アメリカのサイクルギアブランドGIRO(ジロ)より、BMCレーシングやカチューシャが使用するTT用エアロヘルメット「Aerohead」が登場。TeXtremeカーボンをアウターシェルに採用したスペシャルモデルと、スタンダードモデルの2種類が用意され、全ラインアップにMIPSが搭載される。



ジロ Aerohead MIPS(写真は非売品のキャニオン・スラムチームモデル)ジロ Aerohead MIPS(写真は非売品のキャニオン・スラムチームモデル) (c)ダイアテック
ツール・ド・フランス史上稀に見る接戦として、今も多くのファンに記憶されている1989年大会。パリ・シャンゼリゼを舞台に開催された最終ステージの個人TTで大逆転に成功し、マイヨジョーヌを手中に収めたのがグレッグ・レモン(アメリカ)だ。ツール初のアメリカ人優勝者は、当時としては画期的な機材の数々を実戦投入したことで話題を集めた。その中の1つであるジロのタイムトライアル用ヘルメット「Aerohead」が、27年の時を経て復活する。

昨年のツール・ド・フランスで姿を表した新生「Aerohead」は、開幕ステージで早速ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)と共にデビューウィンを飾る。2016シーズンはBMCレーシングとカチューシャ、IAMサイクリング、キャニオン・スラム、ラボ・リブといった強豪チームが使用しており、既に多くの勝利に貢献。群雄割拠のTT用ヘルメット界において、最速の名を欲しいままにしている。

ジロ Aerohead Ultimate MIPS(Matte Carbon / Black)ジロ Aerohead Ultimate MIPS(Matte Carbon / Black) (c)ダイアテック
シールドを使用しない時は、シェルに貼り付けておくことできるシールドを使用しない時は、シェルに貼り付けておくことできる (c)giro.comRoc Locフィッティングシステムにより、細やかな調整を可能としたRoc Locフィッティングシステムにより、細やかな調整を可能とした (c)giro.com


他に類を見ない近未来的なフォルムは、最新鋭の風洞実験と実走テストによるもので、前方投影面積を最小限に抑えることに成功。ライダーが下を向いている状態でも優れたエアロ効果を発揮するという。耳のあたりまで覆うほど大きなシールドも、空気抵抗の低減に大きな役割を果たしており、ジロのヘルメット史上最速を実現した。

シールド自体は、カメラのレンズなどでお馴染みの精密光学機器メーカー「ZEISS(ツァイス)」が製造しており、歪みの少ない視界にもこだわっている。もちろん強度にも優れ、TTレースの高速走行中でも、顔をめがけて飛んで来る砂や虫から目を保護してくれる。固定にはマグネットを用いていることから簡単に取り外し可能で、走行中に取り外したくなった場合には本体に貼り付けておくことができる。

前方投影面積を最小限に抑え、空気抵抗を低減している前方投影面積を最小限に抑え、空気抵抗を低減している (c)ダイアテックMIPSテクノロジー搭載により安全性を更に高めたMIPSテクノロジー搭載により安全性を更に高めた (c)ダイアテック

耳までを覆うZEISS製シールド耳までを覆うZEISS製シールド (c)ダイアテックジロ Aerohead Ultimate MIPS(Matte White / Silver)ジロ Aerohead Ultimate MIPS(Matte White / Silver) (c)ダイアテック


空力性能や高性能シールドと並ぶ「Aerohead」のもう1つの特長が、通気性である。シールド上縁の切り欠きや、シェル内部のチャネリングにより、効率的にシェル内部の空気を循環。高温下においては、最大13.5℃もシェル内の温度を引き下げることに成功。長距離のタイムトライアルや、トライアスロンでは極めて大きなアドバンテージとなることだろう。

ラインアップはアウターシェルの素材別に2モデル。ハイエンドモデルの「Aerohead Ultimate MIPS」は、F1や航空宇宙産業にも用いられる「TeXtreme」カーボンを採用することで、前方投影面積を更に低減し、エアロ効果と軽量性を高めている。「Aerohead MIPS」はアウターシェルにポリカーボネートを用いたスタンダードモデルで、エアロ効果はやや落ちるかわりに通気性が高くなっている。

ジロ Aerohead MIPS(Matte Black / Titanium)ジロ Aerohead MIPS(Matte Black / Titanium) (c)ダイアテックジロ Aerohead MIPS(Matte White / Silver)ジロ Aerohead MIPS(Matte White / Silver) (c)ダイアテック

ジロ Aerohead MIPS(Matte White / Turquoise / Vermillion)ジロ Aerohead MIPS(Matte White / Turquoise / Vermillion) (c)ダイアテックジロ Aerohead MIPS(Matte Black / Vermillion)ジロ Aerohead MIPS(Matte Black / Vermillion) (c)ダイアテック


両モデル共に製品名の通り、シェル内部にシートを1枚挟み込むことで、落車時に頭部が受ける回転衝撃をいなし、脳へのダメージを軽減する「MIPS」テクノロジーを搭載し、安全性を追求。フィッティングシステムは、ダイヤルによって細やかな調整を可能とした「Roc Loc」としている。

サイズは2モデル共にM/55-59cmとL/59-63cmが揃う。「Aerohead Ultimate MIPS」は重量415g(Mサイズ)で、カラーは2種類が用意され、2016年8月末より発売開始(予定)。「Aerohead MIPS」は重量430g(Mサイズ)で、カラーは3種類が用意され、2016年9月末より発売開始(予定)。取り扱いはダイアテック。

Aeroheadを使用するBMCレーシングAeroheadを使用するBMCレーシング photo:Tim de Waele
Aeroheadを着用するイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)Aeroheadを着用するイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ) photo: BettiniIAMサイクリングもAeroheadを使用。写真はジロ・デ・イタリア第9ステージで3位に入ったヴェガルスターケ・ラーンゲン(ノルウェー)IAMサイクリングもAeroheadを使用。写真はジロ・デ・イタリア第9ステージで3位に入ったヴェガルスターケ・ラーンゲン(ノルウェー) photo:Kei Tsuji




ジロ Aerohead Ultimate MIPS
アウターシェル:TeXtremeカーボン
サイズ: M/55-59cm、L/59-63cm
重 量: 415g(Mサイズ)
カラー:Matte Carbon / Black、White
価 格: 64,000円(税別)
発売時期:2016年8月末(予定)

ジロ Aerohead MIPS
アウターシェル:ポリカーボネート
サイズ: M/55-59cm、L/59-63cm
重 量: 430g(Mサイズ)
カラー:Matte Black / Titanium 、Matte White / Silver、Matte Black / Vermillion 、Matte White / Turquoise / Vermillion
価 格: 28,000円(税別)
発売時期:2016年9月末(予定)