Jサイクルツアー第7戦となる全日本実業団サイクルロードレースin小川が、7月26日に長野県小川村で開催され、TEAM NIPPO-COLNAGOの佐野淳哉が優勝し、本大会2連覇を達成した。

パレード走行終了直後にプロトンを飛び出した阿部(シマノ)、ロジャース(EsperanceStage)、村出(ニッポ)パレード走行終了直後にプロトンを飛び出した阿部(シマノ)、ロジャース(EsperanceStage)、村出(ニッポ) photo:Haruo Fukushimaこの大会の舞台は小川村内の一般公道に設けられた16.3kmの周回コース。スタート地点からフィニッシュ地点までの標高差500mを一気に駆上がり、タイトなコーナーをクリアしながら一気に下る難コースである。TRクラスはレース全長76.7kmで5回の登坂を繰返し、その総標高差は2,500mにも及ぶ。

レースは小川村集落内のパレード走行終了と同時に、阿部嵩之(シマノレーシング)、村出真一郎(TEAM NIPPO-COLNAGO)、ロジャース リー (EsperanceStage/WAVE ONE)が、プロトンからの抜け出しに成功する。しかし程なくして村出が遅れ始め、阿部とロジャースの2名が先頭で最初のフィニッシュ地点を通過する。

単独でレースをリードする阿部嵩之(シマノレーシング)単独でレースをリードする阿部嵩之(シマノレーシング) photo:Haruo Fukushimaそしてここから始まるダウンヒルで阿部が加速、ロジャースとの差を広げて、単独でレースをリードする。阿部のリードは2周目でおよそ2分、3周目の上りはややペースダウンしたが、下りで再びリードを広げた。テクニカルな小川のダウンヒルだが阿部は直線は90km/h、コーナーではコース幅を最大限に使ったライン取りで、滑らかに下っていく。

しかし後続集団もいつまでも阿部の逃げを許してはくれない。10名弱にまで絞り込まれていたメイン集団が追上げ、阿部は4回目の登坂で吸収される。

4回目の登坂を終えて、先頭グループに残ったのは佐野(ニッポ)、武末(オッティモ・ホル元)狩野と野寺(シマノ)4回目の登坂を終えて、先頭グループに残ったのは佐野(ニッポ)、武末(オッティモ・ホル元)狩野と野寺(シマノ) photo:Haruo Fukushimaそして先頭グループとして最終周回に入ったのは、昨年の覇者である佐野、昨年2位の野寺秀徳と狩野智也(ともにシマノレーシング)、オッティモ・ホル元の武末真和の4名。さらにこの争いから佐野が積極的な攻撃を仕掛け、まずは狩野と野寺のシマノ勢の振るい落としに成功する。そしてゴール手前1kmで、最後まで粘る武末を振切り、昨年に引続いての優勝で大会2連覇を達成した。

佐野は「特に大会2連覇という意識は無く、いつも通りに勝つ事を目指した。前週の石川ではシマノ勢3人にやられてしまったので、今日も(シマノ2名を含む)4人になった時は、とにかくシマノのメンバーを減らそうと思ってアタックを繰返した。最後の武末選手との一騎打ちは、ゴール勝負よりも確実に勝てると思い、残り1kmでアタックした。」とレースを振り返った。


昨年に続いて力強いガッツポーズでゴールする佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)昨年に続いて力強いガッツポーズでゴールする佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO) photo:Haruo Fukushimaそして2位と大健闘した武末は表彰式のインタビューで「自分でもこんなにできるとは思っていませんでした」とコメントしたが、第5戦の石川大会で9位、第4戦の富士山ヒルクライムでも5位の好成績を残している。今後のレースでも活躍が期待できそうだ。

午前中に行われたFRクラス(女子)では、崎本智子(日本食研実業団トライアスロン部)が優勝した。レースは序盤から集団が小さくなり、井上玲美(日野自動車レーシングチーム)や森田正美(ブリヂストン・アンカーFR)らが食らいついたが、上りで崎本のスピードについていく事ができなかった。
崎本のメイン競技はトライアスロンで、実業団レースは今回で2回目の挑戦でありながら初優勝を飾った。

このレースでは軽量な体型を活かせる上りでペースを上げ、トライアスロンで経験の少ない下りについては二日前からの試走で、チームの監督やキャプテンからいろいろとアドバイスをもらったと言う。今年はトライアスロンを中心としながらも、今後の自転車ロードレースにも参加についても強い意欲を見せてくれた。

FRクラスの優勝は﨑本智子(日本食研実業団トライアスロン部)FRクラスの優勝は﨑本智子(日本食研実業団トライアスロン部) photo:Haruo Fukushimaレースの模様はフォトギャラリーでお楽しみ下さい!


小川ロード結果
TRクラス(76.7km) 出走105名 完走32名
1位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO) 2時間37分41秒 (AVS.29.19km/h)
2位 武末真和(オッティモ・ホル元)+17秒
3位 野寺秀徳(シマノレーシング)+56秒
4位 山下貴宏(TEAM NIPPO-COLNAGO)+01分55秒
5位 狩野智也(シマノレーシング)+01分55秒
6位 真鍋和幸(TEAM NIPPO-COLNAGO)+02分07秒
7位 永良大誠(グランデパール播磨Hyogo)+02分17秒
8位 佐藤利英(ダイハツ・ボンシャンス飯田)+02分20秒
9位 阿部良之(シマノレーシング) +02分56秒
10位 日置大介(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)+02分59秒

小川村長賞(山岳賞)
阿部嵩之(シマノレーシング)

Jサイクルツアーリーダー
鈴木真理(シマノレーシング)


FRクラス(27.8km) 出走20名 完走11名
1位 﨑本智子(日本食研実業団トライアスロン部) 1時間09分19秒 (AVS.24.06km/h)
2位 井上玲美(日野自動車レーシングチーム)+17秒
3位 森田正美 (チームブリヂストン・アンカーFR) +1分10秒
4位 CHISAKO(UTSUNOMIYA BLITZEN FR) +02分37秒
5位 豊岡英子(パナソニックレディース)+02分39秒
6位 橋本みどり(なるしまフレンド)+04分10秒

小川村長賞(山岳賞)
﨑本智子(日本食研実業団トライアスロン部)

Jフェミニンリーダー
豊岡英子(パナソニックレディース)


BR-1クラス(60.4km) 出走116名 完走24名
1位 新井剛(チームスキップ) 2時間16分21秒(AVS.26.58km/h)
2位 若松達人(たかだフレンドレーシング)+01分30秒
3位 角谷健吾(大阪大学 Cuesta Azul)+01分46秒
4位 若杉厚仁(spacebikes.com)+02分47秒
5位 高田森生(アストロOGKカブト)+03分06秒
6位 田端伸行 (spacebikes.com) +03分18秒

小川村長賞(山岳賞)
新井剛(チームスキップ)


ERクラス(44.1km)出走129名 完走24名
1位 佐藤治伸(日本食研実業団トライアスロン部)1時間44分29秒(AVS.25.32km/h)
2位 庄司薫(エルドラード)+54秒
3位 萩野貴史(ラヴニールあづみの)+01分01秒
4位 松本翼(Team Comrade)+01分03秒
5位 鈴木和典(チーム オーベスト)+01分30秒
6位 増田威望(オッティモ)+02分55秒

小川村長賞(山岳賞)
佐藤治伸 (日本食研実業団トライアスロン部)


photo&text:福島治男