平坦と上り、ブラインドコーナーが続く下りが組み合わせられたジロ・ローザの個人タイムトライアル。イヴリン・スティーブンスがステージ優勝、メーガン・グアルニエもマリアローザを堅守するなど、ボエルス・ドルマンス勢躍進の1日となった。



トップタイムをマークしたイヴリン・スティーブンス(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)トップタイムをマークしたイヴリン・スティーブンス(アメリカ、ボエルス・ドルマンス) photo:CorVos


メーガン・グアルニエ(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)はマリアローザを堅守したメーガン・グアルニエ(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)はマリアローザを堅守した photo:CorVosスタート前の與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)スタート前の與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント) photo:Hiroyuki.Azumaアジアチャンピオンジャージを着る萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)アジアチャンピオンジャージを着る萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ) photo:Sonoko.Tanaka/wiggle-high5難関山岳での激しい総合争いを繰り広げたジロ・ローザは、いよいよ佳境の第7ステージの個人タイムトライアルへと到達。この日を終えると残りは2日、翌第8ステージは平坦で、最終第9ステージはゴール手前に標高差150mほどの山岳が用意されているだけと、実質的に総合争いは今日が最終日。

プロフィールマップで見るコースは、全体的にごく緩やかな登りと下りが組み合わせられているだけだが、実際は4kmの平坦を終えると下りを少し挟みながら6kmほどを上り、後半はブラインドコーナーが続くダウンヒルをこなす。そのため選手達の多くはタイムトライアルバイクではなく、ノーマルバイクにTTバーを取り付けたセッティングでスタートした。

果たして、この難しいコースでトップタイムを叩き出したのは総合3位に付けるイヴリン・スティーブンス(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)だった。TTバイクに前後ディープリムホイールを組み合わせたスティーブンスは平均速度36.15km/hで駆け抜け、1分50秒遅れた総合2位のマーラ・アボット(アメリカ、ウィグル・ハイファイブ)を抜き、総合2位にジャンプアップしてみせる。

個人TTを走る與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)個人TTを走る與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント) photo:CorVosそしてマリアローザのメーガン・グアルニエ(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)は29秒差のステージ4位と好走したため、結果的に総合首位を堅守。ボエルス・ドルマンスは総合ワンツー、3位に上がったアンナ・ファンデルブルッヘン(オランダ、ラボバンク・リブ)に対しても大きな差を付けることに成功し、屈指のチーム力を見せつけることとなった。

「いつも個人TTでは2位か3位止まりで悔しい思いをしていたけれど、今日勝つことができて本当に嬉しい。リオを前に良い感触を掴むことができた」とスティーブンスは語っている。

不調をおして耐える走りとなった全日本王者の與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)はステージ29位で、萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)は73位でフィニッシュ。「難しいダウンヒルと今のコンディションで何もプレッシャーはなかった」と言う與那嶺のコメントを紹介する。

「私も身体に何が起こっているのかよくわからない、人生史上一番過酷な1週間。こんな身体でどれくらいパワーが出るのだろうか?というより、どれくらいパワーが出ないのだろうか?と今日も新しい挑戦が続く。とにかく、下りではクラッシュしないで今日も無事に全力を出し切ってゴールすることでまた明日につなげることができる。

走り出すと平坦も、登りも自分が思っていたよりもパワー数値は悪くない。体重の5倍、250W以上で維持が出来る。ただバイクが進んでいる感じがしない。上りに入るととにかく気持ちを切らさずペダルを踏むだけを考えながらただただ耐える。下りはクラッシュをすれば全てが終わるので安全なラインと自分の限界を超えないスピードで丁寧に下る。ラスト3kmあたりからのDHバーを握ったまま下れるところは、とにかく躊躇せずにアウタートップで出し切った」。(與那嶺恵理公式Facebookページより抜粋)



ジロ・ローザ2016第7ステージ結果
1位 イヴリン・スティーブンス(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)
2位 アンナ・ファンデルブルッヘン(オランダ、ラボバンク・リブ)
3位 エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)
4位 メーガン・グアルニエ(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)
5位 カタルツィナ・ニエウィアドマ(ポーランド、ラボバンク・リブ)
29位 與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)
42位 萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)
36’21”
+04”

+29”
+37”
+3’42”
+4’59”


個人総合成績
1位 メーガン・グアルニエ(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)
2位 イヴリン・スティーブンス(アメリカ、ボエルス・ドルマンス)
3位 アンナ・ファンデルブルッヘン(オランダ、ラボバンク・リブ)
4位 マーラ・アボット(アメリカ、ウィグル・ハイファイブ)
5位 クラウディア・リヒテンベルグ(ドイツ、ロット・ソウダル)
26位 與那嶺恵理(ハーゲンス・ベルマン・スーパーミント)
47位 萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)
17h27’31”
+34”
+1’53”
+2’07”
+2’33”
+37’43”
+48’37”


text:So.Isobe
photo:CorVos


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