4月16日、クリス・メルテンス医師と連絡を取り、禁止薬物を使用していたとされるグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)に対し、ベルギー自転車競技連盟のアンチドーピング委員会が2年間の出場停止処分を要求した。本人は無実を主張。正式決定は5月7日に下される。



グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:Tim de WaeleSporzaなどのベルギーメディアによると、クリス・メルテンス医師と連絡を取っていたとされるファンアフェルマートが、ベルギー自転車競技連盟のヒアリングに出席。そこで担当検事はファンアフェルマートに2年間の出場停止処分と、2012年シーズンのすべての成績剥奪、ならびに262,500ユーロ(約3,400万円)の罰金を要求した。

ロンドに続いてパリ〜ルーベで3位に入ったグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)ロンドに続いてパリ〜ルーベで3位に入ったグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:Makoto.AYANOメルテンス医師はアンチドーピング規約によって禁止されているオゾン療法を19名のアスリートに行っていたとされる人物。ファンアフェルマートは今年3月にシクロクロス選手のトム・メーウセンとバルト・ウェレンスとともにヒアリング出席を求められたが、ティレーノ〜アドリアティコ出場のため4月16日までヒアリングが延期されていた。

ファンアフェルマートは同医師と連絡を取っていたことを認めているが、ルールに反することは行っていないと主張している。内部調査を行ったBMCレーシングはルール違反を示唆する情報がないとしてファンアフェルマートのレース出場を認めていた。その後、ファンアフェルマートはロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベで3位の成績を残している。

メルテンス医師との関係に加え、ファンアフェルマートには禁止薬物を使用していた疑惑も浮上。治療目的であればUCIの除外措置が適用される副腎皮質ステロイドの一種「ディプロフォス」を摂取していたとされる。ファンアフェルマートの弁護士は処方箋を得た上での摂取であり、踵の治療目的で1回限りの使用であると主張。加えて担当検事はファンアフェルマートのアミノ酸注射「ヴァミノラクト」使用も指摘している。今回のヒアリングの結果を受け、ベルギー自転車競技連盟は5月7日に発表を行う予定だ。

ファンアフェルマートは1985年5月17日生まれの29歳。クラシックレーサーとして台頭し、主な戦歴は2008年ブエルタ・ア・エスパーニャのポイント賞、2011年パリ〜トゥール優勝、2014年ロンド・ファン・フラーンデレン2位など。

Sporzaによると、ファンアフェルマートは「今回の一件は自分の評判に大きく響くが、自分の立ち位置は変わらない。これまでアップダウンの少ない安定した成績を残してきたことが無実の証明だろう。この数週間にわたって今回の一件に頭を悩ましたものの、無実じゃなければ安定した成績(ロンド&ルーべ表彰台)なんて残せていない。正当な判断を望むばかりだ。アンチドーピング委員会が良識を持って判断を行い、継続的にレース出場出来ることを望む。仮に悪い決断が下されれば私の世界は崩れるだろう」とヒアリング後にコメントしている。ファンアフェルマートは4月19日のアムステルゴールド・レースに出場予定だ。

text:Kei Tsuji

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