世界最大規模のロードレースイベント、シマノ鈴鹿ロードレース。2日間に渡って開催されるイベントのトリを務めるのは、今年もトップクラスの選手たちが鎬を削る国際ロードレース。5.8kmコースを10周する58.1kmのハイスピードな争いだ。



観客たちの見守るメインスタンド前を通過する14人の逃げ集団観客たちの見守るメインスタンド前を通過する14人の逃げ集団 photo:Makoto.AYANO
ホストを務めるシマノレーシングの他、宇都宮ブリッツェンやチーム右京、キナンサイクリングチーム、愛三工業レーシング、ブリヂストン・アンカー、マトリックス・パワータグといった国内強豪勢に加え、今年は海外招待チームとしてUCIワールドチームのジャイアント・アルペシン、BMCレーシングの育成組織であるBMCデヴェロップメント、そしてオランダ籍のSEGチームが参加した。

「ブレーカウェイキラー」ジ・チェン(中国、ジャイアント・アルペシン)がスタートラインに並ぶ「ブレーカウェイキラー」ジ・チェン(中国、ジャイアント・アルペシン)がスタートラインに並ぶ photo:Makoto.AYANO若手育成チームのSEG ジュニアロード世界王者のヨナス・ボケロー(ドイツ)が所属する若手育成チームのSEG ジュニアロード世界王者のヨナス・ボケロー(ドイツ)が所属する photo:Makoto.AYANO


ジャイアント・アルペシンからは昨年ツール・ド・フランス、今年ジロ・デ・イタリアを完走したジ・チェン(中国)が参加し、若手育成チームのSEGからはジュニアロード世界王者のヨナス・ボケロー(ドイツ)も顔を揃えた。UCIやJプロツアーではないものの、海外からの豪華メンバーを迎え華のある舞台に各チームがかける想いは相当に熱い。

1周目から井上和郎(ブリヂストンアンカー)らがアタックを開始する1周目から井上和郎(ブリヂストンアンカー)らがアタックを開始する photo:Makoto.AYANO国内外の招待選手に、脚に覚えのあるエリートアマチュア選手を加えた150名が定刻通りスタート。一周目から阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、井上和郎(ブリヂストン・アンカー)、横山航太(シマノレーシング)、日本チャンピオンの窪木一茂(チームUKYO)らが次々とアタックを仕掛けるものの、決定打には繋がらない。

マグナス・クラリス(デンマーク、SEG)と鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)の2人の逃げが続くマグナス・クラリス(デンマーク、SEG)と鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)の2人の逃げが続く photo:Makoto.AYANO3周目、積極的に逃げを試みる鈴木真理にはマグナス・クラリス(デンマーク、SEG)が同調しておよそ1周を逃げたが吸収され、スピーディーな展開の中でメイン集団も大きく割れることになる。絶えずアタックと吸収が続いたため、ホビーレーサーにとっては苦しい展開だ。

5周目、逃げに成功した14名の先頭集団内には宇都宮ブリッツェンが大久保陣、鈴木譲、増田成幸、阿部嵩之、堀孝明と5名を送り込み有利な展開に持ち込んだ。他複数を送り込んだのはシマノレーシング(秋丸湧哉、木村圭佑)と愛三工業レーシング(福田真平、 平塚吉光、 伊藤雅和)。畑中勇介(Team UKYO)とジ・チェン(中国、ジャイアント・アルペシン)、リカルド・ガルシア(スペイン、KINANCyclingTeam)、ヴァレンティン・バリファール(スイス、BMCデヴェロップメントチーム)らは単独で展開した。

追走するメイン集団では組織だったコントロールができず、ブリヂストン・アンカーやマトリックス・パワータグが積極的に抜け出しと追走を試みて30秒前の先頭グループを追いかける。対する14名も登りでリカルド・ガルシアがアタックするも決まらず、均衡が破れないまま距離を消化していった。

逃げを決めた14名の先頭集団がホームストレート前を行く逃げを決めた14名の先頭集団がホームストレート前を行く photo:Makoto.AYANO
早めのゴールスプリントを仕掛けたジ・チェン(中国、ジャイアント・アルペシン)早めのゴールスプリントを仕掛けたジ・チェン(中国、ジャイアント・アルペシン) photo:So.Isobe畑中や大久保、福田らスプリントに長ける選手がいるため、逃げ切りの確率が上がるとともに先頭集団内のアタックも本格化する。最終週で増田や伊藤、ジ・チェンらが独走を試みるも続かず、下りを経て勝負は9人の集団スプリントに持ち込まれた。

最終コーナーを抜け、再びチェンが渾身のアタックを仕掛けたが成功せず、この動きのなかで畑中がチェンの番手に付ける。連なったのは福田。大久保はラインに入れず、長時間風を受け続けることになってしまう。

諦めたチェンがコース脇に避けると、タイミングを待っていた畑中がスプリントを開始する。「勝つ自信はあったが、先行した畑中さんとの距離を見誤って差しきれなかった」と言う福田を差し切り、畑中が先頭でゴールラインを割る。片手のガッツポーズが宙に決まった。

右端から伸びた畑中勇介(チームUKYO)がトップでゴールラインを通過する右端から伸びた畑中勇介(チームUKYO)がトップでゴールラインを通過する photo:Masanao.Tomita
シマノ鈴鹿ロードのトロフィーを掲げる畑中勇介(チームUKYO)シマノ鈴鹿ロードのトロフィーを掲げる畑中勇介(チームUKYO) photo:Makoto.AYANO「この人数のスプリントだったらどんな状況でも勝てた。逃げが最後まで持つか分からなかったが、後ろには窪木がいてくれる。むしろ自分が逃げに入らない方がマズかった。チームオーダーでこそなかったが、先手を打つことができた。これから続く秋のシーズンに向けて良い弾みになった」と振り返る畑中。

「逃げグループからの散発的なアタックへの対処が難しかった。リカルド選手のアタックが強力だったので、過去のレースを振り返ってもチェックしておく必要はあった。僕は絶対海外勢には勝ちたかった。僕らにとってはホームだし、彼らにとってはアウェー。負けたくなかった。最大の目標に据えているジャパンカップでも勝ちにいきたい」とゴール後に語った。

2位の福田は「勝利に向けてうまくチームは動けた。スプリントになったら僕で行くことはオーダーだったので勝利を目指したが、少人数のスプリントではやはり畑中さんが一枚上手だった」と話した。

一般のレースの熱戦の模様、来日したジ・チェンへのインタビューや海外招待チームのバイク記事は追って紹介します。



第32回シマノ鈴鹿ロードレース 国際ロード
1位 畑中勇介(Team UKYO)                          1h18'36"77
2位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)
3位 木村圭佑(シマノレーシング)
4位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
5位 リカルド・ガルシア(スペイン、KINANCyclingTeam)
6位 ヴァレンティン・バリファール(スイス、BMCデヴェロップメントチーム)
7位 秋丸湧哉 (シマノレーシング)
8位 ジ・チェン(中国、ジャイアント・アルペシン)
9位 伊藤雅和 (愛三工業レーシングチーム)
10位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)                           +16"

text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO,Masanao.Tomita,So.Isobe
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