ピナレロが誇るフラッグシップロードレーサー「DOGMA F8」をベースに軽量化を突き詰め、100gものシェイプアップを達成したスペシャルモデル「DOGMA F8 Xlight」が登場。「DOGMA F8」に追加されたクリス・フルームのツール優勝カラーとあわせて紹介する。



ピナレロ DOGMA F8 Xlight

ピナレロ DOGMA F8 Xlight(110 Carbon Yellow Rhino)ピナレロ DOGMA F8 Xlight(110 Carbon Yellow Rhino) (c)ピナレロ・ジャパン
ピナレロ DOGMA F8 Xlight(117 Team Sky 2016 Rhino )ピナレロ DOGMA F8 Xlight(117 Team Sky 2016 Rhino ) (c)ピナレロ・ジャパンDOGMA F8 Xlightを駆るマイヨジョーヌのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)DOGMA F8 Xlightを駆るマイヨジョーヌのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji


世界中に数多あるバイクメーカーの中でも、ツール・ド・フランスの優勝回数で最多を誇り、その記録を12回に伸ばしたピナレロ。クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)の3度目となるツール・ド・フランス個人優勝に貢献したイタリアンバイクブランドの雄が、その技術の粋を結集し開発したのが「DOGMA F8 Xlight」である。ピナレロ本社セールスマネージャーであるルチアーノ・フサポーリ氏によると、今年のツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアに設定された山岳TTが「DOGMA F8 Xlight」を開発するきっかけになったという。

山岳TTで最も重要なのが登坂区間なのは言うまでもなく、バイクには極限の軽量性が求められる。しかし、平坦路や下りの影響も小さくなく、山岳TT用バイクにはDHバーやリムハイトの高いエアロホイールをアッセンブルする必要があるが、同時に重量増の要因にもなっている。そこで、重量増を相殺するべく、チームスカイはピナレロに、より軽量なフレームをリクエスト。

実際には、フルームがツール第18ステージで選択したのはフル装備のTTバイクだったが、他の重要な山岳ステージでは好んでDOGMA F8 Xlightを使用。厳しい登りの数々に加えて、下りや平坦路においてもDOGMA F8 Xlightが優れた走行性能を発揮することは、フルームの今大会の走りを見れば明らかである。

最終ステージの表彰式で、スタッフを含めて全員でステージに上がったチームスカイ最終ステージの表彰式で、スタッフを含めて全員でステージに上がったチームスカイ photo:TDWsport/Kei Tsuji
ピナレロ DOGMA F8 Xlight(109 Carbon Yellow)ピナレロ DOGMA F8 Xlight(109 Carbon Yellow) (c)ピナレロ・ジャパンピナレロ DOGMA F8 Xlight(114 Carbon Red Team Sky 2016 Rhino)ピナレロ DOGMA F8 Xlight(114 Carbon Red Team Sky 2016 Rhino) (c)ピナレロ・ジャパン

ピナレロ DOGMA F8 Xlight(119 BoB Rhino Team Sky 2016)ピナレロ DOGMA F8 Xlight(119 BoB Rhino Team Sky 2016) (c)ピナレロ・ジャパンピナレロ DOGMA F8 Xlight(118 BoB Team Sky 2016)ピナレロ DOGMA F8 Xlight(118 BoB Team Sky 2016) (c)ピナレロ・ジャパン


「DOGMA F8 Xlight」のフレーム形状は、通常仕様のF8と共通としている。つまり、自動車メーカーのジャガーとの共同開発によって実現した高いエアロダイナミクス性能はそのまま。そして、剛性を維持しながら重量のみを落とすことに成功したという。

素材には、東レの最高峰カーボン「T1100G UD」を採用。Xlight専用に新たな金型を製造し、プリプレグのレイアップの見直しを図り、通常のF8よりも熱処理に多くの時間を割くことで、レジンの使用量を減らすことに成功。フレームセットで100gのシェイプアップを果たし、フレーム単体780g、フォーク単体340gを実現している(53サイズ/未塗装)。

ピナレロ DOGMA F8 Xlight(970 Carbon/Red)ピナレロ DOGMA F8 Xlight(970 Carbon/Red) (c)ピナレロ・ジャパン
レイアップや熱処理工程の見直しにより、軽量化を実現したレイアップや熱処理工程の見直しにより、軽量化を実現した (c)ピナレロ・ジャパンピナレロ DOGMA F8 Xlght(898 Carbon Sky)ピナレロ DOGMA F8 Xlght(898 Carbon Sky) (c)ピナレロ・ジャパン


なお、熱処理が長時間に渡ることや、1本造り終えるごとに金型を清掃する必要あるなど、通常仕様のF8よりも生産に多くの手間を要すことから、市販されるのは限定200台と極僅か。

チームスカイのツール・ド・フランス出場メンバーの中でも、Xlightが供給されたのはクリス・フルーム(イギリス)、ミケル・ランダ(スペイン)、ゲラント・トーマス(イギリス)の3名のみ。先んじて、フルームにのみ供給されており、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネではデビューウィンを達成。閉幕したばかりのツール・ド・フランスではチーム・スカイの鉄壁の走りをサポートした。

販売はフレームセットにて行われ、サイズは42、44、 46.5、47、 50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5の12種類と豊富。フルームのツール総合優勝記念カラーを含む計8カラーが用意される。価格は850,000円 (税抜)。デリバリー開始は2016年11~12月頃を予定している。限定200台と生産数が僅かなため、気になる方は最寄りのピナレロポイントに急いだほうが良さそうだ。

ピナレロ DOGMA F8 Xlight(フレームセット)
マテリアル:T1100G UDカーボン TORAYCA Nanoalloy
フォーク:ONDA F8 T1100G UDカーボン TORAYCA Nanoalloy 1”1/8-1”1/2
サイズ:42、44、 46.5、47、 50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5(CC)
重量(サイズ530mm/未塗装):フレーム単体780g、フロントフォーク340g
体重制限(装備込み):75kg
カラー:109 Carbon Yellow、110 Carbon Yellow Rhino、114 Carbon Red Team Sky 2016 Rhino、117 Team Sky 2016 Rhino 、118 BoB Team Sky 2016、119 BoB Rhino Team Sky 2016、898 Carbon Sky、970 Carbon/Red
価 格:850,000円 (税抜)
納 期:2016年11~12月頃から順次



ピナレロ DOGMA F8 SPECIAL EDITION

ツール最終ステージでスペシャルカラーのDOGMA F8を駆るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)ツール最終ステージでスペシャルカラーのDOGMA F8を駆るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:TDWsport/Kei Tsuji
ピナレロ DOGMA F8(976 TDF16 Yellow  Rhino)ピナレロ DOGMA F8(976 TDF16 Yellow Rhino) (c)ピナレロ・ジャパンピナレロ DOGMA F8(978 TDF16 Carbon Yellow Rhino)ピナレロ DOGMA F8(978 TDF16 Carbon Yellow Rhino) (c)ピナレロ・ジャパン


「DOGMA F8」のスタンダードモデルにも、フルームのツール・ド・フランス個人総合優勝を記念したスペシャルカラーが登場。レギュラー仕様として追加される。全7カラーのうち5カラーは、フルームのアイコンである「RHINO=サイ」のペイントがあしらわれており、アフリカ・ケニアが育んだ彼の不屈の闘志を表現。また、絶滅が危惧される野生動物の密猟や違法な取引を撲滅するための保護活動の認知拡大という意味合いを持つ。

「DOGMA F8」は、ジャガーとの共同開発によって従来モデルよりフォルムを一新し、翼断面の後端を切り落としたチューブ形状「Flatback」やパーツによる空気の乱れを想定した細部のデザインによって空力性能を高めた1台。先代のDOGMA 65.1に対して47%もの空力性能向上を達成している。

ピナレロ DOGMA F8(111 Team Sky Rhino 2016)ピナレロ DOGMA F8(111 Team Sky Rhino 2016) (c)ピナレロ・ジャパン
ピナレロ DOGMA F8(113 BoB Rhino Team Sky 2016)ピナレロ DOGMA F8(113 BoB Rhino Team Sky 2016) (c)ピナレロ・ジャパンピナレロ DOGMA F8(115 Carbon Red Team Sky 2016 Rhino)ピナレロ DOGMA F8(115 Carbon Red Team Sky 2016 Rhino) (c)ピナレロ・ジャパン

ピナレロ DOGMA F8(977 TDF16 Yellow )ピナレロ DOGMA F8(977 TDF16 Yellow ) (c)ピナレロ・ジャパンピナレロ DOGMA F8(979 TDF16 Carbon Yellow )ピナレロ DOGMA F8(979 TDF16 Carbon Yellow ) (c)ピナレロ・ジャパン


素材には自転車界でピナレロのみが使用できるという東レの高品質カーボン「T1100 1K」を採用。チームスカイなどからのフィードバックにより、通常タイプのブレーキやITA規格のスレッド式BBを採用しメンテナンス面を高めるなど、正にプロスペックの1台である。

販売はフレームセットにて行われ、サイズは42、44、46.5、47、50、51.5、53、54、56、57.5、59.5、62の12種類とピナレロらしい豊富にラインアップされる。

ピナレロ DOGMA F8 SPECIAL EDITION(フレームセット)
カラー:976 TDF16 Yellow Rhino、977 TDF16 Yellow 、978 TDF16 Carbon Yellow Rhino、979 TDF16 Carbon Yellow 、111 Team Sky Rhino 2016、113 BoB Rhino Team Sky 2016、115 Carbon Red Team Sky 2016 Rhino
マテリアル:TORAYCA T1100-1K Nanoalloy カーボン
フォーク:TORAYCA T1100 1Kカーボン Nanoalloy
サイズ:42、44、46.5、47、50、51.5、53、54、56、57.5、59.5、62
価 格:615,000円(税抜)