10月22日に発表された2015年ツール・ド・フランスのコース概要。山がちでタイムトライアルの比率が低いとされるコースをチェックした有力選手たちのコメントをお伝えします。



アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)

アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Unipublic序盤ステージのレイアウトはここ数年と異なる。初日からコンディションの良い状態で挑まないといけない。タイムトライアルの距離は短いけど確実にタイム差はつくだろう。2つのミュール(第3ステージと第8ステージ)は危険な存在。登坂距離は短いけど、長い登りよりもタイム差が生まれることも考えられる。第4ステージの石畳も同様で、入念な試走が必要だ。
 
1週目の最後にチームTTが設定されているので、序盤ステージでの落車や病気で選手を失うことは出来ない。フルメンバーを揃えたチームと2名を失っているチームの間には大きな差が生まれる。とにかく前半ステージでは余計なタイムを失わないことが重要。山岳の比率が高くて難易度の高いツールの中で大きなタイム差がつくのは後半の山岳ステージ。ピレネーステージはどれも重要な役割を担う。

2015年のツールは3週目にアルプスステージが連続するので、回復力が鍵を握る。アルプスでは戦略的に逆転のチャンスが散りばめられているので、リードを守る立場のチームは手を焼くと思う。とにかくコンディション良く開幕を迎えて、フレッシュさを保ちながら、最後までしっかりリカバリーすることが大切だ。近年の中では難易度の高いレイアウトで、ジロ・デ・イタリア後は回復に努めるよ。万全の状態でレースに臨みたい。



ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)

神妙な面持ちでコースを見つめるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)神妙な面持ちでコースを見つめるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waeleまだプランを立てるには早すぎる。これからじっくりコースを研究しないといけない。1週目から決して油断出来ないレイアウトで、風がレースに影響を及ぼすステージもあるだろう。最終週は山頂フィニッシュが連続する極めて厳しいものだ。タイムトライアルの距離が短いことはフランス人選手たちに味方すると思う。バルデやバーギル、ピノといった選手はこのコースを好むはず。

石畳のステージは好きなんだ。来年の第4ステージは今年よりも難易度が低いけど決して油断出来ない。時間をかけて試走したい。でもとにかく石畳ステージが設定されたことは大歓迎だ。近代ロードレースにおいて荒れたコースは欠かせない存在になっている。ジロ・デ・イタリアにはストラーデビアンケがある。ツールには石畳があるべきだ。

3つのグランツール出場は非現実だとしても、2つのグランツール出場は有り得る。2008年はジロとツールを走ったけど、終盤エネルギー切れを経験した。2008年と比べるとフィジカルのレベルが全く違うし、大きく成長した。



クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waeleバランスの取れたオールラウンダーと自負しているので、距離の長い(60km)個人TTと難易度の高い山頂フィニッシュが設定されたジロが自分向きかもしれない。来年のツールは山岳の比率が高く、タイムトライアルの比率は低い。つまり勝負が決まるのは山岳だ。6つの山頂フィニッシュが設定されているので、アグレッシブで厳しい闘いが繰り広げられるだろう。石畳のチャレンジは楽しみだ。もちろん難しくてストレスフルだけど、それもツールの一部であり、ライバルたちより悪い走りは出来ない。それに今年のリタイアの原因は石畳じゃないよ。

これまで1シーズン1グランツールに絞って狙ってきたけど、来年は2つのグランツールを真剣に狙うチャンスかもしれない。チームと一緒に慎重にコースを研究してからどのグランツールに出場するかを決めたい。

アルベルト・コンタドールが倒すべき相手になるだろう。ナイロ・キンタナやヴィンチェンツォ・ニーバリ、ホアキン・ロドリゲス、アレハンドロ・バルベルデも警戒すべき相手だ。その中でもやっぱりアルベルトの存在が抜きん出ている。



ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)

ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr) photo:Makoto Ayano15kmに満たないタイムトライアルが1つだけという山がちなコースレイアウトだ。クライマーにとって歓迎すべきレイアウト。ピレネーの第10ステージと第12ステージ、そしてラルプ・デュエズにフィニッシュする第20ステージでタイム差がつくだろう。

1週目は密度が濃い。石畳のステージなど、毎日集中力を絶やすことが出来ない。チームタイムトライアルまで戦力を落とさずに走ったチームがパリでの栄光を掴むだろう。今年の総合3位以上の成績を目指す。仕上がった状態でレースに挑むためには最低2ヶ月かかるので、現状のスケジュールでは2つのグランツール出場は現実的ではない。



ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)

タイムトライアルが短いことは残念だ。まさにピュアクライマー向きのコース。タイムトライアルでは大きなタイム差がつかないだろう。山岳ステージの重要度が強調されている。



ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

先ず最初に、2015年のツールは自分向きだと言える。タイムトライアルの距離が短く、山がちなコースレイアウトだ。今年同様に石畳のステージが唯一の懸念事項。石畳でツール総合優勝を決めることは出来ないけど、そこでツールを失う可能性はある。終盤のセクターは距離が長いのでしっかり研究しないと。

山頂フィニッシュが多いことは自分に味方している。でも勝つためには慎重に年間スケジュールを組む必要がある。世界ナンバーワンチームにサポートされて闘う。自信をもって平静さを保ちながら走りたい。



アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

ナイロにとっても自分にとっても好ましいツールだ。タイムトライアルの距離が短く、山岳ステージが多い。近年の中で最も厳しいツールだと言える。短いのはタイムトライアルの距離だけではなく、ステージの平均距離も短めだ。今年はナイロが落車リタイアしたけど、彼とは良いタッグを組んで走ることが出来る。チームにとって良いツールになると思う。11月中旬のチームミーティングでプログラムを決めたい。

コメントは各チーム公式サイトならびにレキップ紙より。

text:Kei Tsuji
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