100名弱のゴールスプリントに持ち込まれたブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIワールドツアー)第3ステージ。マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が優勝を飾り、チームメイトをアシストした新城幸也(ユーロップカー)が6位に入った。



ブエルタ・アル・パイスバスコ2014第3ステージブエルタ・アル・パイスバスコ2014第3ステージ image:vueltapaisvasco.diariovasco.com前半に2級山岳2つと後半に3級山岳2つを越えるパイスバスコ第3ステージ。平坦ステージとは呼べないが、パイスバスコの中では最も難易度が低い一日。つまりスプリンターのためのステージだ。

オリカ・グリーンエッジが牽引するメイン集団オリカ・グリーンエッジが牽引するメイン集団 photo:Tim de Waele最初の2級山岳でアンディ・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)やナタナエル・ベルハネ(エリトリア、ユーロップカー)を含む逃げグループが形成されたものの、メイン集団はこれを許さず吸収。続いて飛び出したルーベン・フェルナンデス(スペイン、カハルーラル)の一人旅が始まった。

ゴールスプリントを制したマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)ゴールスプリントを制したマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Tim de Waeleフェルナンデスは最大8分のリードを得たものの、平坦基調のコースでのソロエスケープは分が悪すぎた。後半の連続3級山岳を前にフェルナンデスは吸収され、オメガファーマ・クイックステップやチームスカイ、オリカ・グリーンエッジが引き続きメイン集団を牽引した。

ガッツポーズするマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)と、6位でフィニッシュする新城幸也(ユーロップカー)ガッツポーズするマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)と、6位でフィニッシュする新城幸也(ユーロップカー) photo:Tim de Waeleユーロップカーのエースを担う新城幸也は最初の3級山岳の麓でパンクに遭ったものの、チームメイトの力を借りて集団に復帰。しかし最後の3級山岳で前を走る選手と接触して落車してしまう。新城は肘と肩に打撲と擦過傷を負ったが、問題なく集団に復帰した。

総合首位を走り続けるアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)総合首位を走り続けるアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waeleこの2つの3級山岳でアタックは生まれず、スプリンターチームがハイスピードでメイン集団を引き続けてフィニッシュへ。ベルキンやオメガファーマ・クイックステップが競り合いながら残り1km。

連続するロータリーを高速でこなすナーバスな集団から、残り600mでタイミング良くサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が抜け出た。

一気に先頭に立ったゲランスの後ろからマシューズが発進。抜群のリードアウトを受けたマシューズが、並びかけたケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)を振り切って勝利した。

昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2勝を飾り、スペインレースとの相性の良さを見せるマシューズ。「シーズン初勝利は格別だ。今日は完璧なリードアウトだった。おそらく人生の中で最高のリードアウトだった」と、ゲランスらの走りを讃える。「この勝利がチームに自信をもたらし、次なる勝利に繋がることを願っているよ」。

ステージ2位のレザをアシストしながら、自身もスプリントに絡んだ新城は「チームメイトに感謝しかない。パンクしたり、落車したり散々だったけど、チームメイトが助けてくれて、ゴールスプリントにまで絡めた。ケビン(レザ)のために、もっと助けてあげたかったなぁ」とコメントする。とは言え、2日連続のトップ10フィニッシュ。ここまでのステージで最高の6位という成績を残している。

「明日が本当の勝負。明日が越えられれば本当の総合上位を狙える」。第3ステージを終えて新城は56秒遅れの総合11位。「総合一桁」を狙う新城は、ゴール直前に1級山岳が登場する大会最難関の第4ステージに目を向ける。

選手コメントはレース公式サイトならびにTeamユキヤ通信より。



ブエルタ・アル・パイスバスコ2014第3ステージ結果
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
5位 ポール・マルテンス(ドイツ、ベルキン)
6位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
7位 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール)
8位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
9位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)
10位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
5h02'09"










個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
6位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
7位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
8位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
10位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
11位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
12h54'03"
+14"
+34"
+36"




+54"

+56"


ポイント賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)

山岳賞
ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール)

スプリント賞
マッテオ・モンタグーティ(イタリア、AG2Rラモンディアール)

チーム総合成績
BMCレーシング

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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