたカルメジャーヌは、ブダ、シカール、ヴォクレールというメンバーと共に13秒遅れのステージ3位に食い込む好走を見せる。ピションらフォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプトが下位に沈んだため、カルメジャーヌはヴィヴィアーニを10秒抑え首位浮上に成功した。

また、中根はチームメイトのジュリアン・アレドンド(コロンビア)がティレーノ〜アドリアティコに引き続き、背部の痛みを訴えてリタイアとなったため、3名でチームTTに臨み35位。「今日苦しんだ分、明日は調子が良くなっていると思うので、チームのための働きができるように頑張ります」とチームのレースレポートの中で語っている。



セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ20157ステージ1a結果
1位 ローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト) 2h08’34”
2位 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)             +19”
4位 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
5位 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
6位 フランティセク・シズール(チェコ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
7位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)
8位 フィリッポ・フォルティン(イタリア、チロルサイクリングチーム)
9位 アルミンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
10位 トムス・スクインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)

セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ20157ステージ1b結果
1位 CCCスプランディ・ポルコウィチェ(バロブロッキ、クレク、トラトニク、サモイラウ)14’57”
2位 チームスカイ(ヴィヴィアーニ、ボスウェル、ディッベン、ゲオゲガンハート)     +02”
3位 ディレクトエネルジー(ブダ、カルメジャーヌ、シカール、ヴォクレール)       +13”
4位 ディメンションデータ(フライレ、ギボンズ、クドス、ヴェンター)          +15”
5位 キャノンデール・ドラパック(クラーク、クラドック、クスインシュ、フィニー)    +17”
6位 アンドローニ・ジョカトリ(バッレリーニ、ベルナール、カッタネオ、トーレス)    
7位 CCCスプランディ・ポルコウィチェ(バナセク、シズール、ミハイロフ、コッホ)    +23”
8位 サンゲミーニ・MGクヴィス(ガッフリーニ、ガッザーラ、トート、オリッコ)      +28”
9位 アンドローニ・ジョカトリ(フラッポルティ、ガヴァッツィ、マルチェッリ、フラッポルティ)+29”
10位 ロコスフィンクス(エフトゥシェンコ、ソコロフ、スターシュ、ストラコフ)

個人総合成績
1位 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)    3h23’40”
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)            +10”
3位 アドリアン・クレク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
4位 ヤン・トラトニク(スロヴェニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
5位 タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ)            +12”
6位 イアン・ボスウェル(アメリカ、チームスカイ)
7位 ローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)  +19”
8位 ロマン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー)           +23”
9位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)         +25”
10位 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)

ポイント賞
1位 ローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)

山岳賞
1位 セバスティアン・ショーンバーガー(オーストリア、チロルサイクリングチーム)

ヤングライダー賞
1位 タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ)

text:So.Isobe
photo:CorVos