イタリアの人気ブランド"ピナレロ"の2010年モデルの目玉が、この"ドグマ60.1"だ。マグネシウムフレーム採用の名車"ドグマ"の名を受け継ぎ、最新のカーボン素材と技術によって誕生した革新的なモデルとなっている。なおマグネシウムフレームの"ドグマ"も継続リリースされる。

ピナレロ ドグマ60.1ピナレロ ドグマ60.1 photo:ピナレロジャパン

軽量化と高剛性化を生み出す非対称フレーム&フォーク

ピナレロ DOGMA60.1の最大の特徴は、何と言っても世界初となる左右非対称フレームだ。チェーンやディレーラーなどの駆動系はバイクの右側に集中しているため、ライダーがどんなに均一のペダリングをしても、バイクに掛かる加重は不均等になってしまう。そこでピナレロでは、CAD(コンピューター支援設計)やFEM(有限要素法による構造解析技術)により、加重が均等に掛かる形状=左右非対称フレームを実現した。

非対称形状が採用されているのは、フォーク~トップチューブ~シートステイ~チェーンステイ部分。つまりフレームのほぼ全体に渡ってだ。
さらにフォークとシートステイには、ピナレロの代名詞とも言うべきONDA FPX1を搭載。フレームの右側は剛性を高め、左側は剛性を減らすことで軽量化を追求し、絶妙なバランスで最上の乗り味を生み出している。

ONDA FPX1シートステイは、詳細に見てみるとフレームの右側にボリュームを持たせて剛性を高め、左側はシャープなシルエットで軽量化を実現していることがわかるONDA FPX1シートステイは、詳細に見てみるとフレームの右側にボリュームを持たせて剛性を高め、左側はシャープなシルエットで軽量化を実現していることがわかる photo:Tomohiro.HoshinoONDA FPX1フォークでさえ右側ブレードにボリュームを持たせて剛性を高め、左側はシャープになっている左右非対称形状だONDA FPX1フォークでさえ右側ブレードにボリュームを持たせて剛性を高め、左側はシャープになっている左右非対称形状だ photo:Tomohiro.Hoshino


左右非対称形状のアシンメトリックBBシステムを搭載。ドグマのアイデンティティを感じさせるウェーブ形状が美しい左右非対称形状のアシンメトリックBBシステムを搭載。ドグマのアイデンティティを感じさせるウェーブ形状が美しい photo:Tomohiro.Hoshino

日本の「東レ」から供給される最高の素材と最新の技術を採用

"ドグマ60.1"の特筆すべき点は、フレーム形状だけではない。フレーム素材には、世界最高水準の技術力を誇る日本の「東レ」とのコラボレーションで誕生した"TORAYCA カーボン60HM"を採用。これは、現在バイク製造においてピナレロだけが独占的に使用できる、市場で最高の高張力率を誇るカーボン素材だ。

高剛性と軽量性を実現する"TORAYCA カーボン60HM"素材を使用し、950g(54cmフレーム)を実現している高剛性と軽量性を実現する"TORAYCA カーボン60HM"素材を使用し、950g(54cmフレーム)を実現している photo:Tomohiro.Hoshino

また、EPSシステム テクノロジーと呼ばれる、フレーム内側の成型しわをなくし、平坦で応力を均一に伝えることのできる技術を使用。さらに、ナノスケールサイズでアロイ化を行うNanoAlloyテクノロジーを採用。

従来のカーボン素材の場合は急激な衝撃力に対して破断(竹が割れたときのような折れ方)してしまうところを、DOGMA60.1では可塑性変形(金属性素材のように曲がるような折れ方)して、落車時などにフレームが破壊するリスクが軽減されている。

フレームサイズはじつに11サイズ展開で、スタンダードカラーとして12色が用意されている(プラス54,000円でMYWAYカラーオーダーも可能)。

シリアスレーサーはもちろん、グランフォンドのような山岳ロングライドを楽しみたい人にも最適な2010年の最上モデルの一台であることは間違いない。

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