シクロクロスの熱い戦いはどのクラスも同じ。高校生対決となったC2、一番大人げない?と言われるCM(マスターズ)、女性たちのホットな戦いのCL、大人気のC3、C4、そしてシングルスピード選手権を、写真とともにダイジェストレポートでお届けします。



C2 スタートC2 スタート photo:Hiro.AyanoC2 日野泰静(松山城南高校)が積田連(Team GARNEAU CHAINRING)を引き離して勝利C2 日野泰静(松山城南高校)が積田連(Team GARNEAU CHAINRING)を引き離して勝利 photo:Makoto.AyanoC2 最後尾スタートからごぼう抜きを見せた宮澤崇史C2 最後尾スタートからごぼう抜きを見せた宮澤崇史 photo:Makoto.AyanoC2:高校生対決を日野泰静(松山城南高校)が制する

UCIレースを除いた最高峰カテゴリーとなるC2には73名がエントリー。暖かい日差しに路面の氷と雪が緩み、まだ凍っている地面の上にシャバシャバの泥コーティングが施されるコンディションで熱いレースが繰り広げられた。舗装の第1コーナーで落車が発生する中、日野泰静(松山城南高校)と積田連(Team GARNEAU CHAINRING)の高校生コンビが集団を置き去りにしていく。

「今日は最初から独走して、2分差で勝とうと考えていました」と言う高校1年生の日野。目論見通り先頭に立つと、追いすがる積田を徐々に引き離し、1周目終了時点で既にリードを稼ぎ出した。最終的に日野は後続を大きく引き離す圧巻の走りでゴールし、2週間後に迫った全日本選手権に向けて弾みをつけた。

「今まで雪コースを走った経験がなく序盤こそ苦しんだのですが、時間が経つにつれて慣れてスピードを上げることができたので良かったですね」と非凡さを見せつけた日野。2位に甘んじた積田も「差をつけられてしまい悔しいのですが、日野選手とは全日本選手権も同じレースを走ることになるので、リベンジで優勝したいと思います」と火花を散らした。

また最後尾スタートの宮澤崇史は一気に選手をパスして3位に上がり、表彰台に登壇。上位2選手が高校生であるため繰り上がりでC1返り咲きとなり、「せっかくレースを楽しめるC2になったのに最悪だ!」という魂の叫びが八ヶ岳連峰にこだました。
C2 表彰台C2 表彰台 photo:Makoto.Ayano
ジェフ・カーティス(SPEEDVAGEN MAAP)を伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)が追うジェフ・カーティス(SPEEDVAGEN MAAP)を伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)が追う photo:Hiro.Ayanoジェフ・カーティス(SPEEDVAGEN MAAP)を抜きゴールに飛び込む伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)ジェフ・カーティス(SPEEDVAGEN MAAP)を抜きゴールに飛び込む伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan) photo:Makoto.Ayanoマスターズ:ハイレベルな一騎打ちを、全日本タイトルを目指す伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)が制す

最も大人気ない(?)カテゴリーと噂されるマスターズには88という大人数がエントリー。昨年大会を制した全日本王者の筧五郎(56cycle)は参加しなかったが、お馴染みの強豪メンバーに加えてオーストラリアからはスノーボード界の第一線で活躍するフォトグラファーであり、現ナショナルマスターチャンピオンであるジェフ・カーティス(SPEEDVAGEN MAAP)が来日。全日本タイトル獲得を目指す伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)と共に、手に汗握るバトルを繰り広げた。

序盤からジェフと伊澤が抜け出し、ハイペースを刻みながら周回を重ねていく。中盤以降ジェフがリードを奪う場面もあったが、周回遅れのパスに手間取った隙に伊澤が優勝争いに復帰。最終コーナー後にジェフを射程圏内に捉えた伊澤は渾身のスプリントで先着。3位には佐々木正(CICADA UNITED)がかつてヨーロッパで走っていた足立晴信(FRIETEN)を引き離して2年連続となる表彰台を確保。我がシクロワイアード編集長・綾野は不調に苦しむ結果となった。

凍土と溶け出した緩い泥が選手たちを襲う凍土と溶け出した緩い泥が選手たちを襲う photo:Makoto.Ayano
C4 ダウンヒルのプロライダーである永田隼也(アキコーポレーション)が勝利C4 ダウンヒルのプロライダーである永田隼也(アキコーポレーション)が勝利 photo:Hiro.AyanoC3 ホールショットで高田篤(SKRK CX)が前に出るC3 ホールショットで高田篤(SKRK CX)が前に出る photo:Hiro.Ayano

C3 C1並みのペースで圧勝した小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)C3 C1並みのペースで圧勝した小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) photo:Hiro.AyanoCL 優勝した寺田有希CL 優勝した寺田有希 photo:Makoto.Ayano


そしてC3ではジュニアの全日本王者である小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)がC1並のハイペースを刻んで圧勝。年々コスプレではなくガチ度を増している(それでもコスプレライダーは多いけれど)SS(シングルスピード選手権)では、C1とのダブルヘッダーで臨んだ牧野崇(コグス)が、ファッションサイクリストの足元を彩るThe Athleticのボス、ジェレミー・ダン(The Athletic Racing Squad)を下して勝利。3位にも普段はC1を走る清水和宏(チーム タマガワ)が入るなど、先頭ではハイレベルな争いが繰り広げられた。また、CLでは普段MTBレースに出場している寺田有希が、C4ではダウンヒルのプロライダーとして活躍する永田隼也(アキコーポレーション)が優勝している。



C2
1位 日野泰静(松山城南高校)
2位 積田連(Team GARNEAU CHAINRING)
3位 宮澤崇史
4位 石川正道(じて吉)
5位 鎌田宗也(BLUELUG)

CM
1位 伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)
2位 ジェフ・カーティス(SPEEDVAGEN MAAP)
3位 佐々木正(CICADA UNITED) 
4位 足立晴信(FRIETEN)  
5位 小田島貴弘(マイヨシーナック) 

C3
1位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) 
2位 ジャスミン・テンハヴ(Team iBike Canada) 
3位 酒井紀章(バルバクラブ フクイ) 

SS
1位 牧野崇(コグス)
2位 ジェレミー・ダン(The Athletic Racing Squad)
3位 清水和宏(チーム タマガワ)

CL
1位 寺田有希
2位 二口早紀(バルバクラブ フクイ)
3位 ケイトリン・フォード

C4
1位 永田隼也(アキコーポレーション)
2位 鬼形明浩(Oci)
3位 福本滝男

text:So.Isobe
photo:Hiro,Makoto.AYANO

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