ただでさえリズムが取りにくい休息日明けのステージが、総合争いを占う上で重要な意味合いをもつ個人タイムトライアル。優勝したトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)を始め、この日の主役たちのコメントをお届けします。



トップタイムで優勝したトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)

シャンパンを開けるアルカンシェルのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)シャンパンを開けるアルカンシェルのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waeleタイムトライアルでの勝利はどれも特別だ。特に今日はコースがハードで、後半は暑さにやられた。今シーズン最もハードなタイムトライアルだった。アップダウンがあって、コーナーが多くてテクニカルで、路面もバンピーで、集中力を切らすことが出来なかった。100%の走りとは言えず、ステージ優勝を確信出来なかった。世界選手権に向けて調子が上向きだと確認出来て良かったよ。ウランが総合順位を上げたので、個人としてもチームとしても良い一日になった。

前半の登りでオーバーペースまで追い込まず、後半にパワーを残したことが勝利の秘訣。TTスペシャリスト向きともクライマー向きとも言えないコースで、プロフィールには現れない向かい風もあった。カンチェラーラとのタイム差は下りでついたと思う。最終的に彼とのタイム差は僅かだった。

これからまだ調子を上げることが出来ると思う。とにかく今日は良いテストになった。チームはこのブエルタで未勝利だったので今日は勝ちたかった。ここまで満足のいくシーズンを送っている。その締めくくりとして世界選手権4連覇を目指したい。また勝てるという自信がある。

ステージ2位に入ったリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)

マルティンと15秒差のステージ2位に入ったリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)マルティンと15秒差のステージ2位に入ったリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waeleこのタイムトライアルに向けて周到に準備してきた。スタッフと細部にわたるまで解析して、良い走りに結びつけたんだ。世界選手権3連覇のチームメイトの後ろでフィニッシュし、チームとしてワンツーを飾ることが出来て光栄だ。スタート後すぐに調子の良さを感じたけど、第2計測地点でトニと同タイムだと聞いた時は驚いたよ。そこからは全開で踏み続けた。

ラスト10kmはトニのようなビッグエンジンの持ち主向きで、そこでタイムを失ってしまったものの、自分の走りには大変満足している。総合表彰台圏内に戻ることが出来て嬉しい。まだブエルタは先が長く、総合争いはオープンな状態だ。明日の山頂フィニッシュでは再び総合が動くだろう。

総合首位に立ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)

マイヨロホを獲得したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)のポーズが炸裂マイヨロホを獲得したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)のポーズが炸裂 photo:Tim de Waeleタイムトライアル前の総合順位にも、タイムトライアル後の総合上位にも大変満足している。数週間前に「マイヨロホを狙う」なんて言っても笑い飛ばされていたと思う。最初の1週間で自信をつけてこのタイムトライアルに挑んだ。持てる力を最大限使ったと言い切れる。フルームと同じぐらいのタイムを予想していたので、結果は予想を遥かに上回っていた。

スタートから調子は良かったけど、同時に走っているライバルたちの調子を把握するなんて不可能だ。今日は均一なペースで走ることを心がけた。後半の平坦区間はTTスペシャリスト向きなので、前半の登りでアドバンテージを稼ごうと思ったよ。ダウンヒルは運の問題ではなく、どれだけ集中力を切らさずに走ることが出来るかの問題だった。昨日の夕方と今日の朝に試走してしっかりと登りと下りをチェックした。

キンタナは総合優勝候補の一角だった。彼の素質は素晴らしく、キャリアの中で何度もブエルタを走ることになるだろう。でもまだ決して侮れない存在だ。これからも山岳ステージでの彼の動きには警戒するよ。

これからは全員にマークされる。仮にブエルタで総合優勝するなんてことがあれば、ツールで落車リタイアしたことを考えると、信じられないような偉業になる。とは言ってもプレッシャーを感じることなく毎日を闘いたい。絶好調ながら勝てなかったドーフィネのような事例もある。理想を言えば、一度このマイヨロホを明け渡して最終日のサンティアゴで取り返したいけど、それはあまりにも複雑だ。とにかくサンティアゴでマイヨロホを受け取ることが最大の目標。追うより追われる立場のほうが良い。

総合2位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

アルベルト(コンタドール)と僅差の走りが出来たことには満足しているけど、ナイロの落車で後味の悪いものになってしまった。走っている最中は何も知らされていなかった。フィニッシュしてから彼が落車したことを聞かされたんだ。落車で総合首位を明け渡すなんて悔しい。でも重要なのは彼がまだレースに残っているということ。派手な落車だったけど、彼はリカバリーして闘いに戻ってくると思う。

マイヨロホを着て落車したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

落車したマイヨロホのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は4分07秒遅れた落車したマイヨロホのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は4分07秒遅れた photo:Tim de Waele登りの感触は良かった。でも下りでブレーキがうまく効かずに落車してしまったんだ。もっと酷いダメージを負う可能性だってあった。タイムを失ってしまったので、これからはアレハンドロ(バルベルデ)をサポートし、彼の総合表彰台を狙うよ。

落車はロードレースに付き物であり、乗り越えないといけない。今はリカバリーしてこの先のステージを見据え、自分も総合表彰台を狙いたい。怪我の容態は明日の朝になってみたいと分からないよ。

タイムを伸ばせなかったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

本来の力を発揮出来ずステージ10位に沈んだクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)本来の力を発揮出来ずステージ10位に沈んだクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Unipublic正直に打ち明けると、スタートから登りの麓まで、我を忘れて飛ばしすぎてしまった。3級山岳でそのツケを払うことになり、そこからフィニッシュまでレッドゾーンのままだった。大きなタイムを失ってしまったけど、まだ1分差の総合5位。毎日闘いを続け、全力を尽くし、最後まで追い込むという開幕前からの目標に立ち返ろうと思う。

ブエルタで総合優勝することは現状かなり難しい。でも大会1週目でレースリズムを取り戻し、調子が上向きであることを感じたので、これからも闘い続ける。おそらく最終週には仕上がっているだろう。繰り返すけど、最後まで闘い抜くよ。まだタオルを投げ込む(降参する)には早すぎる。タイム差はたったの1分だ。

総合4位を守ったビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・メリダ)

今日の走りには大満足だ。想像よりもずっと高いパフォーマンスを見せることが出来た。過去最高のタイムトライアルだったと思う。その結果、総合4位という好位置をキープ。当初の目標である総合トップ10が現実的になってきた。

text:Kei Tsuji
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