山頂ゴールが設定され、総合を争うライダーたちがしのぎを削りあったツール・ド・フランス第8ステージ。独走勝利を遂げたブレル・カドリ(フランス、AG2Rラモンディアール)をはじめとした有力選手たちのコメントを紹介しよう。


逃げ切り優勝を飾り、山岳賞ジャージを手に入れたブレル・カドリ(フランス、AG2Rラモンディアール)

シャヴァネルとテルプストラを警戒していた。彼らがアタックしてくるのは織り込み済みだった。だからシャヴァネルがアタックしたとき、すぐに彼の後ろにつけたんだ。準備は整っていたよ。

すぐにシャヴァネルがそこまで調子がよくないことに気付いた。だから独走に持ち込むことに決めたんだ。後ろに戻っても僕よりも優れたクライマーであるサイモン・イェーツがいたからね。もし、シャヴァネルと走っていたら、下りで置いていかれるだろうことも分かっていた。

登りゴールに向けて独走を続けるブレル・カドリ(フランス、AG2Rラモンディアール)登りゴールに向けて独走を続けるブレル・カドリ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:Makoto.AYANO
ステージ優勝、山岳賞に加え敢闘賞を獲得したブレル・カドリ(フランス、AG2Rラモンディアール)ステージ優勝、山岳賞に加え敢闘賞を獲得したブレル・カドリ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:A.S.O.ツールのステージで優勝するなんて、クレイジーだよ。去年のラルプ・デュエズで勝ったクリストフ・リブロンのように走れると確信していた。僕はこの勝利の日を長い間心待ちにしてきて、このために戦い続けてきた。

今日は僕の日だったんだ。チームとしての目標はステージ優勝だ。山岳賞ジャージはおまけみたいなもの。本当に幸せだよ。この勝利をチームにもたらせたことに非常に満足している。

いつも僕らを支えてくれるスタッフや家族達にこの勝利を捧げるよ。TVの前の皆にも喜びを分かち合えていると願っているよ!

コンタドールから3秒遅れたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)

アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)をマークするヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)をマークするヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ) photo:Makoto.AYANO今日のレースはコンタドールの手中にあった。特に最後はキツい登りだったが、ティンコフ・サクソのペースアップで集団が破壊された。動きの意図はすぐに理解できたから、コンタドールのアタックには反応できたんだ。調子は良くて、ペースアップにはついていけたけどギアのチョイスを誤ってしまったんだ。これが彼に遅れをとった原因かな。

マイヨジョーヌを堅守するヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)マイヨジョーヌを堅守するヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:A.S.O.僕たちは常に2人が総合上位にいるように最大限の努力を払ってきている。例えば、総合上位に位置するフグルサングが落車で遅れてもカンゲルトが集団に連れ戻してくれるし、僕にはスカルポーニがついている。さらにコンタドールがどこでアタックしてくるかを予想し、その対処法を万全に打合せているんだ。

僕はできる限りレースをコントロールしようとして、アタックには反応していたけど、今日の彼は強かったんだ。レースは1対1の決闘ではなく、それ以上の何かを感じるよ。リッチー・ポートが上位に来ていることに関しては、不思議じゃない。元々、彼はフルームのアシストとしてツールに臨んでるからね。

バルベルデに関しては、彼が最後で遅れたことも力を抜いて走っていると僕は思っている。今日は雨にもかかわらずレースに動きがあったから気分はいいね。これからも状況に対して常に冷静に対処していきたい。

ニーバリとのタイム差を縮小したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)

ゴールまで500m、付かず離れず走るアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)とヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)ゴールまで500m、付かず離れず走るアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)とヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ) photo:Makoto.AYANOツール初の本格的な山岳ステージで、僕らのチームが強さを示すことができた。チームは優れた仕事をしてくれたし、何よりも重要なのはチャレンジしようとしたこと。調子は良いけど、ライバルたちとの差は小さい。ニーバリを引き離せるとは思っていなかったよ。短い登りだったけれど、この結果に満足している。

ニーバリがどれぐらいの調子なのかを確認したかった。ラスト50mで引き離せたときは驚いたよ。ステージ優勝が出来ると100%確信していたわけではなかったから、ずっとニーバリの様子をうかがっていた。フィニッシュ地点のスクリーンを見たときに、少しでもタイム差を取り戻そうとチャレンジしたんだ。

ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)とのタイム差を縮めることに成功したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)とのタイム差を縮めることに成功したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waeleチームは並はずれた仕事をしてくれたし、脚の調子も良かった。僕らは毎日すこしでもタイム差を取り戻していかないといけない。ニーバリは手ごわいからね。今日の結果が総合勢の強弱を証明したことにはならないと思う。僕は差を取り返すと同時にライバルの脚を試そうとした。ニーバリはグランツールの勝ち方を熟知しているし、彼の長所を生かすことが得意な選手だ。2分30秒の差は大きいよ。

次の重要な2ステージのために、大切なのは回復すること、体調を崩さないこと。月曜はかなりハードな山岳コースで、ステージ全体を通して高い難易度となるだろう。もし僕の調子が良くて、状況が許せばニーバリから何秒か奪い取ることにトライしてみるよ。

ステージ4位に入ったリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)

コンタドールとニーバリを僅差で追うリッチー・ポルト(チームスカイ)コンタドールとニーバリを僅差で追うリッチー・ポルト(チームスカイ) photo:Makoto.AYANO今日のステージには満足している。コースとしては、短く、急な登りで僕には合っていなかったけど。良いポジションで登ることができた。今日のような登りが得意な選手たちに、少し遅れをとったけど、長い登りになれば僕ももっと良く登れるだろう。

ティンコフ・サクソは僕らのいつものやり方で攻撃してきた。彼らにとっては良い結果となったステージだね。アスタナにとっては少し厳しかっただろう。彼らはほとんど1週間マイヨジョーヌを守ってきた。明日と明後日のステージに期待するよ。

ステージ5位に入ったティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)

自分自身のパフォーマンスは確認できた。すごく美しい地域なのに、霧に包まれていたのは非常に残念だったよ。雨だったけれど、素晴らしい戦いができたと思いたい。僕にとって、今回のツールはニーバリとコンタドールの戦いであるのは明らかだ。今日は彼らの戦いを遠くから見ることになった。少し遅れてしまったからね。もしかしたら、僕に合った山岳ステージではチャンスがあるかもしれない。でも、総合争いでは2人には僕はかなわないだろうね。

最初に逃げを決めたニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)

ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)やアドリアン・プティ(フランス、コフィディス)ら5名の強力な逃げ集団ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)やアドリアン・プティ(フランス、コフィディス)ら5名の強力な逃げ集団 photo:Tim de Waeleまるで平坦ステージのようにスタートから速い展開だったよ。チームの作戦では最後の山までに誰かが逃げに乗ることになっていて、僕が逃げるとは決まっていなかったんだ。速いペースでは誰が逃げられるかはわからないからね。結果として僕が乗った。それがレースだよ。

僕とシャヴァネルが一緒に先頭に出た時は、彼がオメガファーマ・クイックステップにいた頃のTTTを思い出したよ。僕らは何回も全力でペダルを踏み込んだ。後ろから2、3人が追ってきていると聞いたので彼らを待ったけど、うまく協調がてきなかったんだ。だから、プロトンに対して10分しか先行できなかった。協調できていればもう少し時間を稼げたと思うよ。

それでも、全然OKさ。山に差し掛かったと同時にシャヴァネルとカドリの戦いが始まった。僕はそれについていこうとしたけど無理だった。それからも、できる限り逃げ続けるために全力を尽くしたよ。シャバネルには最後の山岳で追いついて、彼にアタックを仕掛けようと思ったんだ。でも、コンタドールやニーバリの集団に吸収され、僕のレースは終わった。今日はベストを尽くしたよ。

選手コメントはレース公式サイトならびに各チーム公式サイトより。

text:Naoki.Yasuoka Gakuto.Fujiwara