TOJの表彰台を争う土井、増田、西薗、早川の各選手が口にしたのはイランなど海外勢対策と新規のいなべステージ攻略。もちろんコンディションは最高の状態で7ステージのレースに臨む。

4人揃っての記者会見。左から土井雪広、増田成幸、西薗良太、早川朋宏4人揃っての記者会見。左から土井雪広、増田成幸、西薗良太、早川朋宏 photo:Hidaki TAKAGI
大会前日の5月16日(土)夕方に、日本人の中で総合の表彰台を争う選手として4人が記者会見を行なった。それぞれが強敵の海外勢対策など、そして未知のいなべステージなどについて語った。

土井雪広(チーム右京)

1週間を通して走るのでどうなるかは見えにくい。チームには富士山で勝てるようなクライマーもいる。個人的には富士山で勝てる脚質ではないのでチームメイトと臨機応変に戦えたらと。飯田ステージやいなべである程度タイム差を稼いで富士山に入りたいですね。イランのチームが強いが、展開によっては勝てないレベルではないと思います。

いなべステージはまだ試走していないけれど、ヨーロッパの選手たちが道幅の狭い箇所などコースを利用したレースを組み立ててくると思いますね。僕らのチームとしても位置取りなどの経験がモノを言うコースだと思います。

増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

去年は10位の総合成績でぎりぎりポイントに引っかかったところです。自分の脚質的にも総合成績を考えつつステージでも表彰台に上がれる走りをしたいですね。ツール・ド・台湾で落車して負った怪我(胸椎突起骨折)はもう治っています。TOJは自分の中では大きな位置づけのレース。いなべは前日にしっかりとコースを見ます。KOMにかけての坂が道幅も狭くキーポイントになると思います。

西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)

TOJは大学4年の学連選抜で出て、その時に総合上位(個人総合11位)で走れたことが自分がプロになるきっかけになった思い入れのあるレースです。2013年は自分より上に5人いました。富士山41分台を出さないと(それ以上の成績は)難しいと思います。個人的には飯田ステージが狙えると思っています。チームも状態が良く上りの強い選手が多く誰でもいけるのが強みですね。いなべはまだ試走しておらず、道が細いところテクニカルな区間で荒れるかもしれないが、ヨーロッパツアーで走った経験で思い切りいければと考えています。

水谷壮宏監督も「トマ・ルバ、ダミアン・モニエ、西薗と総合を狙える選手が3人いる。富士山までにイラン勢などに対してタイム差をつけたい。そのころには総合を狙う選手も絞られてくると思います」と西薗らに期待する。

早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)

TOJは去年厳しい印象があり、今年もそうなるだろうと考えています。自分は富士山ステージなど山を中心に頑張りたいですね。チームでは山岳の選手が多くなったのは明らか。それぞれが得意なところで頑張れればと。福田(真平)さんもいるので平坦でも戦えるチームだと思います。いなべは一度試走しました。山岳のように見えてゴール手前は惰性で行ける感じなので、ある程度登坂力があってそしてスピードのある選手が有利なコースと思います。

西谷泰治監督は「ランカウイで上位に入ったように早川にはステージレースを戦える力がつきました。中根の登坂力と福田のスプリントにも期待しています」と語る。


また日本ナショナルチームの浅田顕監督は、遠征の日程が重なったツアー・オブ・ジャパンとヨーロッパでのネイションズカップの選手振り分けについてこう語っている。
「誰が強いということでなく、目の前のTOJを走れるメンバーを選びました。ヨーロッパでの連戦で選手皆が疲労し、小石祐馬は骨折もしています。TOJは少し前からキャプテン格として面手、登坂力のある徳田、スプリントに期待できる黒枝の3人を軸に考えていました。いっぽうネイションズカップ組みはこの期間は休み、体調を整えてから遠征して確実にポイントを獲得する、そのような考えでチームの編成をしました」という。有望な若手が多いからこその苦渋の決断を下した。

個人総合のグリーンジャージは誰が着るのか。戦いは始まっている?個人総合のグリーンジャージは誰が着るのか。戦いは始まっている? photo:Hidaki TAKAGI

photo&text:Hideaki TAKAGI

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