2014/04/24(木) - 10:28
最大勾配26%の「ユイの壁」でアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がアタック。疲労したライバルを振り切ったバルベルデが、2度目のフレーシュ・ワロンヌ(UCIワールドツアー)優勝を果たした。
フレーシュ・ワロンヌは最大勾配26%(公称19%)の「ユイの壁」に至るワンデークラシック。起伏に富んだ199kmのレースは、100回目のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ開催を記念して、史上初めてワロン地域南部に位置するバストーニュの街をスタートした。
最初の1時間の平均スピードが49.4km/hという猛烈なペースで幕開けた第78回大会。アップダウンを繰り返すプロトンから、ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)、ジョナサン・クラーク(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)、プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)の3名が飛び出す展開に。
先頭3名は最大11分のリードを築き上げたものの、BMCレーシングやカチューシャが警戒してメイン集団のペースをコントロールする。やがて先頭からクラークが脱落し、ナヴァルダスカスとファンヘッケの2人が引き続き「ユイの壁」を含む周回コースでエスケープ。しかし、位置取りの影響でスピードの上がったメイン集団に、先頭2人は残り12km地点で吸収された。
中切れも発生するほどのハイペースで進む集団からジェレミー・ロワ(フランス、FDJ.fr)が飛び出すも、キンキンに伸びきった集団から逃れることは出来ない。最後の「ユイの壁」を前に逃げは全て吸収。ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)やホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)が落車の影響でポジションを落とす中、最後の激坂決戦が始まった。
登り始めのロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)のアタックは伸びず、ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)がペースを作って急勾配の登りを進んで行く。
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)やジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)らが好位置をキープした一方で、「カチューシャによる積極的なペースアップにより、残り15kmを切ってからリミットに近い状態で走っていた。その影響で、ポジションを落とした状態でユイに到達してしまった」と語るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)は後方に沈んでしまう。
ダンシングで上半身を左右に振りながら激坂を進むトップレーサーたち。先頭を走るクヴィアトコウスキーの後方から、残り150mでダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)とバルベルデがほぼ同時にスパートを開始。少しずつ勾配が緩む最終ストレートで、バルベルデの加速が伸びた。
一瞬のうちにライバルを置き去りにしたバルベルデが、天を指差し、両手を大きく広げてフィニッシュ。2006年に続く2度目のフレーシュ・ワロンヌ制覇を成し遂げた。
「過去の経験から、最後の登り(ユイの壁)では集団の前の前に位置することが重要だと心得ていた。常にライバルの動きに反応出来る位置で登らないといけない。後ろに下がってしまうと、前を塞がれてしまい、減速を強いられることもある。そこで余計な脚を使ってしまうと勝てないんだ。今日はダニ(モレーノ)やジルベール、クヴィアトコウスキー、マーティンに警戒していた。残り300mで一旦前を塞がれたけど、スペースを見つけて前に出て、そこから加速した」と、バルベルデは今シーズン8勝目(世界最多)を振り返る。
バルベルデは2013年のアムステル・ゴールドレース2位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ3位、そして直前のアムステル・ゴールドレースで4位。久々のアルデンヌ・クラシック勝利を心から喜ぶ。「ここ数年間アルデンヌのタイトルから遠ざかっていたので本当に嬉しい。何度も表彰台に乗りながらも、いつも惜しいところで勝利を逃し続けていた。でも今日は違った。最初から脚の調子が良かったし、全てが上手く行ったんだ」。
やはり注目が集まるのは週末に迫ったリエージュ〜バストーニュ〜リエージュだ。アルデンヌ・クラシックで最も格式ある「モニュメント」で、バルベルデは2006年と2008年に優勝。もちろん日曜日は優勝候補の一角としてリエージュのスタートラインに並ぶことになる。「今はリエージュに目を向ける時だ。リラックスは出来ないだろうけど、落ち着いてレースに挑みたい。好きなレースの一つであり、結果はどうであれ、全力を出すことが出来れば勝負に絡めると思う」。
選手コメントはチーム公式サイトより。
フレーシュ・ワロンヌ2014結果
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
フレーシュ・ワロンヌは最大勾配26%(公称19%)の「ユイの壁」に至るワンデークラシック。起伏に富んだ199kmのレースは、100回目のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ開催を記念して、史上初めてワロン地域南部に位置するバストーニュの街をスタートした。
最初の1時間の平均スピードが49.4km/hという猛烈なペースで幕開けた第78回大会。アップダウンを繰り返すプロトンから、ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)、ジョナサン・クラーク(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)、プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)の3名が飛び出す展開に。
先頭3名は最大11分のリードを築き上げたものの、BMCレーシングやカチューシャが警戒してメイン集団のペースをコントロールする。やがて先頭からクラークが脱落し、ナヴァルダスカスとファンヘッケの2人が引き続き「ユイの壁」を含む周回コースでエスケープ。しかし、位置取りの影響でスピードの上がったメイン集団に、先頭2人は残り12km地点で吸収された。
中切れも発生するほどのハイペースで進む集団からジェレミー・ロワ(フランス、FDJ.fr)が飛び出すも、キンキンに伸びきった集団から逃れることは出来ない。最後の「ユイの壁」を前に逃げは全て吸収。ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)やホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)が落車の影響でポジションを落とす中、最後の激坂決戦が始まった。
登り始めのロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)のアタックは伸びず、ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)がペースを作って急勾配の登りを進んで行く。
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)やジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)らが好位置をキープした一方で、「カチューシャによる積極的なペースアップにより、残り15kmを切ってからリミットに近い状態で走っていた。その影響で、ポジションを落とした状態でユイに到達してしまった」と語るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)は後方に沈んでしまう。
ダンシングで上半身を左右に振りながら激坂を進むトップレーサーたち。先頭を走るクヴィアトコウスキーの後方から、残り150mでダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)とバルベルデがほぼ同時にスパートを開始。少しずつ勾配が緩む最終ストレートで、バルベルデの加速が伸びた。
一瞬のうちにライバルを置き去りにしたバルベルデが、天を指差し、両手を大きく広げてフィニッシュ。2006年に続く2度目のフレーシュ・ワロンヌ制覇を成し遂げた。
「過去の経験から、最後の登り(ユイの壁)では集団の前の前に位置することが重要だと心得ていた。常にライバルの動きに反応出来る位置で登らないといけない。後ろに下がってしまうと、前を塞がれてしまい、減速を強いられることもある。そこで余計な脚を使ってしまうと勝てないんだ。今日はダニ(モレーノ)やジルベール、クヴィアトコウスキー、マーティンに警戒していた。残り300mで一旦前を塞がれたけど、スペースを見つけて前に出て、そこから加速した」と、バルベルデは今シーズン8勝目(世界最多)を振り返る。
バルベルデは2013年のアムステル・ゴールドレース2位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ3位、そして直前のアムステル・ゴールドレースで4位。久々のアルデンヌ・クラシック勝利を心から喜ぶ。「ここ数年間アルデンヌのタイトルから遠ざかっていたので本当に嬉しい。何度も表彰台に乗りながらも、いつも惜しいところで勝利を逃し続けていた。でも今日は違った。最初から脚の調子が良かったし、全てが上手く行ったんだ」。
やはり注目が集まるのは週末に迫ったリエージュ〜バストーニュ〜リエージュだ。アルデンヌ・クラシックで最も格式ある「モニュメント」で、バルベルデは2006年と2008年に優勝。もちろん日曜日は優勝候補の一角としてリエージュのスタートラインに並ぶことになる。「今はリエージュに目を向ける時だ。リラックスは出来ないだろうけど、落ち着いてレースに挑みたい。好きなレースの一つであり、結果はどうであれ、全力を出すことが出来れば勝負に絡めると思う」。
選手コメントはチーム公式サイトより。
フレーシュ・ワロンヌ2014結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
2位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
5位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ガーミン・シャープ)
6位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)
7位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
9位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
10位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
2位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
5位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ガーミン・シャープ)
6位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)
7位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
9位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
10位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
4h36'45"
+03"
+04"
+06"
+08"
+11"
+15"
+03"
+04"
+06"
+08"
+11"
+15"
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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