初開催のまえばしクリテは中盤から抜け出した入部正太朗(シマノレーシング)とオスカル・プジョル(Team UKYO)が逃げ切り入部が優勝。E1は岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)が制した。



入部正太朗(シマノレーシング)がオスカル・プジョル(Team UKYO)を下し優勝入部正太朗(シマノレーシング)がオスカル・プジョル(Team UKYO)を下し優勝 photo:Hideaki TAKAGI
前橋市内で初のクリテリウム

9月24日(土)、群馬県前橋市中心部で行われたまえばしクリテリウムは今年が初開催の大会。前橋市中心部の群馬県庁や前橋市役所、そして利根川を渡り、1990年世界選手権トラックの舞台となったグリーンドーム前橋を望む抜群のロケーションで行われた。180度ターンが2か所、コーナーが4か所の1周3.5kmの往復コースで中心市街地でスピード感あふれるレースが行われた。

群馬県庁前を駆け抜ける集団群馬県庁前を駆け抜ける集団 photo:Hideaki TAKAGI前橋市中心部を使うコース前橋市中心部を使うコース photo:Hideaki TAKAGI

まえばしクリテリウムは翌日のまえばし赤城山ヒルクライムとのTwo In One大会として行われ、またこのクリテリウムはP1とE1クラスタのみの開催となった。

P1は5周目に2人がアタック

P1クラスタは序盤から各チームがアタックするが決まらない。一列棒状となる区間が多く集団も分裂する。5周目にオスカル・プジョル(チーム右京)と入部正太朗(シマノレーシング)が逃げを開始する。プジョルはチームメイトのジョン・アベラストゥリのため、入部は逃げ切りも視野に入れてのアタックだ。

メイン集団はマトリックスパワータグが差を5秒から10秒程度にコントロールする。しばらくは先頭2人にマトリックスパワータグが引くメイン集団の構図に。しかし残り周回が少なくなっても差は縮まらない。7周目にメイン集団から木村圭佑(シマノレーシング)と中村龍太郎(イナーメ信濃山形)の2人が先頭2人にブリッジをかけるべく追走に出る。

群馬グリフィンレーシングチームもフルメンバーで臨む群馬グリフィンレーシングチームもフルメンバーで臨む photo:Hideaki TAKAGI1990年に世界戦トラックが行われたグリーンドーム前橋1990年に世界戦トラックが行われたグリーンドーム前橋 photo:Hideaki TAKAGI

6周目、逃げはオスカル・プジョル(Team UKYO)と入部正太朗(シマノレーシング)の2人に6周目、逃げはオスカル・プジョル(Team UKYO)と入部正太朗(シマノレーシング)の2人に photo:Hideaki TAKAGI6周目、メイン集団はマトリックスパワータグが引く6周目、メイン集団はマトリックスパワータグが引く photo:Hideaki TAKAGI

逃げる2人とメイン集団の攻防

この動きでメイン集団のペースは落ち、やがてマトリックスパワータグが下がり組織的に引くチームがいなくなるとタイム差が開いてしまう。メイン集団先頭はキナンサイクリングチーム、チーム右京、宇都宮ブリッツェンが引き出し、追走の2人を吸収する。しかし先頭2人とのタイム差は15秒ほどに広がる。

7周目に木村圭佑(シマノレーシング)と中村龍太郎(イナーメ信濃山形)の2人が追走に出る7周目に木村圭佑(シマノレーシング)と中村龍太郎(イナーメ信濃山形)の2人が追走に出る photo:Hideaki TAKAGI9周目後半、メイン集団を宇都宮ブリッツェンが引き始める9周目後半、メイン集団を宇都宮ブリッツェンが引き始める photo:Hideaki TAKAGI

入部正太朗(シマノレーシング)が逃げ切り優勝

9周目の半ばから宇都宮ブリッツェンが先頭に出てようやく組織的に先頭2人を追う動きに。しかし先頭の特にプジョルの引きが強く差が思うように縮まらない。最終周回、宇都宮ブリッツェンが猛追するが先頭2人は逃げ切り、スピードに勝る入部が優勝。メイン集団は1秒差でアベラストゥリ先頭にフィニッシュした。

レースは中盤から抜け出した2人の逃げ切りの結果に。プジョルは逃げを強力に引いたが、メイン集団が追い上げることを想定しての動きだ。終盤にかけてメイン集団を積極的に引くチームがいなくなり一気にタイム差が開いたことが主要因だ。入部はどちらでも勝負できるよう動き、表彰台常連となっていた今シーズンで初めてその中央に立つことができた。

最終周回、逃げ続けるオスカル・プジョル(Team UKYO)と入部正太朗(シマノレーシング)最終周回、逃げ続けるオスカル・プジョル(Team UKYO)と入部正太朗(シマノレーシング) photo:Hideaki TAKAGI入部正太朗(シマノレーシング)のスプリントが伸びる入部正太朗(シマノレーシング)のスプリントが伸びる photo:Hideaki TAKAGI

「展開に恵まれました。プジョルが9割引いてくれました」と語る入部。実際のプジョルの引きは半分以上程度だったが、チーム右京の作戦をレース巧者らしくうまく利用した動きと判断はさすがだ。チームはツール・ド・北海道でも好結果を出し波に乗っている。

E1は岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)がスプリントを制する

E1クラスタはアタックが常にかかる展開だが決定的な逃げにならず集団スプリントに。渡邉正光(LinkTOHOKU)先頭でラスト180mの最終コーナーへ。渡邉が先行するがラスト80mで岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)が仕掛けてフィニッシュライン直前でS級競輪選手の渡邉をかわし優勝。仙台クリテリウムの雪辱を果たした。

E1 逃げが決まらないE1 逃げが決まらない photo:Hideaki TAKAGIE1 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)がS級競輪選手の渡邉正光(LinkTOHOKU)を下すE1 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)がS級競輪選手の渡邉正光(LinkTOHOKU)を下す photo:Hideaki TAKAGI

結果

P1クラスタ 35.0km

1位 入部正太朗(シマノレーシング)47分07秒
2位 オスカル・プジョル(チーム右京)
3位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)+01秒
4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
5位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
6位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+02秒
7位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
8位 畑中勇介(チーム右京)
9位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
10位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)

Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)

E1クラスタ 24.5km
1位 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)35分14秒
2位 渡邉正光(LinkTOHOKU)
3位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
4位 所司純一(モジュマ エリアゼロナナゴ)+01秒
5位 吉田勝雅(サイタマサイクルプロジェクト)+02秒
6位 雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド)

Jエリートツアーリーダー 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)



photo&text:Hideaki TAKAGI

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