ジロ・デ・イタリアの開幕地サンレモに近いリグーリア州ディアノマリーナにあるチームホテルで、初出場を控えた石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)にインタビューを行った。緊張を隠せない22歳は3週間をどう走るのか。未知の世界に挑む石橋のコメントをお届けします。



ジロ出場を控えた石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)ジロ出場を控えた石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji


石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Nippo Vini Fantiniチームホテルで同じ鹿屋体育大学出身の福井響メカニックと再会する石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)チームホテルで同じ鹿屋体育大学出身の福井響メカニックと再会する石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)が乗るDE ROSA - PROTOS石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)が乗るDE ROSA - PROTOS photo:Kei Tsuji今回選出されたポイントは何だと自負していますか?

長いステージレースを走りきる安定感。(走りの)波の少なさが一番のポイントだったのだと思います。ジロ出場の可能性があるので、早い時期からそのことを考えて走るように言われていました。

勝負に加わるといった大きなものを求められているわけではなく、仮にチームメイトにトラブルがあった時に集団内にいるだけで自分の存在意義がある。アシストとしての仕事を全うして、最後まで走り抜きたいです。

ロードレースではまだまだ劣っている部分が多いのですが、初日のチームタイムトライアルでの走りは期待されています。チームタイムトライアルではしっかりローテーションに入り、(先頭を)引ける時は長めに引きたい。仮に厳しくなった時も付き位置でいいから隊列に残って、落車やパンクなどのトラブルが発生した時のために備えたいです。

グランツールというプレッシャーは感じますか?

UCIワールドツアーレースも初めてですし、確かに不安は多いですね。不安要素は沢山ありますが、とは言っても1日1日をこなしていくしかないです。

昨年走ったツアー・オブ・チンハイレイクの14日間が今までで最長なので3週目は未知の世界ですが、監督やチームメイトからグルペットが出来るタイミングや雰囲気など、完走のためのコツを聞いています。グルペットから無理に前に上がるのではなく、その日は割り切ってグルペットで走り、そこから遅れないように。

石橋選手から見たダミアーノ・クネゴはどんな選手ですか?

もちろんメンバーの中で一番経験が豊富でリーダーとしての風格を備えた選手です。みんな彼を慕っているし、クネゴもみんなに気を配りながら走っている。彼を中心にしてチームがまとまっている印象です。みんな彼のために走りたくなる。そんな選手です。

この3週間で成し遂げたいことは?

完走すること自体が目標ではないんですが、1日でも多くレースを経験したいという思いが強いです。チームにとっても自分にとっても、1日でも長く走ることが重要。チームの一員として、歯車の一つになってチームに貢献したいです。

鹿屋体育大学の学生時代には、こんなにも早くグランツールに出場するチャンスがやってくるとは思っていませんでした。なかなか巡ってくるものではないので、だからこそこのチャンスを生かしたいですね。

text:Kei Tsuji in Sanremo, Italy