1級山岳が10個設定された厳しい山岳コースで行なわれたツール・ド・ポローニュ第6ステージは、27名の大きな逃げグループ内でのスプリント勝負で競り勝ったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)が2勝目。ステージ2位のアレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ)が総合首位を守った。

レース序盤から抜け出したタディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)ら9名レース序盤から抜け出したタディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)ら9名 photo:www.tourdepologne.plクロシェンコからサコパネまでの162kmで行なわれた第6ステージは、今大会最難関の山岳ステージ。後半はアップダウンが絶えない山岳周回コースが設定されており、標高1100mクラスの1級山岳が断続的に10回登場する。実質的に総合優勝者を決める大一番だ。

レースは序盤からタディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)やダヴィド・ロースリ(スイス、ランプレ)、ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームコロンビア・HTC)を含む9名の逃げグループが形成された。

ランプレがコントロールするメイン集団ランプレがコントロールするメイン集団 photo:www.tourdepologne.plしかし総合5位・10秒遅れのマレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポルスカBGZ)がこの逃げグループに入っていたため、メイン集団はスピードを完全に落とすことなく追走。ランプレの集団コントロールによって、逃げグループとのタイム差は2分30秒以内に抑え込まれた。ルトキェビッチは積極的に山岳ポイントを狙い、この日だけで92ポイント獲得して一躍山岳賞トップに。

やがて逃げとのタイム差が1分10秒まで縮小すると、ゴールまで42kmを残してメイン集団から21名の巨大なカウンターアタックグループが飛び出した。

逃げグループ内でのスプリント勝負で競り勝ったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)逃げグループ内でのスプリント勝負で競り勝ったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC) photo:Cor Vosこの追走グループには、総合首位のバッランを始め、総合トップ10の選手の内9名がジョイン。この追走グループは、先頭を逃げ続けていた9名を吸収すると、メイン集団とのタイム差を広げながらゴールへ。総合ジャンプアップを狙うルトキェビッチがアタックを繰り返したが、決まらないまま19名でゴールに達した。

最後は19名によるスプリント勝負が繰り広げられ、スピードのあるボアッソンがリーダージャージのバッランを下して勝利。

チームメイトとステージ2勝目を喜ぶエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)チームメイトとステージ2勝目を喜ぶエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC) photo:Cor Vosステージ2位のバッランはボーナスタイムを加算し、総合首位の座を守った。本来スプリント力のあるフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)は、チームリーダーのバッラン援護に力を使ったためステージ5位に。ランプレは3名(バッラン、ガヴァッツィ、ロースリ)を総合トップ10に送り込む大活躍。チーム総合成績でトップに立った。

第4ステージに続く今大会2勝目をマークしたボアッソンは、チーム公式サイトの中で「ミハエル(・アルバジーニ)が序盤の逃げに乗っていたことで、有利にレースを運べた。追走グループに入った時も、彼の存在のおかげで楽に走れたんだ」とコメント。レース後はチームメイトたちと抱き合って喜んだ。

ステージ2位のアレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ)がリーダージャージを死守ステージ2位のアレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ)がリーダージャージを死守 photo:Cor Vos「今日の山岳は比較的距離が長くて一定勾配が続く自分好みの上りだったから、ゴールまで力を貯めることが出来た。今日のゴールは少し上り気味で自分向き。バッランにスプリントで先行させて、後から一気に追い抜いた」。

ボアッソンはボーナスタイムを獲得し、バッランから11秒遅れの総合3位に浮上。「明日バッランから総合首位の座を奪うのは難しいと思うけど、チャンスがあればもちろん狙っていく。今晩、監督とじっくり話してみるよ」と語っている。

また、調子の上がらないイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)は、21名の追走グループに入ったものの終盤に遅れてしまい、3分37秒遅れの27位でレースを終えた。同タイムでゴールしたマルツィオ・ブルセギン(イタリア、ランプレ)は、来年ケースデパーニュに移籍することが決まっている。

ツール・ド・ポローニュは翌第7ステージで幕が降ろされる。最後はポーランド第3の都市クラクフ市内の平坦な4km周回コースを3周。残り1kmは幅の広い直線路で、迫力の大集団スプリントが繰り広げられるだろう。

ツール・ド・ポローニュ2009第6ステージ結果
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)4h03'40"
2位 アレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ)
3位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)
4位 フランチェスコ・レーダ(イタリア、クイックステップ)
5位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)
6位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポルスカBGZ)
7位 ダニエル・モレーノ(スペイン、ケースデパーニュ)
8位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ)
9位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
10位 オリバー・ザウグ(スイス、リクイガス)

個人総合成績
1位 アレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ)25h50'34"
2位 ダニエル・モレーノ(スペイン、ケースデパーニュ)+10"
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)+11"
4位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)+12"
5位 フランチェスコ・レーダ(イタリア、クイックステップ)+16"
6位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポルスカBGZ)
7位 シルヴェスタ・シュミット(ポーランド、リクイガス)
8位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)+26"
9位 ダヴィド・ロースリ(スイス、ランプレ)
10位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)+27"

ポイント賞
ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)

スプリント賞
ダヴィド・ロースリ(スイス、ランプレ)

山岳賞
マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポルスカBGZ)

チーム総合成績
ランプレ