2人のジャーマンスプリンターが激しく争ったヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.HC)第4ステージ。写真判定に持ち込まれる接戦を制したのは、 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)でした。



丘陵地帯を行くヴォルタ・アン・アルガルヴェ2017第4ステージ丘陵地帯を行くヴォルタ・アン・アルガルヴェ2017第4ステージ (c)voltaaoalgarve.com


リーダージャージを着るプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)リーダージャージを着るプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) (c)CorVosライアン・ミューレン(アイルランド、キャノンデール・ドラパック)、ら4名が逃げを決めたライアン・ミューレン(アイルランド、キャノンデール・ドラパック)、ら4名が逃げを決めた (c)voltaaoalgarve.com協調しながら逃げるタコ・ファンデルホルン(オランダ、ルームポット・ネダランセロテリ)、ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループグベルト)協調しながら逃げるタコ・ファンデルホルン(オランダ、ルームポット・ネダランセロテリ)、ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループグベルト) (c)voltaaoalgarve.comプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)擁する、ロットNLユンボが集団をコントロールプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)擁する、ロットNLユンボが集団をコントロール (c)voltaaoalgarve.com波乱の個人タイムトライアルステージを終え、大きく総合順位が動いたヴォルタ・アン・アルガルヴェ。第4ステージはアルモドバルからタヴィラへと至る、今大会最長の203.4km。スタート地点から徐々に標高を下げていく、高速ステージとなることが予想された。

ライアン・ミューレン(アイルランド、キャノンデール・ドラパック)、タコ・ファンデルホルン(オランダ、ルームポット・ネダランセロテリ)、ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループグベルト)、ジャオ・マティアス(ポルトガル、ラ・アルミニオス・マタルーサ)の4名がこの日のエスケープを決めた。

マティアスはラスト50kmを残して脱落するものの、残りのトリオは協調しながら快調に逃げ続け、フィニッシュ地点となるタヴィラの街へと辿りつく。しかし、スプリントに持ち込みたいロット・スーダルやクイックステップフロアーズらの強力な追走によって、ラスト2km地点で吸収される。

フィニッシュを前に一つになった集団だが、追走に力を割いていたこともあり、明確な主導権を握るチームは現れず。それでも枚数を揃えたのは、第1ステージの勝者であるフェルナンド・ガビリア(コロンビア)を擁するクイックステップフロアーズと、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ)での勝利を狙う、トレック・セガフレードの2チーム。

赤と青のジャージが集団の先頭を奪い合う熾烈な主導権争いを見せるが、ラストのコーナーを先頭で通過したのはクイックステップトレインだった。しかし、フィニッシュは登りということもあり、マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)から発射されたガビリアのスプリントは伸びず。

背後から躍り出たジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) に率いられたデゲンコルブが切れ味の鋭い加速でゴールへと突き進む。しかし、その背後につけていたアンドレ・グライペルが残り50mでデゲンコルブに並ぶ。グライペルの番手につけていたオランダチャンピオン、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)も追い上げ、前輪が浮くほどのハンドル投げを見せた。

横一列でフィニッシュした3名の争いは写真判定に持ち込まれたが、僅差の勝負を制したのは、2011年にもこのタヴィラの地で勝利を掴んでいるグライペルだった。



横一列のスプリント勝負に持ち込まれた横一列のスプリント勝負に持ち込まれた (c)voltaaoalgarve.com


ステージ優勝を果たしたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)ステージ優勝を果たしたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) (c)voltaaoalgarve.com「逃げを吸収するために、チームは大半の力を使ってしまったから、位置取りは一人でこなした。でも、一番良いポジションでスプリントに入ることが出来た。一度、このタヴィラで勝っているけど、去年はスプリントできなかったのは残念だった。とにかく、勝てたのは幸運だったよ。デゲンコルブとは接戦だったから、どちらが勝ってもおかしくなかった。」とグライペルはコメントした。

総合順位に大きな変化はなく、総合争いは明日の最終ステージで決することに。4つのカテゴリー山岳を超え、アルト・ド・マルハオの山頂へフィニッシュする山岳ステージだ。マルハオの登りは2.8kmと短いながら、平均勾配が9%を超えるパンチ力のあるコースだ。



ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2017第4ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)                4h57’51”
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード) 
3位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 
4位 アルノー・デマール(フランス、エフデジ) 
5位 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 
6位 アンドレア・パスカロン(ポルトガル、ワンティ・グループグベルト) 
7位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア 、クイックステップフロアーズ) 
8位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 
9位 ミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 
10位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 

個人総合成績 
1位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)            14h34’20”
2位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)             +22”
3位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)                 +36”
4位 トニー・ガロパン(フランス、ロット・スーダル)                  +55”
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)                  +59”
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)         +1’31”
7位 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)              +1’40”
8位 ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・スーダル)                +1’49”
9位 アマロ・アンタネス(ポルトガル、W52-FC ポルトポルトカナル)         +1’54”
10位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、スポーティングキューブ・ド・ポルトガル) +1’56”

ポイント賞 
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)                 48pts
2位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)         31pts
3位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)              30pts

山岳賞 
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)         10pts
2位 アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)                   8pts
3位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)               8pts

新人賞 
1位 ティエシー・ブノート / ティシュ(ベルギー、ロット・スーダル)       14h36’09”
2位 タルギス・アンソニー(フランス、コフィディス)                  +1’05”
3位 タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ)                 +1’36”


text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos、voltaaoalgarve.com