41歳のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)による総合優勝で幕を落としたブエルタ・ア・エスパーニャ。閉幕翌日の9月16日、ホーナーが競技外ドーピング検査を逃れたとスペインメディアは伝えた。チーム側はホーナーの居場所変更手続きが完了済みだったと証拠を添えて反論している。



クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード) photo:Kei TsujiスペインのAS紙やマルカ紙が伝えたところによると、ブエルタ閉幕の翌朝にドーピング検査員が訪れたレディオシャック・レオパードの宿泊ホテルに、ホーナーの姿は無かった。その際にチーム関係者はホーナーの居場所について明確な説明が出来なかったという。競技外の抜き打ち検査は、USADA(アメリカ反ドーピング機構)の要請によりスペインの反ドーピング機構が行なう予定だった。

レディオシャック・レオパードが公開したホーナーと送信メールと受信メールレディオシャック・レオパードが公開したホーナーと送信メールと受信メール image:Radioshack Leopard現在UCIプロチームとUCIプロコンチネンタルチーム所属選手は、ADAMS(反ドーピング・アドミニストレーション&マネジメントシステム)を介して、24時間365日、自身の居場所を申請することが義務づけられている。申請された場所に不在だった場合は「ノーショー(不在)」としてカウント。18ヶ月の間に3回「ノーショー」が受けると出場停止処分が下される。

スペインメディアによる報道を受け、レディオシャック・レオパードは急遽プレスリリースを出して反論した。ホーナーがUSADAの管理システムに送信した居場所変更の申請メールと、USADAから受信した承諾メールを添え、一連の報道を否定した。

プレスリリースによると、ホーナーはチームが宿泊するマドリード中心部のホテル・プリンセサで祝勝パーティーを行なった後、郊外のホテル・シウダ・デ・モストレスに家族とともに宿泊。ルールに則り、ホテルの部屋番号を記し、午前6時〜7時の間に検査への対応が可能という旨をUSADAに伝えていた。

ドーピング検査員のミスによって古い情報をもとにチームの宿泊ホテルを訪れたことが原因であるとチームは主張。また、メディアに情報を漏洩したことはホーナーのプライバシーを侵害する行為だとスペインの反ドーピング機構を批難している。

現在ホーナーは家族とともにアメリカへ帰国の途にある。

text&photo:Kei Tsuji in Madrid, Spain