いよいよ目前に迫ったパリ〜ルーベ。クラシックの女王、北の地獄と名高いこのレースに参加する、有力選手たちのコメントを紹介します。



いよいよ目前に迫ったパリ〜ルーベ。現地では選手たちの試走が繰り返されたいよいよ目前に迫ったパリ〜ルーベ。現地では選手たちの試走が繰り返された photo:CorVos


「カードをどう切るかが重要。戦う準備はできている」
ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)


「カードをどう切るかが重要。戦う準備はできている」 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)「カードをどう切るかが重要。戦う準備はできている」 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:CorVosロンドでスタートを待つブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)ロンドでスタートを待つブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO「カードは揃っている。それをどう使うかが問題だ」「カードは揃っている。それをどう使うかが問題だ」 photo:Makoto Ayanoチームスカイとしてのラストレースだが、そのこと自体は大きな意味をなさない。レースそのものに集中しているんだ。このレースのための準備は今まで自分が設定してきたどの目標とも違う。ベストなコンディションを用意できたとしても、マズいタイミングの落車やパンク一つでレースが終わる。だからと言って宝くじとも違い、落車に巻き込まれないポジションを探したりと"運"さえも自分で掴まなければならないし、それが非常に大切だ。単なるタイムトライアルなら勝機を伺えるが、パリ〜ルーベでは不可能だ。

「クリストフは大きな脅威となるだろう」(ブラドレー・ウィギンズ)「クリストフは大きな脅威となるだろう」(ブラドレー・ウィギンズ) photo:CorVosこれまでにできる限り全ての準備をし、去年よりもコンディションは上がっている。ヘットニュースブラッドの参加やフランドルの落車もうまい糧になったと考えている。僕らは冬から毎月下見を重ねてきたし、ニューバイクも手に入れた。カルフール・ド・ラルブルで去年と同じポジションにいられれば、勝機は十分にあると思う。

今週はじめの段階ではフランドルの落車の影響が残っていたが、たくさんのケアのおかげで回復することができている。やや疲れているものの一週間前より調子は上向きだし、どこまで戦えるのか探りながら走っていた昨年と違ってメンタル面の充実もOKだ。戦う準備はできている。

レース開始後の2時間は平穏に過ごすことができるが、最初の石畳ではどういうわけかプロトンが狂ったようにクレイジーになる。だから自分はいつも後ろから10番手以内に下げて、カオスな集団前方から離れるんだ。最初の石畳が終われば再び平穏に戻るのに、そこまで争う意味がいつも理解できない。

次の第3〜4セクターをトラブル無しでクリアすることは、1つ目のキーであるアランベールに向けてとても重要だ。100名ほどがこの時点で残るが、ここで休めば勝機を逃す。ここからレースは第2段階に入り、レースの下準備が終わるんだ。度重なるアタックが発生し、オルシーとモンサン・ペヴェルの間で抜け出した選手が過去に何人も勝利を掴んでいる。

もしクリストフが調子を維持しているようであれば、間違いなく強敵の一人になるだろう。デパンヌからノ短期間に6勝しているし、一気に優勝候補に名乗り出た。彼はステージレースでもクラシックでも勝てることを証明したと感じる。

(スプリンターに勝つための作戦を聞かれ)それに答えることはできないよ(笑)。アタックのタイミングを正しく読み取ることが必要だ。もし風が強く吹けば追い風となり、石畳のスピードは上がるだろう。今までにどこでアタックが決まったかを把握していないと、勝機を逃してしまう。とにかくあのレースではどんなことだって起こりうる。

チームスカイの強みは強力なカードを揃えていることにある。しかしこれまでにもメンバーを揃えていたにも関わらず結果が出なかったが、それはスプリントで勝てる選手がいないからだ。旧き良き90年代にはスプリンターはゴールまで残れなかった。今はデゲンコルブやクリストフが最後まで残る可能性があるが、本当だったらゴールまでに彼らを振り落とさなければならず、そして小集団か単独でゴールまで到達する必要がある。カードを揃えていても、そのカードをどう切るかが大事なんだ。

「ゼッケンNo1をつけてスタートラインに立てることに興奮を覚えている」
ニキ・テルプストラ(オランダ、エティックス・クイックステップ)


今日の試走では自身が好調であることや石畳の様子も確認することができ、日曜日に向けての自信が高まってきた。優勝できる確率は昨年とほぼ同じくらいだと考えている。チームとしては昨年と同じくらい強力なメンバーを揃えることができた。パリ~ルーベではその時々によって、チームの誰で勝負すべきかが変わってくるが、あらゆる展開に対応できるはず。

昨年大会を独走で制したニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)昨年大会を独走で制したニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele
そして、このレースには沢山の優勝候補がいる。ここ最近はアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が多くの勝利を挙げているが、パリ~ルーベの様なレースにおいて彼はただ1人の最有力候補とまでは呼べない。

もちろん、今回のレースもファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)と、チームメイトのトム・ボーネン(ベルギー、エティックスクイックステップ)も出場しない。特にボーネンはこのレースに関して非常に豊富な経験とタクティクスがあり、これまでチームは彼を中心としてパリ~ルーベを戦ってきた。

でも、豊富な経験は監督陣にもいえることであり、多くの成功を収めてきた。だから、僕達はいつだって監督達の的確な支持を仰ぐことができるんだ。バイクは昨年同様にスペシャライズド S-Works Roubaix SL4を使用する。

昨年のパリ~ルーベで勝利を決めた瞬間のことは昨日の事の様に鮮明に覚えているよ。ゼッケンNo1を背中につけてパリ~ルーベのスタートラインに立てる好機に恵まれたことに興奮しているし、また来年も同じ気分を味わえる様に、全力を尽くすつもりだ。

「歯は万全。自己最高リザルトを残したい」
ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)


チームメイトと共にゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)が試走チームメイトと共にゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)が試走 photo:CorVosエティックス・クイックステップはクラシックシーズン低迷を脱せるかエティックス・クイックステップはクラシックシーズン低迷を脱せるか photo:Tim de Waele今日の試走は75kmを自転車で、残りを車で行い、試走の間はとても調子が良いと感じることができた。過去にこのレースを走った経験が、今回のコース試走でどこをよく見るべきかなのかということに役立ってくれた。勝つための材料は揃っているし、チームメイトも皆調子よく石畳を走れていたと思う。

ファンが僕のコンディションについて心配していることもわかっている。でも、僕の歯は万全だ。昨年のエネコツアーで折った5本の前歯は全て入れ替えた。しっかりと接着され生まれ変わった。だから、もう何もトラブルが起こらないことを強く願いたい。

今回の目標は自己最高成績を残すこと。パリ~ルーベを2回走って、1年目は6位、2年目は5位でフィニッシュしており、これまでのリザルトは表彰台に登れる可能性が高いことを示してると思う。でも、今回のメンバーの中には優勝候補が数名いる。ニキ、僕、ステイン・ファンデンベルフ(ベルギー)、マッテオ・トレンティン(イタリア)の誰かしらが、シチュエーションに関わらず何かしらのアクションを起こせるだろう。今シーズンここまで残してきたリザルト通り、チームは好調だ。

僕にとってライバルになるのはウィギンズの様なライダーだ。彼には思い描く理想の展開があって、それを実行できるだけ力を持っているはず。もちろんクリストフも強力で、好調なだけではなく勝ち癖がついている。だから、彼を蹴落とすのは大変だろうけど、勝つためには挑戦する必要がある。もちろん他にもマークしているライダーは沢山いるし、チームの強みを活かして何ができるのかを探っていかなければならない。

もちろん、キャリアで1度はシクロクロスのスキルを活かすことのできる雨のパリ~ルーベを走ってみたい。しかし、同時に危険なレース展開になることもわかっているし、濡れた石畳では1回のミスやトラブルが命取りになる。だから、今度の日曜日は晴れでもシクロクロッサーとしてのスキルが活かせる様なコンディションになってくれることを願う。

「全てが噛み合えば自分の展開を作れるはず」
ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)


カルフール・ド・ラルブルで試走するペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)カルフール・ド・ラルブルで試走するペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) photo:CorVos北の地獄ととるか、クラシックの女王ととるかは人それぞれだが、自分にとってパリ〜ルーベは間違いなく獲りたいレースの一つだ。いつだってタフで、その日の運に結果が左右される。落車や怪我を防ぐにも運が必要で、全く見当すらつかない。

過去には先頭に残りながらも勝利を取りこぼしてきたが、調子は非常に良い。ミスを最小限に留めるために集中しなければならないし、運も必要だ。でも全てが噛み合えば、終盤には自分の展開を作ることができるはずだ。

「シュヘルデプライスは良い予行練習になった」
セプ・ファンマルク(オランダ、ロットNLユンボ)


シュヘルデプライスでは本番と同じような距離で、良い予行練習ができた。フランドルでは臨んだ通りにいかなかったが、今回は良いリザルトを残すことができると思う。パリ〜ルーベは僕の大きな夢。自分の(スペシャルペイント)バイクと共に、できる限り全ての手を尽くして走ろうと思う。準備は整った。

パヴェセクターを試走するロットNLユンボのメンバーパヴェセクターを試走するロットNLユンボのメンバー photo:CorVos
「ミスの修正は不可能。ロンドよりも僕に向いている。」
ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)


ロンド・ファン・フラーンデレンで7位に入っているユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)ロンド・ファン・フラーンデレンで7位に入っているユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:CorVos水曜日に100kmほどトレーニングをし、今は試走を済ませた。休養もしっかり摂れたし、試走はいい天気だったこともあって良い刺激になった。ミラノ~サンレモから調子が良いし、これ以上のコンディションは望むべくもない。ヘント~ウェベルヘムではベストな脚が作れたから、それを維持できていれば良いと思う。

キャリア最大のクラシックで勝つために、今は自分にプレッシャーをかけている。チャンスは多くないが、もうバッドラックは既に受け入れた(昨年のロンドで負傷)し、モチベーションも非常に高い。怪我で出場できなかったこともあり、今回で4回目のパリ〜ルーベ出場だ。実際ロンドよりも脚質的に僕向きなんだ。

予想するに、クリストフ、テルプストラ、デゲンコルブ、そしてキャリアの1ゴールを迎えるウィギンズが勝負に絡んで来るはずだ。

チームは強い状態にあるから、ラスト50kmの段階でチームメイトじゃ4人程度残れると考えている。積極的にレースを作っていく必要があるし、目の前のチャンスは全て掴まなければならない。集団復帰が難しいこともあり、ロンドのようにミスを修正することは不可能だ。

レース序盤は不安定な状態に陥るが、そこでの不安は感じていない。ベロドロームに単独で入り、そしてガッツポーズをするためなら、レース中に何が起こっても問題では無い。


text:CW編集部


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