ツアー・ダウンアンダー初出場を控えた新城幸也(ユーロップカー)にインタビュー。欧米選手が暑さと時差ボケでコンディションを崩す中、全日本チャンピオンはどう闘うのか?ダウンアンダー開幕前のコメントをお届けします。



全日本チャンピオンジャージを着る新城幸也(ユーロップカー)全日本チャンピオンジャージを着る新城幸也(ユーロップカー) photo:Kei Tsuji

元々ツアー・ダウンアンダーに出場する予定だったんですか?
昨シーズンが終わって日本に帰る前の段階で、UCIワールドツアーライセンスが決まったらツアー・ダウンアンダー出てもいいんじゃないかと世間話感覚でチームと話していたんです。それがそのまま決まりました。もしダウンアンダー出場が無ければタイ合宿を続けて、そのままマレーシアのツール・ド・ランカウイに出場する予定でした。結果的にランカウイのスタートリストに入ってなくて、このダウンアンダーが終わったらチームと一緒にフランスに帰る予定です。

全日本チャンピオンジャージを着る新城幸也(ユーロップカー)全日本チャンピオンジャージを着る新城幸也(ユーロップカー) photo:Kei Tsuji毎年恒例のタイでの合宿について
走る環境が良いので毎年この時期はタイに行きます。この5年間タイ合宿を行なうことで結果が出ているので、もちろんチーム公認です。タイ合宿の影響で、チームのトレーニングキャンプも2回パスしていますし。

1月という早い時期にレース出場することについて
ネオプロでもないし、ここで絶対に成績を出さないといけないというプレッシャーも無いので、いつも通りリラックスしています。早い時期ということについてはそこまで気にしていません。フランスに戻ってから始まる本格的なシーズンに向けた足がかり的な位置づけ。レース慣れ出来る良い機会だと捉えています。

オーストラリアを走っていて動物は見ました?
これまで4日間オーストラリアを走って、すでに2回もコアラを見ました。1回は道を歩いていて、見つけたら交通標識に飛びついた。もう1回はチームメイトが樹の上にいるのを発見したんです。カンガルーも見たし、マッサージャーが見たいと言っていた動物を見ることが出来て大満足(笑)

ヴォクレールの追突事故について
トマ(ヴォクレール)が到着した朝にトレーニングライドに出かけて、1時間ほど走ったところで前を走る車に追突したんです。T字の交差点を右折した時に、バイクの列の間に入ってきた車が急ブレーキ。スピードは出ていませんでしたが、トマは止まりきれずに衝突。自分はそのすぐ後ろを走っていました。トマはすぐに骨折したと分かったみたいです。

ユーロップカーユーロップカー photo:Kei Tsujiヴォクレールがいないユーロップカーはどう闘う?
逃げに乗ったりスプリントに絡んだり。今回はそういうメンバーしか来ていません。ドイツ人のビョルン(トゥラウ)は上れる選手だけど、時差ボケと暑さでそこまで調子は良くない。今日の時点で、チームのコンディションはそこまで良くないです。

新城選手のコンディションは?
僕は時差ボケも少ないし、暑さも問題ないです。オーストラリアに到着してからまだ60km、90km、120km、130kmしか走ってないので、もっと距離を走りたいぐらいです。

新城選手はどう走りますか?
走ってみないと自分のコンディションは分かりませんが、良ければもちろん登りゴールを狙う。UCIワールドツアーレースでステージ5位までに入ればポイントが付くので、"世界選手権に出れないという悪夢"を避けることが出来ます。小さいけど、ポイントを取れる日は取りに行きたい。登りのゴールさえ頑張れば、総合成績でポイントがもらえる10位以内に入ることも可能ですし。第2、3、5ステージあたり頑張らないといけないですね。

気温45度という灼熱の中を走ること
トレーニングライドの時は山に向かうので、走っている間はそこまで暑さを感じないですね。暑さ対策のために朝早くから走り出してますし。問題は街に下りてきてからですが、そこまで暑いとは感じていないです。(気温の)数字は大きいけど死ぬほど暑いわけじゃない。でもチームメイトは時差ボケと暑さで完全にヤラレてます。

暑さは新城選手に味方しますか?
寒くて辛いレースは覚えてますが、暑くて辛いレースはそんなに覚えてないです。暑ければ暑いほうが、オーストラリア人と僕しか残らないので良いんですけどね。暑いのは得意です。寒くて死ぬことはあっても、暑くても死なないじゃないですか。あの40度オーバーがずっと続けば良かったのに(笑)

text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia