「まるで現実感が無い。今年は何もかもがうまく行っている」とは、序盤の逃げに乗り、メイン集団の追撃を振り切りマリアローザを獲得したジャンルーカ・ブランビッラ。その他総合勢のコメントと合わせて紹介します。



逃げ切り、マリアローザを獲得したジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)

マリアローザを獲得したジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)マリアローザを獲得したジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
独走のままアレッツォにやってきたジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)独走のままアレッツォにやってきたジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji独走勝利を飾ったジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)独走勝利を飾ったジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsujiまるで月の上を歩いているような気分だ。狙い通りステージ優勝を飾ったことに自分でも驚いている。未舗装路ということで、今年のストラーデ・ビアンケで3位に入ってからというものずっとこのステージを狙っていた。スタート共に真っ先にアタックしてから多くのメンバーが同調してくれたんだ。

幸運だったのは、そこにマッテオ・トレンティンがいてくれたこと。だから僕らにとっては完璧なシチュエーションだったんだ。彼に自分が好調だと伝えると逃げ切りのために徹底的に前を引いてくれた。そして最後の登りで自分がアタックしたんだ。

最後は幾つかのアタックを無理して追わなかった。最後の未舗装路区間こそ重要だと睨んでいたから。加速してからというものは自分の好きなコンディションだったし、良いペースを保つことができた。少々のリスクを負いつつ下りも登りも攻めたんだ。終盤には人生で最も幸せな瞬間にいるんじゃないか、と気付いたよ。
イタリア人にとってはアレッツォで勝利とマリアローザを同時に獲得できるなんて夢のまた夢。

マリアローザは想定外だったけど、こうして夢がかなったことを嬉しく思う。20日前に娘のアシアが生まれて人生が変わった。今年は何もかもがうまく行っている。美しく、嬉しい気持ちに包まれている。自転車競技が大好きだし、今日は今までの苦労が報われた。

マリアローザを失ったトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)

ライバルたちから1分08秒遅れで頂上に近づくトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)ライバルたちから1分08秒遅れで頂上に近づくトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:Kei Tsuji残念な結果については考えたくない。今日はバッドデーだった。リードを失った今、タイムトライアルで勝利を狙うという本来のプランAに立ち戻る。でも今この瞬間は落ち込んでいるし、そのことについてもあまり考えたくない。

総合に関しては明日マリアローザを取り返すことになるかもしれないし、そのプランを今チームとして考えている。けれど、今日の登りで自分よりも登れている選手が20名いることに気づかされた。だから最後まで総合争いにこだわるかどうかは分からない。

実はここ数日サドルとの股擦れが出てしまっている。昨日も今日も最悪な状況のようには感じなかったが、問題はそこではなく、今日レース中に全くエネルギーが残っているように感じなかったこと。もし明日も今日と同じフィーリングだったら勝利は不可能だ。よく回復して良いパフォーマンスを披露できれば良いと思っている。

積極的に動いたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

逃げグループにチームメイト2名が入っていたので自分にはチャンスだった。登りの序盤から全力でアタックして合流できれば、2人のフルサポートを受けることができたから。結果的に作戦は成功して、彼らは素晴らしい働きをしてくれた。

2級山岳アルペ・ディ・ポーティを登るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)、ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)2級山岳アルペ・ディ・ポーティを登るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)、ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ) photo:Kei Tsuji
ニーバリやウランから3秒稼いだアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)ニーバリやウランから3秒稼いだアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Kei Tsuji主だった総合勢は無難に走りきったが、ドゥムランは脱落。彼がタイムトライアルで最強であることには変わりなく、彼が遅れたのを見てなるべくタイム差を稼ぐべくフルスピードで登った。それからフグルサングも若干苦しんでいるように見えたが、あの段階では誰もが苦しかったよ。

ドゥムランにとってはあまり良くない1日だったが、まだ彼がジロを総合優勝する可能性はある。彼に対して大きな差をつけられるとは考えにくいが、自分に強さも感じている。タイミングを躊躇せずに攻撃していきたい。

昨日は重要なチームメイトであるハビエル・モレーノがリタイアしてしまったが、今でも僕らのチーム力は強力なレベルにあるし、それは今日の展開で証明できた。明日のTTは非常に重要だし、コースプロフィールも僕向きだ。ロスをなるべく抑えてタイムを稼ぎたい。

ステージ12位で終えたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)

悪くない。ずっとトップグループについていくことができた。体調は右肩上がりで、3週目の難関山岳ステージについてポジティブに考えられることができるようになっている。明日のタイムトライアルは難しいコースプロフィールで、とてもチャレンジングだ。3月にコース試走をしたが、常にアップダウンを繰り返すんだ。スタートからフィニッシュまで全力で攻め続ける必要がある。

この日42歳を迎えたマッテオ・トザット(イタリア、ティンコフ)

42歳の誕生日ということでとても大切な1日だった。風邪と落車の影響でトップコンディションではないが、体調に注意を払いつつ休息日明けにはベストな状態に戻したい。

序盤に動いた山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)

2級山岳アルペ・ディ・ポーティを登る山本元喜(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)2級山岳アルペ・ディ・ポーティを登る山本元喜(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
逃げたくて全力で動いたが無理だった。潔く諦めた方が良いと感じた。逃げろと言って貰えれば挑戦することもあるかもしれないが、ここからは完走する事と仕事をすることに集中したい。今日前半のキツさは今日までのレースで1番という感じだった。とにかくキツかったが耐えきることが出来て良かったと思う。少しでも調子が悪ければ遅れると感じたタイミングが何度もあった。中盤以降に関しては比較的楽に走ることが出来たので前半に負ったダメージを回復することが出来た。

今日までの感じではジロ・デ・イタリアなのに山岳よりも平坦の方がしんどいという感じである。明日のタイムトライアルは無理せずに余裕を持って走りたい。そしてフィロージが昨日からお腹の具合を悪くしてしまい今日のレースでタイムアウトになった。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)

※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:So.Isobe