ジロ・デ・イタリア開幕地サンレモから東に20kmほど行ったディアノマリーナのホテルに、リラックスした表情の別府史之(トレックファクトリーレーシング)がいた。気づけばいつの間にかメンバー最年長。経験を教える立場となった別府の4度目のジロに向けたコメントをお伝えします。



リラックスした表情の別府史之(トレックファクトリーレーシング)リラックスした表情の別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji


トレーニングライドを終えた別府史之(トレックファクトリーレーシング)トレーニングライドを終えた別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji4度目のジロ出場を控えた別府史之(トレックファクトリーレーシング)4度目のジロ出場を控えた別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji別府史之(トレックファクトリーレーシング)別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji今年のチーム編成について

若手とスプリンターを集めたチーム構成になっています。チームの目標はジャコモ・ニッツォロの勝利。去年も良い走りをしていたんですが勝てなかった。ステージ1勝をもぎ取るために、彼を中心にしたチーム構成になっています。彼のステージ優勝とレッドジャージ(マリアロッサ)が目標ですね。チームタイムトライアルは未知数ですが、スプリントに向けてリードアウトする選手が揃ってるし、スピード的にはいいところまで行くと思います。

その中で別府選手自身の目標は?

ニッツォロのステージ優勝とは別に、個人の成績を追求したいと思っています。去年はスプリント向きの平坦ステージか総合が動く山岳フィニッシュばかりだったけど、今年は逃げ向きのコースが多い。ある程度フリーに動いて、逃げでチャンスを作れるのはファビオ・フェリーネと自分。チームからそういったオーダーをもらっています。もちろん1週目から行きますが(アタックしますが)、2週目にチャンスがあるかなと。

去年とはまた違った走りが期待できそうですね

去年は総合狙いのキセロフスキー、山岳賞ジャージのジュリアン(アレドンド)、そしてスプリンターのニッツォロがいたので、毎日色んなサポートが必要でした。しかも山岳をこなせるアシストが自分しかいなかったのでアシストの日々。チームとして走るのは好きですが、あまり自分の走りができなくてフラストレーションも貯まりました。ニッツォロに今年こそはステージを取って欲しいので全力でアシストしますが、彼が登れない(勝負に残れない)ステージは自分が逃げてチャンスを作りたいですね。

チームの中で別府選手の立ち位置は?

さっき昼食の時に「このテーブルで一番年寄りは誰?」という話になって、「ああ!俺だ!」ということに気づいてびっくりしました(笑)グランツールの経験も多いし、ベテランライダーとして経験を若い選手に伝える歳(32歳)になったんだなぁと。

ジロに向けての準備は万端?

自分のコンディションはいいです。さっきもチプレッサの登りを走った時に、ワットも出るし身体も軽いし脚は軽いしよく動く。身体は軽いけどパワーは出ている。シーズン初めからこのレースに照準を合わせてきたので、調整はしっかりできています。モチベーションはすごく高い。

何かトレーニング方法を変えましたか?

いつも使っているCycleOpsのローラー台に接続してバーチャルのトレーニングができるZwiftを使い始めました。画面を見ながらひとつの決まったコースを走るんですが、そこには世界中のライダーがバーチャルで走っている。彼らとレース的な走りになって、負荷もしっかりかかって普通にきつい。今までローラー台に長い時間乗るのは苦手だったけど、2時間でも簡単に乗れてしまうのでそのおかげで身体がよく絞れました。

初出場する石橋学選手に何かアドバイスは?

ジロ・デ・イタリアという3週間のアドベンチャーレースを楽しんで欲しい。彼にとって濃い3週間になるはずで、これを弾みにステップアップして欲しいですね。これを乗り越えることで選手として一皮むけると思います。

text:Kei Tsuji in Sanremo, Italy

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