TeamUKYOや湘南ベルマーレが使うTOKENのホイール。多彩なラインナップの中から、今回はなかなか目にする機会の少ないスーパーディープリムカーボンクリンチャーホイールセット「C590」をテストした。

C590 COMBO カーボンクリンチャーホイールセットC590 COMBO カーボンクリンチャーホイールセット photo:Makoto.Ayano


「背中を後押ししてくれるような推進力と、デイリーユースできる点も魅力」by So.Isobe

ここ数年のホイール、特にカーボンクリンチャーホイールの興盛ぶりには目を見張るものがある。カーボン成形技術のレベルアップに伴ってブレーキング時の発熱問題も解消し、今では大手を含む多くのホイールメーカーがカーボンクリンチャーをラインナップしている。バリエーションも豊富で、軽さを突き詰めたロープロファイルから90mm前後のスーパーディームリム、はたまたディスクブレーキ用ホイール、ディスクホイールなど、従来チューブラーホイールの寡占状態にあった領域へと続々新製品が登場している。

フロントのリムハイトは55mm。重量も軽く収まっているフロントのリムハイトは55mm。重量も軽く収まっている photo:Makoto.Ayanoリアホイールのリムハイトは90mmリアホイールのリムハイトは90mm photo:Makoto.Ayanoスポークはストレートプル。TOKEN自慢のティラミックベアリングを装備するスポークはストレートプル。TOKEN自慢のティラミックベアリングを装備する photo:Makoto.Ayano軽量パーツやセラミックベアリングでお馴染みのTOKENだが、その実ホイールのラインナップも豊富だ。カーボンホイールを中心として、軽量ホイールやディープ、ディスク、シクロクロス用などなど…。
今回インプレッションを行ったのは、フロント55mmハイト+リア90mmハイトという異なるリム高を持つホイールを組み合わせたカーボンクリンチャー「C590 COMBO」である。

ニップルは外出し式で、整備性にも優れているニップルは外出し式で、整備性にも優れている photo:Makoto.Ayanoいざ実物を目の前にしてみれば、やはり90mmというリムハイトを持つリアホイールの存在感は圧倒的だ。50mmハイトのホイールこそ見慣れているが、90mmまでくるともはや別物だ。さながらディスクホイールのようなルックスからは、いかにも速く走りそうな、いや、速く走らざるをえなさそうなオーラがビシバシ伝わってくる。

シマノやカンパニョーロ、マヴィックのようなホイール大手ブランドでは無いものの、細部のディティールやつくりにも不満は無い。カタログで見るとかなりハデなグラフィックだが、実物はあまり違和感無くバイクに馴染んでくれた。

マイバイクにC590をセットして、いつもと同じように走り出す。うん。重い。リアが重い。重たいリム外周をよいしょ、と転がす感じは、まさにディスクホイールのそれだ。でもトルクを掛けてスピードを上げていくと、その走り始めこそ重たかったリアホイールが2割増しくらいの感覚で車体をグングンと前に推し進めてくれる、初めてだとちょっと驚いてしまうような感覚がある。

重厚感溢れる走り心地だが、ダンシングの際のハンドリングはヒラヒラと小気味良い。これは55mmのフロントホイールの軽さのためで、例えばこれが前後90mmハイトだったなら重たさが全面に出てしまってかったるいはずだ。前55mm/後90mmという組み合わせはグッドコンビネーションである。

アウターギアにチェーンを掛け、ダンシングでスピードを乗せていっても押し出されるような加速感は薄れずに、メーターは軽々と40km/hを越えていく。スポークのテンションは高く、ホイールがよじれる感覚はほとんど無い。

そして何より、踏み込むたびにリム内部に反響するディープリム特有のサウンドが素晴しい。「ゴォン、ゴォン、ゴォン」と重厚感ある響きはタイヤこじらせるほどに強くなり、それを堪能したいがために必要以上にバイクを振りたくなってしまう。グイグイ進む感覚と官能的なサウンド。まるで自分がトップスプリンターになったかのような高揚感こそ、このC590の醍醐味だ。

大パワー(当社比)で加速した脚に限界が来て、ギアを落とす。これも高いリムハイトが影響していることだが、巡航性能にも非常に長けている。TOKENご自慢のティラミックベアリングを使ったハブの回りも軽く、ひとたびスピードを乗せてしまえば軽く力を掛けるだけでいつもより確実に早いスピードを維持できた。自重もあるため、踏まなければ加速しない僅かな下り勾配がC590の最も得意とする場面だろう。フロントが55mmなので過敏に横風に注意を払う必要も無く、平坦路でのTTやタイムトライアルでは強力な武器となってくれるはずだ。

押し出されるような加速感が素晴しい押し出されるような加速感が素晴しい photo:Makoto.Ayano
しかし自己陶酔に陥れるような長所もあれば、その実短所もある。それは登りに入った途端に現れる重たさだ。走り始めにも感じたことだが、やはりリアホイール外周部の重さは隠しきれず、5〜6%の上り勾配では脚が売り切れた瞬間にペースが止まってしまう。ハイパワーで踏み抜けるような短い坂なら全く問題ないが、長いヒルクライムは結構ツラい。

高速のダンシングでは現れなかったことだが、低速で車体を振ると前後の重量差が影響するのかフロントに対してリアの反応が遅れ、ロスが生まれているようにも感じた。もともと山岳コースにC590を持ち出そうという人も稀だろうが、私は遠慮しておきたい。もっともそんな時のために28mmハイトの「C28」や前後55mmハイトの「C55」がラインナップされているのだが。

しかしそれでも尚、楽しさ溢れる平坦路での高性能ぶりはひどく魅力的だ。クリンチャーだけに扱いやすいし、パワー系ライダーや、TTを好む方のレース/練習兼用ホイールとしても申し分が無い。イベントに行ってもあまり見かけないホイールだし、なにより所有欲をすこぶる高めてくれるアイテムとして間違いが無いチョイスだと思う。

「高速時は明らかに楽。サイクリングレベルなら登坂も問題無い」by Kenji.Degawa

このホイールセットが何を狙って投入されたかは見れば判る。ここでは、専門的な見地よりも、ぐっと日常的な目線で見て行こう。つまり普段使いに耐えるか否かが焦点だ。

まずC590をバイクに装着して感じることは、その迫力のルックスだ。イカツく、そしてカッコイイ!所有欲をくすぐられずにはいられない。その一方で扱いづらそうと想像してしまうのがリムハイトの高いホイールでは常識だが意外と乗りやすい。フロントが55mmハイトだからだろう。リア90mmを意識する必要はないと言ってもイイだろう。

「高速時は明らかに楽。サイクリングレベルなら登坂も問題無い」「高速時は明らかに楽。サイクリングレベルなら登坂も問題無い」
思いのほか、横風の影響も小さい。勿論、ロープロファイルのアルミリムなどに比すると横風の影響は無視できないが、一般的な50mmハイトホイールと全く同等と思ってもらって間違いない。多少の癖には慣れが必要では有るが、スーパーディープを意識する事は無く簡単に慣れる範囲だ。ハンドリングも至って普通の前後50mmディープと等しい。すんなりとバンクもしてくれる。ただ、ダンシングは苦手な印象。乗り心地に関しては、リアからの突き上げを感じる事は否めず、固いなというのが正直な感想だ。

漕ぎだしこそ軽快とはいかないが、やはり巡航性能に関しては言わずもがな。私の様な一般的なホビーレーサーでも十分に体感できる。特に時速30kmを超える速度域では、普段と同じ巡航をするにあたり、30Wほど低い出力で同等の巡航速度を保持できている感覚だった。

登坂に関してはサイクリングレベルなら問題なし。さすがにヒルクライム用の超軽量ホイールの様には行かないが、巡航なら全く不満を覚えない。そもそも重量自体がそこまで重くない。

レースレンジを考えずに、週末にサイクリングを楽しむレベルでネガティブな要素はほとんど見当たらない。ずばり、ホビーライダーのデイリーユースにもこのホイールはアリだ。クリンチャー構造による扱いやすさも大きな味方になる。性能を生かせるか否かは二の次で、ビジュアル重視というサイクリストにはもちろん持って来い。但し、その日のコースが険しい山岳ライドであったり、天気予報の風予想が5m/sを超えるような日は、使用を我慢したほうがいいだろう。

C590 COMBO カーボンクリンチャーホイールセットC590 COMBO カーボンクリンチャーホイールセット photo:Makoto.Ayano


C590 COMBO カーボンクリンチャーホイールセット
サイズ:700C
リム:F55mm/R90mm エアロプロファイル カーボンクリンチャー
ハブ:TK198TBT Arsenal Hub,20/24H,ティラミックベアリング
対応スプロケット:シマノ11S/スラム
スポーク:サピム CX-RAY エアロブラック
ニップル:アルミブラック
実測重量:1,710g(前後セット、リムテープ含む)
価格:195,000円(税抜)

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