コンポーネントのみならず、シューズにおいても高い知識とノウハウを持つシマノ。そのエントリーグレードのロードシューズが「SH-R065」へとモデルチェンジを果たした。エントリーモデルながら、ハイエンドと同様の足底形状「ダイナラスト」を採用し、ペダリング効率を向上させた1足だ。



シマノ SH-R065シマノ SH-R065 photo:Makoto.AYANO
「SH-R065」はシマノのエントリーロードシューズ「SH-R064」の後継モデル。今回のモデルチェンジにおいて最大の変更点は、ハイエンドモデルにも用いられている足底形状「ダイナラスト」が与えられたこと。ダイナラストとはシューズ内におけるつま先の高さ(位置)を最適化することで、「ブレーキングロス」と呼ばれる、足を引き上げる時に発生する入力とは逆方向の力を低減する足型である。

まず、シマノがペダリング効率を追求する中で着目したのが、シューズ内におけるつま先の位置だった。アップストローク時につま先の位置が低すぎる場合は、膝が外側へ広がってしまいパワーを効率よくペダルに伝えることができない。逆に高すぎる場合は足底やふくらはぎ、太腿の筋肉の緊張によって、股関節の可動域が狭くなり「ブレーキングロス」が発生してしまう。それを突き止めたシマノは、シューズ内におけるつま先の位置を最適化する「ダイナラスト」を生み出したのだ。

ワイドなベルクロ2本を使用したクロージャーシステムワイドなベルクロ2本を使用したクロージャーシステム photo:So.Isobeサラウンドラップのようにアッパーとタンが一体化されているサラウンドラップのようにアッパーとタンが一体化されている photo:So.Isobe

メッシュ素材を多用することで、高い通気性を確保したメッシュ素材を多用することで、高い通気性を確保した photo:So.Isobe足の形にピッタリとフィットする、しなやかなシンセティックレザー製のアッパー足の形にピッタリとフィットする、しなやかなシンセティックレザー製のアッパー photo:So.Isobe


アップストローク時につま先を理想的な位置に固定することで、ブレーキングロスを5.23%低減し、ペダリング効率を0.56%向上させることに成功。プロライダーを想定したテストでは、250W(約0.33馬力)の出力で200km走った場合に25秒早く走れる計算となるが、より出力の小さい、ペダリングスキルが未熟なビギナーの場合でも、その高効率化のメリットを受けることができるとしている。

ダイナラストのソールを採用したことで、足底のベンチレーションホールの数も前作より増やされ、通気性も向上している。素材はミドルグレードと同様の軽量グラスファイバーコンポジットナイロンを採用し、剛性指数も同様の「6」となっている。また、ソールはSPDとSPD-SLの両方のクリートに対応しているため、初心者ライダーはシューズの着脱がしやすいSPDからはじめ、慣れてきたらペダリング効率がより高いSPD-SLペダルに交換しても、シューズはそのまま使い続けられるように、汎用性が高いことも特徴の1つだ。

ペダリング効率を向上させるダイナラストを採用した足底。クリートはSPDとSPD-SLの両方に対応しているペダリング効率を向上させるダイナラストを採用した足底。クリートはSPDとSPD-SLの両方に対応している photo:So.Isobeヒールにはレースモデルより歩きやすいように大きめの滑り止めが配されたヒールにはレースモデルより歩きやすいように大きめの滑り止めが配された photo:So.Isobe


アッパーにはフラッグシップモデル「SH-R321」のサラウンドラップのような、タンが一体化した構造を採用。しなやかなシンセティックレザー素材を採用し、ストレスフリーな履き心地となっている。クロージャーシステムは締め付け具合を自由に調整できるベルクロを採用、軽量化にもつながっている。

カラーはブラックのみとなるが、差し色にレッドを加えられ引きしまった印象を与えてくれる。サイズは36~46までと幅広いライダーが選べるような展開となっている。SH-R065はシマノが誇るソール「ダイナラスト」が与えられていながらも、価格は9,000円(税抜)に抑えられたコストパフォーマンスに優れる1足だ。



シマノ SH-R065
アッパー素材:シンセティックレザー、メッシュ
ソール:グラスファイバーコンポジットナイロン
ラスト:SHIMANO DYNALAST
サイズ:36~46
重 量:480g(40サイズ、カタログ値)、560g(43サイズ、実測値)
価 格:9,000円(税抜)

リンク

最新ニュース(全ジャンル)