11月2~4日に幕張メッセにて開催されたサイクルモードインターナショナル。各ブースで見つけた注目の逸品アイテムやイベント・トークショーの様子をレポートする第5回目はシマノ、サイクルクリエーション、TOYO(東洋フレーム)、サイクルヨーロッパ、セライタリアの5ブースをピックアップ。



シマノ
画期的なシマノのフィッティングシステムがデビューした画期的なシマノのフィッティングシステムがデビューした
満を持して投入したフィッティングシステムがサイクルモードの全ブースの中でも1、2位を争う話題となったシマノ。その詳細は今年のトレンドについて紹介したこちらの記事に詳しいが、専用のマシンを使い「短時間でベストなポジションを出す事ができ、更にペダリングのパワーやベクトルの方向を算出可能」であることが特徴だ。

一般ユーザーへは初披露となったロード用油圧ディスクブレーキ一般ユーザーへは初披露となったロード用油圧ディスクブレーキ 新作モデルを含めシューズも全モデルが揃った新作モデルを含めシューズも全モデルが揃った

ホイールは全ジャンルでハイエンドからエントリーグレードが揃ったホイールは全ジャンルでハイエンドからエントリーグレードが揃った 発売開始間近の新型アルテグラDi2をいち早く体感できた発売開始間近の新型アルテグラDi2をいち早く体感できた


そして、ロードバイク界とシクロクロス界の両カテゴリーにとって革新的な電動+ロード用油圧ディスクブレーキも大きな関心を集めていた。一般ユーザーへはサイクルモードが初披露となり、試乗車こそ無かったものの、その握り心地やレバータッチを確かめる来場者の姿が多く見られた。

3日目には別府史之選手のサイン会が行なわれた3日目には別府史之選手のサイン会が行なわれた シマノの国内サポート選手を集めたトークショーは危うい裏話が噴出!シマノの国内サポート選手を集めたトークショーは危うい裏話が噴出!


フィッティングシステムとロード用油圧ディスクの影には隠れてしまったものの、発売開始を間近に控えた新型アルテグラDi2も注目のプロダクトの1つ。従来モデルとほぼ同額ながら、STIやFD、RDのコンパクト化やオプションパーツとの互換性拡大など進化を遂げており、思わず物欲を掻き立てられた人は多かったはず。

また、サイクルモードでは恒例となっているシマノサポートライダーによるトークショーや、3日目には別府史之選手(オリカ・グリーンエッジ)のサイン会が行われるなどとても華やかな雰囲気に包まれていた。



サイクルクリエーション

コアなヨーロピアンブランドを中心に展開するサイクルクリエーションは、サイクルモードでは取扱商品の中からグエルチョッティやダッコルディなど厳選したブランドを展示した。そして昨年に引き続きアレッサンドロ・グエルチョッティ社長が来日しプロモーションを行った。

昨年に引き続きアレッサンドロ・グエルチョッティ社長が来日昨年に引き続きアレッサンドロ・グエルチョッティ社長が来日
グエルチョッティ社長のイチオシモデルはエウレカSHM50とのこと。国内の自動車メーカーが実用化に向けて研究を進める最先端のカーボン成型技術をいち早く採用した創業50周年記念モデルで、ダイレクトブレーキやネオンカラーを取り入れたアニバーサリーモデルに相応しい意欲作だ。

CCCポルサットカラーを纏ったエウレカEVOCCCポルサットカラーを纏ったエウレカEVO スラムREDの油圧式ディスクブレーキを装備したLEMBEEK DISCスラムREDの油圧式ディスクブレーキを装備したLEMBEEK DISC


そして、CW編集部の注目の1台はスラムREDの油圧式ディスクブレーキを装備したシクロクロスバイクのLEMBEEK DISCで、展示車のカラーは通常使用には存在しない特別カラーだそうだ。他にもUCIヨーロッパツアーで活躍したCCCポルサットカラーに彩られたのエウレカEVOなどもマニアックな来場者を中心に関心を集めていた。



TOYO(東洋フレーム)

TOYOは以前より協力関係にあるグラファイトデザインのTOYO専用カーボンパイプとカイセイのクロモリパイプを組合せた話題の新型モデル3タイプを正式発表。8月のシマノ鈴鹿などではグラファイトデザインがロードレーシングモデルのプロトタイプのみ展示していたが、サイクルモードでは更にシクロクロスモデルと、快適性を高めたラグジュアリーモデルも展示されていた。

ブースを案内してくれた石垣鉄也(左)さんと山内良典さん(右)は共に現役のフレームビルダーだブースを案内してくれた石垣鉄也(左)さんと山内良典さん(右)は共に現役のフレームビルダーだ
3タイプの新型モデルでは、シートチューブを含めたフロント三角をカーボン、チェーンステーとシートステーをクロモリとすることで、しなやかさと剛性の両立を狙った。フォークも同様にグラファイトデザイン性となり、CXモデルとロードレーシングモデルにはフォークには下ワンが1.5インチのTOYO専用モデルがアッセンブルされる。

1.5インチの専用カーボンフォークを採用したロード用レーシングモデル1.5インチの専用カーボンフォークを採用したロード用レーシングモデル ロードレーシングモデルはクロモリ部分からケーブルを内蔵するロードレーシングモデルはクロモリ部分からケーブルを内蔵する

グラファイトデザインが供給するTOYO専用チューブグラファイトデザインが供給するTOYO専用チューブ 一般的な1-1/8インチフォーク採用するラグジュアリーモデル快適性の高さが特徴だ一般的な1-1/8インチフォーク採用するラグジュアリーモデル快適性の高さが特徴だ


最注目のシクロクロスモデルは現シクロクロス全日本チャンピオンの竹之内悠選手に合わせて開発されたバイク。ヨーロッパのディープマッドに対応可能なクリアランスを確保するなど世界レベルのレースを見据えた設計がなされているとのこと。展示車は竹之内選手が普段使用するGOKISOのホイールやデュガスのタイヤなど実戦さながらのパーツが装着されていた。



サイクルヨーロッパ ビアンキ

サイクルヨーロッパは現存する世界最古の自転車メーカーのビアンキをメインとしたブースを展開。ヴァカンソレイユDCMやアンドロー二ジョカトーリ、アンダー23のMTBXCOで世界王者を獲得したガーハード・カーシュ(イタリア)の大きなパネルが展示され、レース色の濃い展示がなされていた。

レース色を強く押し出したビアンキのブースレース色を強く押し出したビアンキのブース
ロードではフレーム形状を刷新したハイエンドモデルのOLTRE XR2と、従来のカーボンフレームと比較して振動減衰能力を75%向上したというエンデュランスバイクのINFINITO CVが注目を集めていた。なお、両モデルに設定されるディスクブレーキモデルの展示はなかった様だ。

高い振動減衰能力が特徴の新型エンデュランスバイクのINFINITO CV高い振動減衰能力が特徴の新型エンデュランスバイクのINFINITO CV 27.5インチMTBに積極的なビアンキ27.5インチMTBに積極的なビアンキ

特に女性に人気が高かったシティサイクル特に女性に人気が高かったシティサイクル 自転車好きなら思わず食指が動いていしましそうな腕時計やスマホケース自転車好きなら思わず食指が動いていしましそうな腕時計やスマホケース


MTBの展示が少々少なかった印象のサイクルモードだが、ビアンキは近年トレンドとなりつつある27.5インチのエントリーモデルを中心にロードと同程度の台数を展示していた。バイクに加えチェレステカラーを纏ったアクセサリー類も豊富で、トーケンの軽量パーツセットや腕時計のTIMEPIECESシリーズには食指が動いた方も多かったのではないだろうか。



セライタリア

イタリアの老舗サドルメーカー「セライタリア」のブースは国内輸入代理店を務める日直商会と深谷産業による共同出展。これまでは実際の使用感に基づいたサドル選択を推奨していたものの、現在では5年間に渡る開発期間を経て編み出されたサドル選択システム「id match」を推し進めている。

セライタリア本社から来日したマーケティングマネージャーのスティーブン・メルリン氏セライタリア本社から来日したマーケティングマネージャーのスティーブン・メルリン氏 新型TTサドルのIRON TEKNO Flow新型TTサドルのIRON TEKNO Flow

モデルチェンジを果たしたセライタリアの定番モデルFliteに蛍光カラーが登場モデルチェンジを果たしたセライタリアの定番モデルFliteに蛍光カラーが登場 白衣を着たサドルマイスターが適切なサドルのタイプを診断してくれた白衣を着たサドルマイスターが適切なサドルのタイプを診断してくれた


id matchとは専用機器を用いて大腿部上部の幅や大腿周囲長、骨盤の傾きを測定し、身長や体重などのパーソナルデータと併せてセライタリア独自のデータベースに照合することで、6タイプに分類されたサドル群から最も最適なグループを判別するシステムだ。ブースでは白衣を着用した「サドルマイスター」によるサドル診断が行なわれ、サイクリストにとっての大きな悩みの1つを高確率で瞬時に解決できるとあって、常に順番待ちの列ができていた。

もちろんTTサドル「IRON TEKNO Flow」や新型フライトなど最新モデルを含む全サドルラインナップや、カラーバリエーションが増えたバーテープの展示も行なわれた。また、本国からマーケティングマネージャーのスティーブン・メルリン氏が来日し、サドル診断を行うと共に製品プロモーションを行っていた。


text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部