最難関ゲンティン・ハイランドにゴールするツール・ド・ランカウイ第5ステージ。上り口までは互角の勝負を見せたEQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン。しかし20km近いヒルクライムはもの凄い破壊力だった。日本勢は福島晋一(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)の36位が最高位に。

強力なクライマーとして復活してきた増田成幸(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)強力なクライマーとして復活してきた増田成幸(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン) photo:Hitoshi.OMAEやはりゲンティンハイランドがこのレースのキーとなった。総合、そしてアジアンリーダーも今日のステージでまるまるひっくり返った。とは言っても、ツアー・オブ・ジャパンの富士山ステージのようにTTではなくロードレースなので、「こっちの方が面白い」(とある関係者談)。さて、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザインの6人、そして新城幸也(Bboxブイグテレコム)はどう戦ったのか…。

増田成幸談(12分53秒遅れ、55位)
残り20kmで上りが始まって、ガツンとペースが上がり、30人くらいに絞られた。そこで自分は着いていかずにテンポで上っていきました。前はペースが速すぎたみたいで、都貴さんと晋一さんが降ってきた。ちょっと一緒に上っていたんですが都貴さんが遅れて、晋一さんと僕が10人くらいのグループで上っていた。

その後、晋一さんがアタックしてバラバラになって、自分はほとんど1人か2人とスーッと上っていた。残り5kmくらいからは力が入らなくて、グレゴーの後ろでゴールしました。今はコンディションがよくないんで、次に上るときはトップで上りたいです。膝は大丈夫、いい感じでした!

日本人選手最高位となる36位・9分40秒遅れでゴールする福島晋一(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)日本人選手最高位となる36位・9分40秒遅れでゴールする福島晋一(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン) photo:Hitoshi.OMAE清水都貴談(18分30秒遅れ、76位)
勝負所に残らないと勝負にならないんで残ったんですが、ついていけなくなった。あとはペースで上り、明日、明後日に力を残せるように走りました。もうちょっと行けると思っていたんですけど…。根本的にまだまだ、です。このレースは上りの準備をしないと行けないが、それ一本に絞るわけにもいかない。

福島晋一談(9分40秒遅れ、36位)
今日は都貴と増田ががんばってくれると思っていた。自分は、ここの上りはいつもこんなものです。毎年、がんばって上るんですけど、決して満足はしていません。

グレゴール・ガズヴォダ談(12分04秒遅れ、53位)
ミーティングで聞いていたほどにはきついコースじゃなかった。上り始めで水を持っていなかったので、チームカーを呼んだけど、聞き取れなかったみたい。この暑さで、水なしで上るのは無理だと思ったので、チームカーを待ったんだ。それで、1分か2分、先頭から遅れて上り始めた。そこでちょっとモチベーションを失ったので、イージーテンポで上ることにした。

ゲンティンハイランドを登る新城幸也(Bboxブイグテレコム)と清水都貴(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)ゲンティンハイランドを登る新城幸也(Bboxブイグテレコム)と清水都貴(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン) photo:Hitoshi.OMAEパク・ソンベク談(23分03秒遅れ、105位)
オフシーズンが長すぎたので、身体が重すぎた。シーズン中の僕のベスト体重は66か67kg。だからあと4kgか5kgやせなきゃいけない。でもすぐにコンディションは上がると思う。脚にはいいトレーニングになっている。このコースは僕には坂が長すぎ、キツすぎた。でもベストは尽くした。明日もチャンスはあるよ。

中島康晴談(23分59秒遅れ、112位)
今日は追い風だったこともあって、噂に聞いていたほどにはキツくなかった。でも、ここを上り切るというのは本当にすごいことだと思いました。今日は、ゲンティンの前までのアシストで終わってしまったので、上りの中盤までくらいには参加できるようになりたい。ここでガチガチに参加できるとは、今の自分には言えないけど、そうなりたいです。

新城幸也談(18分30秒遅れ、75位)
辛かったです。最初はもっと行ける感じで、いい位置で上り始めたけど、ぱったり動かなくなって…、脚がサヨナラでした。(練習で坂を)上っていないのもあるし、昨日もがんばったせいもあるかな。明日は最後のチャンス。逃げ切ることも可能だと思うし、逃げられなかったら、集団ゴールになることを願ってスプリントです!

photo&text:大前 仁(Hitoshi.OMAE)