再びマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が勝利。緩斜面を先頭で駆け上がったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)をフィニッシュ手前で差し切ったカヴがツール・ド・フランス第3ステージを制した。



レース序盤はノルマンディ特有のアップダウンが延々と続くレース序盤はノルマンディ特有のアップダウンが延々と続く photo:Kei Tsuji
ツール・ド・フランス2016第3ステージツール・ド・フランス2016第3ステージ image:A.S.O.ツール・ド・フランス2016第3ステージツール・ド・フランス2016第3ステージ image:A.S.O.


千羽鶴4195羽の「鶴・ド・フランス」がクリスティアン・プリュドム氏に渡された千羽鶴4195羽の「鶴・ド・フランス」がクリスティアン・プリュドム氏に渡された photo:Kei Tsuji開幕から2日間にわたってコタンタン半島の海岸線を駆け抜けたツールは内陸。グランデパールを迎えたマンシュ県に別れを告げて、第3ステージはノルマンディーらしい緩やかなアップダウンを繰り返す平野を走る。223.5kmコースは概ねフラット。ピレネー山脈まで南下する5日間の行程が始まった。

晴れ間の覗くグランヴィルをスタートしていく晴れ間の覗くグランヴィルをスタートしていく photo:Kei Tsuji海に突き出た岬の街グランヴィルをスタートしてすぐにアルマンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)がファーストアタック。フォンセカの動きには誰も反応せず、メイン集団はすんなりと単独逃げを容認する。ここから3年連続ツール出場中の27歳による長い長い逃げが始まった。

単独で逃げ続けるアルマンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)単独で逃げ続けるアルマンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト) photo:Kei Tsujiワイルドカード枠で出場しているフォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプトは、昨年までブルターニュ・セシェとして活動していたことからもわかるように、ノルマンディー地域圏の隣に位置するブルターニュ地域圏に拠点を置くUCIプロコンチネンタルチーム。この第3ステージは中盤に70kmだけ(72km〜143km地点)ブルターニュを通過するだけに、逃げに選手を送り込むことがチームの至上命題。しかもフォンセカは同チームの出場メンバーの中で唯一のブルターニュ出身。まさにローカルチームのローカルライダーがソロエスケープを敢行した。

クラウチングポジションで下りを走るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)クラウチングポジションで下りを走るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) photo:Kei Tsujiタイム差は25km地点で最大11分05秒まで拡大。総合97位・3分06秒遅れのフォンセカがバーチャルマイヨジョーヌとなるが、総合リーダーチームのティンコフが集団先頭で隊列を組むとタイム差はすぐに6分差まで縮まる。

地元ブルターニュの応援を一身に受けながら、34km/h前後のペースを刻んだフォンセカ。風も緩く、メイン集団は束の間のリラックスタイムを満喫する。「逃げを捉えたくなかったから集団のスピードは常にスロー。カフェに立ち寄ってコーヒーでも飲みたいぐらいだった」とマイヨジョーヌのペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が振り返るほど、主催者の予想を大幅に下回るペースでレースは進んだ。

タイム差が6分を推移する中、残り87kmでトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)が突如メイン集団を飛び出して単独でフォンセカにブリッジ成功。ヴォクレールが強力に牽引したが、同時にメイン集団とのタイム差は急速に縮まり始めた。



ティンコフを先頭にゆったりとしたペースで進むメイン集団ティンコフを先頭にゆったりとしたペースで進むメイン集団 photo:Kei Tsuji
ボーラ・アルゴン18の内情を聞く?ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)ボーラ・アルゴン18の内情を聞く?ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) photo:Kei Tsuji補給を受け取った新城幸也(ランプレ・メリダ)補給を受け取った新城幸也(ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji
観客が詰めかけたブルターニュの街を駆け抜ける観客が詰めかけたブルターニュの街を駆け抜ける photo:Kei Tsuji


メイン集団はティンコフを先頭にスローペースを維持メイン集団はティンコフを先頭にスローペースを維持 photo:Kei Tsuji171km地点の中間スプリントポイントはフォンセカが先頭通過。わずか40秒後方にまで迫ったメイン集団の先頭はマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が獲る。

先頭のフォンセカに合流したトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)先頭のフォンセカに合流したトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー) photo:Kei Tsujiフィニッシュ地点のアンジェはヴォクレールが2004年に初めてマイヨジョーヌを着て走ったステージのフィニッシュ地点。思い出の地に向かって力強い走りを見せたヴォクレールだったが、スプリンターチームが束になってペースを上げるメイン集団には対抗できずに残り8km地点で吸収された。敢闘賞は序盤から逃げたフォンセカではなくヴォクレールに贈られている。

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が並ぶアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が並ぶ photo:Kei Tsujiエティックス・クイックステップ、カチューシャ、ロットNLユンボ、ディメンションデータに加え、危険回避のために総合系チームまで集団先頭に上がってペースアップ。アンジェの街に差し掛かるとロット・ソウダルとディメンションデータが先頭でリードアウトトレインを走らせる。

ハンドルを投げ込むアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)ハンドルを投げ込むアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) photo:Kei Tsuji大通りに設置されたフラムルージュを過ぎるとそこからフィニッシュまでは勾配2〜3%の上り坂。ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)とマーク・レンショー(オーストラリア、ディメンションデータ)を先頭に残り350mコーナーに抜け、その後ろからグライペルとカヴェンディッシュ、サガンが発進した。

手を挙げるアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)手を挙げるアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji先頭に立ったドイツチャンピオンジャージのグライペルを、マイヨヴェールのカヴェンディッシュと、マイヨジョーヌのサガン、そしてブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)が追い上げる。最終的にはグライペルとカヴェンディッシュの一騎打ちに。両者ともにフィニッシュラインにハンドルを投げ込んだ。

グライペルが左手を挙げたものの、その後すぐカヴェンディッシュが右手で小さくガッツポーズする。およそ5cmの差でカヴェンディッシュが先着。集団スプリントで負け無しのステージ2勝目が決まった。

「どんなに僅差のスプリントでも、大抵は勝ったか負けたか自分には分かる。今日よりも小さな差で負けた経験もあるし、勝ったという確信はなかった」と、カヴェンディッシュは僅差のフィニッシュについて語る。

第1ステージに続くスプリント勝利。一通りチームメイトを抱き寄せてから表彰台に向かったカヴは「今日は最後の追い込みが勝利につながると思っていたんだ。グライペルの後ろからスプリントするのが得策だと思っていた。その狙い通り差し切る事が出来てよかったよ。今朝のミーティングでロジャー・ハモンド監督が告げた作戦をチームとしてやり遂げた。ディメンションデータにとってこの上ない勝利。このチームのエースとして走ることを誇りに思っている」と語る。カヴェンディッシュはポイント賞トップに返り咲くとともに、ステージ通算勝利数をベルナール・イノーに並ぶ歴代2位の28勝に伸ばした。

ステージ4位のサガンはボーナスタイム獲得を逃したものの、マイヨジョーヌを危なげなくキープ。マイヨヴェールがカヴェンディッシュの手に戻っている。



小さくガッツポーズするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)小さくガッツポーズするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) photo:Kei Tsuji
集団内でフィニッシュする新城幸也(ランプレ・メリダ)集団内でフィニッシュする新城幸也(ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsujiチームマネージャーと勝利を喜ぶマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)チームマネージャーと勝利を喜ぶマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) photo:Kei Tsuji
アルカンシェルの上にマイヨジョーヌを着るアルカンシェルの上にマイヨジョーヌを着る photo:Kei Tsuji


ツール・ド・フランス2016第3ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)     5h59’54”
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
3位 ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)
4位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
5位 エドワード・テウンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
6位 ソンドレホルスト・エンゲル(ノルウェー、IAMサイクリング)
7位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
8位 クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)
9位 ダニエル・マクレー(イギリス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
10位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
67位 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)

マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)              14h34’36”
2位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)  +08”
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)             +10”
4位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)                +14”
5位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)
6位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ)
8位 トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ソウダル)
9位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
10位 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)

マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)      123pts
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)               116pts
3位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)            79pts

マイヨアポワ(山岳賞)
1位 ヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレック・セガフレード)       4pts
2位 ポール・ヴォス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)               2pts
3位 アルマンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト) 1pt

マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)8h34’50”
2位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)          +06”
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)

チーム総合成績
1位 オリカ・バイクエクスチェンジ                    43h44’30”
2位 チームスカイ
3位 モビスター                                +21”

ステージ敢闘賞
トマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)

リタイア
なし 

text&photo:Kei Tsuji in Angers, France
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