雨に濡れ、何百本というタイヤに練り上げられた泥は乾くことなく、バイクにまとわりつく凶器に変わった。転倒はもちろんパンクとメカトラ続出の野辺山シクロクロス2日目。再びイタリア勢がUCIレースの頂点に立った。


1周目のキャンプ場を通過1周目のキャンプ場を通過 photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc
スタート前にティモシー・ジョンソン(アメリカ、Cannonadale/Cyclocrossworld.com)がVサインスタート前にティモシー・ジョンソン(アメリカ、Cannonadale/Cyclocrossworld.com)がVサイン photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.ccエリート男子スタートエリート男子スタート photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc

先頭でフードコートを駆け抜けるザック・マクドナルド(アメリカ、Cyclocross Project 2015)先頭でフードコートを駆け抜けるザック・マクドナルド(アメリカ、Cyclocross Project 2015) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc標高1385m。最高気温10度、晴れのち曇り、弱風。前日とは打って変わって、野辺山シクロクロス2日目は朝から好天に恵まれた。

バギーコースを独走するジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ)バギーコースを独走するジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.ccしかし泥は泥のままコース上に居座り続けた。太陽に照らされて乾燥し、より粘度をもった深い泥が朝から選手たちを苦しめる。リアディレイラーの破損が続出した一般レースが終わるといよいよ注目は午後のUCIレースへ。泥の深いコーナーの杭は打ち変えられ、畑の泥を人力で取り払うなどの対策が講じられたが、泥が勝負を決めるコースに変わりはなかった。

洗浄機を備えたUCI規格のダブルピット洗浄機を備えたUCI規格のダブルピット photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc1日目のエリート男子レースで好スタートを切りながらも2度のバイクトラブルでリタイアしたザック・マクドナルド(アメリカ、Cyclocross Project 2015)がこの日もホールショット。ここに竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)がすかさず着いていく。

苦しい表情を見せる竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)苦しい表情を見せる竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc「昨日に引き続きスタートで出遅れてしまった。と言うよりもザック(マクドナルド)のスタートが素晴らしかったんだ。彼に先行されてしまったけど、落ち着いて追えば問題ないと自分に言い聞かせてペースを上げた」というベルトリーニが、前を走るティモシー・ジョンソン(アメリカ、Cannonadale/Cyclocrossworld.com)や小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)、そして竹之内を抜いて2番手に浮上する。

2周目に入ると早くもベルトリーニが先頭のマクドナルドを捉え、並走することなく一気に追い抜く。この日もレース序盤にからベルトリーニが独走に持ち込んだ。

腰痛の悪化によってリタイアを余儀なくされたジョンソンに代わって、粘り強い走りで2番手をキープしたのはマクドナルドだった。15秒差をキープしながら周回を重ねるベルトリーニとマクドナルドの2人。ベルトリーニがパンクで失速するシーンも見られたが、ほぼ同時にマクドナルドもパンクしたためタイム差は変わらない。

その後方では竹之内と小坂光、横山航太(シマノレーシング)、山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)、丸山厚(BOMA RACING)らが3番手パックを形成する。横山の積極的なペースアップによって一時は竹之内が苦しい表情を浮かべながら遅れるシーンも。全日本選手権さながらの日本人選手ひしめく追走パックから抜け出したのは山本だった。

レース後半に差し掛かるとベルトリーニとマクドナルドのタイム差が広がり始め、先頭からベルトリーニ、マクドナルド、山本の3名が距離を置いてそれぞれ単独走に。後半にかけて持ち直した竹之内が山本に追いつき、互いに攻撃を仕掛け合いながら前の2人を追う展開となる。

コース際ぎりぎりのラインを走るジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ)コース際ぎりぎりのラインを走るジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc
大会オーガナイザーの矢野大介(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)も走る大会オーガナイザーの矢野大介(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)も走る photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.ccピットとフィニッシュエリアは絶好の観戦ポイントピットとフィニッシュエリアは絶好の観戦ポイント photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc
懸命にトップの2名を追う山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)懸命にトップの2名を追う山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc
フライオーバーを越えるジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ)フライオーバーを越えるジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.ccUCIの「80%ルール(先頭のラップタイムの80%のタイムを経過して周回を終える選手に降車が指示される)」で次々に選手がコース外に出されているにも関わらず、ハイペースを刻んだベルトリーニが周回遅れになった選手たちをパス。抜群のバイクコントロールとスピードでベルトリーニが飛ぶように泥コースを攻略した。

舗装路の登りで竹之内を引き離しにかかる山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)舗装路の登りで竹之内を引き離しにかかる山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc「パンクした時は焦ったものの、出来るだけタイムを失わないようにそのまま走ってピットでバイクを交換。リスクを負うことなくすぐにペースを取り戻した」と言うベルトリーニが独走勝利。マクドナルドとのタイム差は最終的に48秒まで広がった。

最終周回を駆けるザック・マクドナルド(アメリカ、Cyclocross Project 2015)最終周回を駆けるザック・マクドナルド(アメリカ、Cyclocross Project 2015) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc前週のマキノに続いて日本で3連勝を飾ってみせたベルトリーニは、遠征が大成功だったと喜ぶ。そして「今日(日曜日)はこのまま東京に移動して月曜日のフライトで帰国する。イタリアに戻ってすぐに国内外の連戦が始まり、自分がリーダーのジロ・デ・イタリア(シクロクロス)を走る予定。UCIワールドカップも控えているので、この調子でシーズンを走り続けたい」と意気込んだ。

「昨年の野辺山は体調不良で結果を残せなかったので、ここに戻ってきて自分の走りが出来て嬉しい。素晴らしいレースで、野辺山の雰囲気を楽しめた」と語るのは2位のマクドナルド。そして3位には2日連続で山本が入った。

「前半はトップの2人に追いつきたくてペースを上げ、後半は(竹之内)悠が張り合ってきたので緊迫したレースになりました。悠は泥区間のテクニックが素晴らしいので、距離を広げてもすぐに詰められる。何度もアタックしましたが決まらず、最終周回の舗装路でようやく距離が開いた」と山本。

2週間後の全日本選手権に向けて日本勢に明暗が分かれる結果に。なお、スタートした80名のうちトップと同一周回でフィニッシュしたのは13名だった。

観客とハイタッチ後、片手を挙げてフィニッシュするジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ)観客とハイタッチ後、片手を挙げてフィニッシュするジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc
エリート男子表彰式エリート男子表彰式 photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc弱虫ペダル作者の渡辺航さんとジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ)弱虫ペダル作者の渡辺航さんとジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc

エリート女子スタート 宮内佐季子(Team CHAINRING)が先行するエリート女子スタート 宮内佐季子(Team CHAINRING)が先行する photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc今井美穂(CycleClub.jp)のホールショットで始まったエリート女子レースは、1周目にかけて宮内佐季子(Team CHAINRING)と豊岡英子(パナソニックレディース)がリードする展開に。しかし前日の覇者アリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ)の力は圧倒的だった。

豊岡を引き離すアリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ)豊岡を引き離すアリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc「昨日よりも粘性が高い泥だけど走り方は変わらない。落ち着いてスタートして、トラブルなく走ることを心がけた」と微笑むアルツッフィが2分24秒のリードで5周回のレースを終えた。ベルトリーニと同じく日本で3連勝を飾ったアルツッフィはイタリアのアスタナ・ビーピンクでロードレースを走る20歳。7月のジロ・ドンナではアシストとして走りながら総合39位に入っている。

宮内と豊岡の間で繰り広げられた2位争い、つまり日本人最高位をかけた闘い。前日は豊岡に軍配が上がったが、この日は宮内が徐々にリードを広げた。

豊岡を18秒振り切って2位でフィニッシュした宮内は「泥の走り方をチームメイトの武田和佳選手に教わり、荻島美香さんからレースの組み立て方を教わり、隣のテントだった三船さんからいろいろ教わりました。一朝一夕にはいきませんが、走り方を改善出来たと思います」と満足を感じさせるコメントを残す。また、4位には20歳の相野田静香(club GROW)が入った。

一般レースの模様は後ほどお伝えします。

舗装路の登りをこなす宮内佐季子(Team CHAINRING)と豊岡英子(パナソニックレディース)舗装路の登りをこなす宮内佐季子(Team CHAINRING)と豊岡英子(パナソニックレディース) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc今井美穂(CycleClub.jp)を抜いて4位に上がる相野田静香(club GROW)今井美穂(CycleClub.jp)を抜いて4位に上がる相野田静香(club GROW) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc
バギーコースのコーナーを攻めるアリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ)バギーコースのコーナーを攻めるアリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc
エリート男子
1位 ジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ)    59'21"
2位 ザック・マクドナルド(アメリカ、Cyclocross Project 2015)          +48"
3位 山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)                  +1'06"
4位 竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)                  +1'21"
5位 横山航太(シマノレーシング)                        +1'42"
6位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)                  +2'12"
7位 丸山厚(BOMA RACING)                          +2'56"
8位 小橋勇利 (JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)             +4'06"
9位 沢田時(ブリヂストンアンカー)                       +4'20"
10位 ブレナン・ウォットリ(アメリカ、SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)

エリート女子
1位 アリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) 44'57"
2位 宮内佐季子(Team CHAINRING)                      +2'24"
3位 豊岡英子(パナソニックレディース)                     +2'42"
4位 相野田静香(club GROW)                         +4'17"
5位 今井美穂(CycleClub.jp)                          +5'44"

text&photo:Kei Tsuji
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