CONI(イタリアオリンピック委員会)のアンチドーピング検事局は14日、マントヴァのドーピング捜査で名前が挙がったアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)に対し、2年間の出場停止処分を要求した。

アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム) photo:Makoto Ayanoバッランに初めてドーピング疑惑が浮上したのは2010年のこと。ランプレを中心にしたドーピングスキャンダルで、BMCレーシングチーム所属のバッランやマウロ・サンタンブロジオ(イタリア)の名前が浮上。両名は一時的に競技から遠ざかったが、後にチームから出場を許可されている。

その後、ドーピングスキャンダルの中心人物であるマントヴァ在住の薬剤師グイド・ニグレッリならびにフィオレンツォ・ボナッツィ医師とバッランの通信記録が明るみになり、2011年にはCONI検事局のヒアリングにバッランが出席した。

ドーピング陽性反応は一度も検出されていないが、WADA(世界アンチドーピング機構)規程2条2項「禁止物質・禁止方法を使用すること、又は使用を企てること」にあたるとして、CONI検事局はバッランに2年間の出場停止処分を提言した。同時に、WADA規程2条6項「禁止物質及び禁止方法を所持すること」と同2条7項「禁止物質・禁止方法の不法取引を実行すること」違反のニグレッリ氏には永久資格停止処分、ボナッツィ医師には7年間の資格停止処分が要求。今後、アンチドーピング裁判所がバッランらの処分を決定する。


今回のCONIの発表に対してBMCレーシングチームは声明を出し、チーム所属以前の疑惑であることを強調するとともに、正式な決定が下るまではいかなる処分も与えないとコメントしている。

2008年に世界チャンピオンに輝いたバッランは、イタリアを代表するクラシックレーサーとして活躍。しかし、2012年12月のトレーニング中に落車して大腿骨と肋骨を骨折。2013年のシーズン大半を棒に振っている。

text:Kei Tsuji
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