エステバン・シャベスの勝利に終わったブエルタ・ア・エスパーニャ最初の山頂フィニッシュ。ステージ上位の選手や、失格処分を受けたヴィンチェンツォ・ニーバリらのコメントを紹介します。



ステージ優勝とマイヨロホを手にしたエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)

大会最初の山頂フィニッシュを制したエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)大会最初の山頂フィニッシュを制したエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Tim de Waeleこの上ない気持ち。人生の中で最も重要な勝利だ。ブエルタ最初のロードステージで勝ってレッドジャージを獲得するなんて未だに信じられない。

チームは自分を信頼して全力でサポートしてくれた。チームメイトやスタッフには感謝をしてもしきれないよ。長いハードトレーニングの成果がこうして出た。このレッドジャージを出来るだけ長く守りたい。選手であれば誰もがそう思うはずだ。

オリカ・グリーンエッジのニール・スティーヴンス監督

選手たちは素晴らしい仕事をやり遂げた。エスデバン(シャベス)を好位置で残り4kmまで連れて行くという作戦を完璧にこなしてくれた。ライバルたちをマークしてタイムを失わないことがプライオリティーだったものの、今朝エスデバンと会話をした際に、ステージ優勝のチャンスがあれば積極的に動くべきということで一致した。この勝利を達成するまで彼は厳しいトレーニングを積んできた。彼にしか出来ない走りで、とてもスマートに勝利に繋げたと思う。

ステージ2位に入ったトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)

今日の結果にはとても満足している。ツール・ド・フランスでの落車から回復するまで2週間かかったけど、落車前よりも強くなってみせるという気概でトレーニングを積んできた。そのハードなトレーニングの成果が出たので嬉しいよ。

ステージ3位のニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームスカイ)

今日は自分が先頭でレースを展開する作戦だった。キンタナがアタックしたのを見てすぐに反応したんだ。集団を引き離してから残り500〜600mで全開アタック。そのおかげでシャベスがアタックした時には何も残っていなかった。頭が思うほど脚は残っていなかった。

でも感触は良かったし、まだまだ厳しいステージが控えている。好きなレースのステージ争いに絡んだことはモチベーションにつながるよ。チームとしても団結して集団先頭で展開出来た。明日は残り10kmに短い登りが登場するけどスプリンターの日になると予想している。明日も安全に走りきり、難関山岳ステージに備えたい。総合バトルの準備は整っているし、来週はフルーミーが勝負に絡むと確信している。

3級山岳でアタックしたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

3級山岳カミニート・デル・レイでアタックしたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)3級山岳カミニート・デル・レイでアタックしたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Tim de Waele予測不能な事態が多く発生するブエルタで(残り30km地点の)大落車に巻き込まれずに済んでとにかく良かった。調子の良さを感じていたので最後の登りでアタック。暑さに苦しめられたものの、何人かのライバルからタイムを奪うことが出来たので良かったよ。ツールとブエルタのダブル出場は初めての経験だけど、勝負に絡めることを確認出来た。

ライバルからタイムを奪ったホアキン・ロドリゲスを評価するカチューシャのホセ・アセベド監督

今日はホアキンにステージ優勝のチャンスがあったので前半からチームとしてレースをコントロールした。終盤、残り3kmで小さなグループが先行した時、タイム差は僅かだったものの、結果的にタイム差は縮まらずに広がり続けた。メイン集団からアタックしたホアキンはライバルたちからタイムを奪うことに成功したが、ステージ優勝には届かなかった。彼の好調ぶりを確信したし、今後のステージへのモチベーションになったはずだ。

失格処分を受けたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)

肩を落としてフィニッシュするヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)肩を落としてフィニッシュするヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waeleまず最初に今日起こったこと(失格処分)についてファンに謝罪したい。悪いシーズンから復活したいと望みながら出場したブエルタのロードステージ初日に、落車して地面に投げ出された。どこも怪我していないことを願いながらチームメイトの力を借りて立ち上がり、擦過傷を確認してから自分のバイクを見つけたものの、壊れていたのでパニックになったし、集団は混乱状態だった。ようやく再スタートを切った時にはすでに集団から1分20秒遅れだった。

落車が故意ではなくても、先行する集団は待ってくれないものだ。恐怖心を振るい払って追走を続け、前で待ってくれていたチームメイトたちの力を借りて徐々にポジションアップ。応援してくれているファンや家族の姿を想像しながら、自分は大丈夫だと証明したくて集団復帰を目指した。その途中に、約150mにわたってチームカーに引っ張ってもらうという間違いを犯した。でもロードレースにおいて落車後にチームカーを利用するは常套手段。どんな罰金もタイムペナルティーも受け入れるし、10分のタイムペナルティーだって受け入れる。これで失格というのなら、同じような処分を受ける選手が今後も出るはずだ。

チーフコミッセールのブルーノ・ヴァルチック氏

アスタナのステファノ・ザニーニ監督と一緒に映像を確認した。処分は明らか。コミッセールはニーバリをレースから除外しなければならなかった。チームカーを運転していたアレクサンドル・シェファー監督も同様に失格とする。

ゴティエやシカールをアシストした新城幸也(ユーロップカー)

獲得標高差2600mの厳しいステージだった。このクラスのレースは久しぶりだったが、自分の予想以上に良い感触で走れたし幸い落車のダメージもないので、明日と明後日のステージに希望が持てる。山岳でのエース格であるロメン・シカールがステージ13位に入り、チームとしても機能していた。自分も貢献できたので、良いスタートが切れたと思う。

選手コメントは各チーム公式サイトやFacebook、Teamユキヤ通信より。

text:Kei Tsuji