12月2日、グーグルのロンドン本社で記者会見が行なわれ、ビャルヌ・リースGMやアルベルト・コンタドール(スペイン)、ロシアの資産家オレグ・ティンコフ氏らが出席。その中でティンコフ氏がリース氏からサクソ・ティンコフを買い取り、単独オーナーになることが発表された。



オレグ・ティンコフ氏オレグ・ティンコフ氏 photo:Cor Vosティンコフ氏やリース氏、サクソバンクのラルス・セイアクリステンセン共同CEO、アルベルト・コンタドール、ニコラス・ロッシュらが出席した記者会見は、GCN(グローバルサイクリングネットワーク)のYoutubeチャンネルで生中継。ティンコフ氏によるデンマークチーム買収が発表された。

サクソ・ティンコフサクソ・ティンコフ photo:A.S.O.これによりチームの所有者はリース氏からティンコフ氏にスイッチ。今後3年間、ティンコフクレジットシステムがチームのメインスポンサーを務める。サクソバンクが引き続きサブスポンサーとしてチームに携わるため、チーム名称はティンコフ・サクソに変更。また、運営会社のリースサイクリングはティンコフスポーツに名称を変更する。

「とても満足している。これは個人的な投資であり、全て私の資金だ。自転車競技は私の情熱であり、ようやくワールドツアーチーム所有の夢が実現した」とティンコフ氏は記者会見で喜びのコメントを残している。

今後も引き続きチームマネージャーを務めるリース氏は「オレグ・ティンコフ氏の新しいチームオーナー着任の発表を嬉しく思う。彼がリースサイクリングを買い取るという同意は即座に結ばれた。彼が100%チームを所有しており、単独オーナーとなる。今日はチームにとって素晴らしい日だ」と語っている。

現在デンマークでは現役時代のリース氏に関するドーピング捜査が進行中。しかし同氏は今回のチーム売却とドーピング捜査は無関係だとしている。ティンコフ氏は「何が起こっているのか把握していないが、それは我々の問題じゃない。我々は当局の決定に従う。とにかくドーピングの時代はもう終わった。自転車競技は変わったんだ。ドーピングについてはゼロトレランス(いかなる違反も許さない)の方針を貫く」という姿勢を示している。

ティンコフ氏のティンコフバンクは、2012年のツール開幕直前にチームサクソバンクに合流。しかし今年のツール・ド・フランスでコンタドールが低迷したことを受け、ティンコフ氏はコンタドールとリース氏を批判するとともに、チームとの決別を発表。「互いがもつ利害を共有出来ない」としてティンコフ氏は新たなチーム結成や他チームとの交渉を行なったがまとまらず、結局は元の鞘に納まった。

2014年もチームリーダーを務めるコンタドールはティンコフ氏との関係について「今年のツール以降、オレグ(ティンコフ)と私の関係が興味を引いていることは分かっている。でもこれまでオレグとは長い時間ともに過ごしてきた。ツール直後の出来事はもう遠い昔の話だ」と語っている。2014年はロッシュがジロ・デ・イタリア、コンタドールがツール・ド・フランスでエースを担う予定だ。





text:Kei Tsuji