その早すぎる現役引退から1年、西薗良太がプロトンへとカムバックする。2012年には全日本TTチャンピオンを獲得した「理論派」レーサーが、古巣ブリヂストン・アンカーの一員として2015シーズンより現役復帰することが発表された。



イベントに出席した井上和郎、西薗良太、椿大志イベントに出席した井上和郎、西薗良太、椿大志 photo:Kei Tsuji


ブリヂストンアンカーで現役復帰する西薗良太ブリヂストンアンカーで現役復帰する西薗良太 photo:Kei Tsuji12月19日、日本サイクルスポーツセンターにて行われているブリヂストンサイクル主催のイベントにて発表された西薗良太の現役復帰。2013年末に自身のブログ上で現役引退を発表した際、「早すぎる」という声が多く聞かれただけにファンや国内のレース関係者にとってはサプライズ的なカムバックとなる。

2014年は一般企業で働きながら、プロとしての経験を多くのサイクリストに伝えるべく講演会を行う一方で、アマチュアレーサーとしてJBCFのE1クラスタで走り2勝をマークした。

社会人を経験した西薗は復帰の理由について以下のように語る。「チーム契約がなく、若いうちに社会を経験しておかないといけないという思いから2014年は社会人になりましたが、逆にレースは今しか出来ないと感じるようになった。プロ3年目のチャンピオンシステム時代に『まだ強くなれる』という実感があり、自分の中には選手として改善出来る点が多く有る。それを突き詰めたいと思いました。ブリヂストンアンカーを選んだのはヨーロッパを走れるという点が大きかったです」。

西薗は鹿児島県霧島市出身の1987年生まれ。東京大学では自転車競技部に所属し、2009年に全日本大学対抗選手権自転車競技大会(インカレ)の個人ロードレースと個人タイムトライアルを制して学生ロードの二冠を達成。卒業後の2011年にはシマノレーシングに加入し、「東大卒レーサー」としてプロロードマンとしての道を歩み出す。同年のツール・ド・北海道では第1ステージで優勝し、総合2位となる。

2012年にはブリヂストンアンカーに移籍し、全日本選手権個人タイムトライアルに優勝。そして2013年にはプロコンチネンタルチームのチャンピオンシステムに移籍。学生時代よりトレーニング理論に精通する理論派として知られ、海外を拠点にアジア、そして世界を舞台に走った。

「社会人の1年間は走る時間が少なかった。乗る時間は1週間に7時間程度でした。練習時間にしては効率よくコンディションを維持出来ていると思います」と語る西薗の復帰シーズンに注目だ。

text:So Isobe, Kei Tsuji

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