ツール・ド・フランス第7ステージ終了後にルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)のコカイン陽性が発覚。パオリーニは即座にツールから離脱した。



第2ステージを走るルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)第2ステージを走るルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ) photo:Makoto.AYANO


UCIのプレスリリースによると、7月7日の第4ステージ後に行われたドーピング検査で採取されたパオリーニのサンプルから、コカインの違反が疑われる分析結果が出た。検出されたのはコカインの代謝物であるベンゾイルエクゴニン。当然コカインはWADA(世界アンチドーピング機構)の禁止薬物に指定されている。

UCIはパオリーニを暫定的に出場停止状態に。カチューシャはプレスリリースを出し、パオリーニを即座にツールのメンバーから外すことを発表した。「カチューシャとして今後アンチドーピング機関と協力し、事態の解決に努める」としている。パオリーニは即座にチームを離れ、すでにイタリアに帰国した。パオリーニはBサンプルの検査を要請する権利を有している。

現在38歳のパオリーニはクラシックスペシャリストとして名を馳せ、2015年ヘント〜ウェヴェルヘムで初優勝。これまでグランツールを12回走っており、2013年ジロ・デ・イタリアでステージ優勝を果たしている。

ツール期間中にドーピング違反が発覚するのは2012年のフランク・シュレク(ルクセンブルク)以来となる。利尿剤「キシパミド」が微量検出されたシュレクはその後1年間の出場停止処分を受けた。

カチューシャのドーピング陽性は今回が初めてではなく、2009年にはクリスティアン・ファンバーガー(オーストリア)アントニオ・コロム(スペイン)がそれぞれEPO陽性。2011年にはアレクサンドル・コロブネフ(ロシア)がツール期間中のドーピング検査で利尿剤「ヒドロクロロチアジド」の陽性が発覚。2012年にはデニス・ガリムジャノフ(ロシア)がEPO陽性となっている。

text:Kei Tsuji