夜の帳が下り始めたシャンゼリゼ通りを舞台にしたゴールスプリント勝負。シャンゼリゼ常勝のカヴェンディッシュを打ち負かしたマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)が接戦を制した。



スタート地点はヴェルサイユ宮殿の目の前スタート地点はヴェルサイユ宮殿の目の前 photo:Makoto.AYANO最終日は定番のパリ・シャンゼリゼ。パリ郊外にあるユネスコ世界遺産のヴェルサイユ宮殿の外周をグルリと周り、2つの4級山岳を経て、パリに凱旋する。

4賞ジャージがスタートラインの最前列に並ぶ4賞ジャージがスタートラインの最前列に並ぶ photo:Cor Vos100回記念大会だけに、シャンゼリゼの周回コースにも変更が加えられている。シャンゼリゼ通りの折り返し区間が凱旋門の環状道路まで伸ばされ、さらに周回数が例年より2周多めに設定(7km x 10周)。スタート時間は例年よりかなり遅めの17時45分で、ゴール予定時間はなんと21時45分。

デイヴ・ブレイルスフォードGMと乾杯するクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)デイヴ・ブレイルスフォードGMと乾杯するクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:A.S.O.祝賀ムード溢れるプロトンは、3週間の闘いのフィナーレに向かってスローペースでヴェルサイユ宮殿をスタート。途中の2つの4級山岳でも特に動きは見られず、選手たちは互いの健闘を讃え合いながら、談笑しながらシャンゼリゼを目指した。

観客に埋め尽くされたシャンゼリゼ周回コースが近づくと、すでにシャンパンで乾杯を済ませたマイヨジョーヌのクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)の前に、スカイプロサイクリングのトレインが組まれる。ルーヴル美術館前を通過して周回コースに入り、凱旋門に向かってスカイトレインが凱旋。2周目に入るとアタックが解禁された。

口火を切ったのはラース・ボーム(オランダ、ブランコプロサイクリング)で、キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)、デーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ)、ジュリアン・エルファレ(フランス、ソジャサン)らが先行。ここからフレチャとミラーが抜け出す。

カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)らのカウンターアタックは失敗に終わり、石畳が敷かれたシャンゼリゼ通りで先頭はミラー単独に。オメガファーマ・クイックステップとアルゴス・シマノが牽引するメイン集団に対し、ミラーは20〜30秒リードを築いた。



ルーヴル美術館の前を通過するマイヨジョーヌのクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)ルーヴル美術館の前を通過するマイヨジョーヌのクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:Cor Vosスカイプロサイクリングがマイヨジョーヌのフルームを守りながら走るスカイプロサイクリングがマイヨジョーヌのフルームを守りながら走る photo:Makoto.AYANO
凱旋門の前を通過するマイヨジョーヌのクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)凱旋門の前を通過するマイヨジョーヌのクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:Cor Vos


デーヴィッド・ミラー(ガーミン・シャープ)とフアンアントニオ・フレチャ(ヴァカンソレイユ・DCM)の独走力あるペアが逃げるデーヴィッド・ミラー(ガーミン・シャープ)とフアンアントニオ・フレチャ(ヴァカンソレイユ・DCM)の独走力あるペアが逃げる photo:Makoto.AYANO周回が残り4周に差し掛かると、カウンターアタックでマヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシングチーム)、ブラム・タンキンク(オランダ、ベルキンプロサイクリング)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が飛び出して先頭を奪う。しかしスプリンターチームを振り切るのは不可能だった。

シャンゼリゼは日が傾き、強い斜光の中を走るプロトンシャンゼリゼは日が傾き、強い斜光の中を走るプロトン photo:Makoto.AYANOマイヨジョーヌを引き連れるゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)が大集団を牽引し、先頭で最終周回の鐘を聞く。そこからサクソ・ティンコフ、ロット・ベリソル、キャノンデールプロサイクリング、アルゴス・シマノ、オメガファーマ・クイックステップがトレインを組んで先頭に出る。

シャヴァネル、マルティン、クヴィアトコウスキー、トレンティン、ステーグマン、カヴェンディッシュの順でトレインを組んだオメガファーマ・クイックステップが主導権を握った状態でフラムルージュ(ラスト1km)を通過。しかしステーグマン&カヴェンディッシュのタッグは上手く機能せず、キッテルのリードアウト役クーン・デコルト(オランダ、アルゴス・シマノ)を先頭に最終コーナーを抜ける。

デコルトに先頭で発射されたキッテルを、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が追撃。グライペルとカヴは伸びのあるスプリントでキッテルに並びかけたが、パワフルなジャーマンスプリンターのペースは落ちない。今大会のスプリント戦線で主役を担った3人が、横一線でハンドルを投げる接戦スプリント。若きキッテルが、カヴの5年連続シャンゼリゼ勝利を阻止した。



ハンドルを投げてゴールするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)、マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)ハンドルを投げてゴールするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)、マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) photo:A.S.O.チームメイトと並んでフィニッシュラインを駆け抜けるクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)チームメイトと並んでフィニッシュラインを駆け抜けるクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:Cor Vos



名誉あるシャンゼリゼステージを制したマルセル・キッテル(アルゴス・シマノ)名誉あるシャンゼリゼステージを制したマルセル・キッテル(アルゴス・シマノ) photo:Makoto.AYANO大会初日を勝利でスタートさせ、最終日を勝利で締めくくったキッテルは「自分たちの走りを誇りに思う。今日は夢のような勝利だった。シャンゼリゼで勝つという夢がこんな早くに実現出来るとは思っていなかった。スプリントに向けてチームで練習し、戦略を立て、分析し続けた成果だと思う。去年までのシャンゼリゼステージを研究したことも大いに役立った」とコメント。今大会ステージ4勝を飾ったのはキッテルだけ。

個人総合上位3人の表彰。クリス・フルーム、ナイロ・クインターナ、ホアキン・ロドリゲス個人総合上位3人の表彰。クリス・フルーム、ナイロ・クインターナ、ホアキン・ロドリゲス photo:Makoto.AYANOこの日のスプリント4位のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)は、大会を通してステージ1勝に終わったものの、確実に上位に絡む走りで2年連続マイヨヴェール獲得。ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)がマイヨブランとマイヨアポワ、そして総合2位を獲得している。

マイヨジョーヌを着るクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)は、チームメイトたちと並んでフィニッシュ。チームメイト6名が揃うことを優先したため、ライバルたちから53秒を失っている。

「2週間にわたってマイヨジョーヌ死守のために働き続けてくれたチームメイトたちと一緒にフィニッシュラインを駆け抜けた時、思わず泣きそうだった。ここにたどり着くまでに、信じられない旅を経験した。険しい旅路、ひどく険しい旅路。でもこうしてシャンゼリゼの表彰台に立つことでそんな苦労が報われる。100%報われるよ」。新時代の到来を告げるように登場した第100代チャンピオンは、ライトアップされたシャンゼリゼの表彰台でマイヨジョーヌに袖を通した。

選手コメントはレース公式サイトより。


ツール・ド・フランス2013第21ステージ結果
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)             3h06'14"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
3位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
7位 ケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)
8位 ヨアン・ジェーヌ(フランス、ユーロップカー)
9位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、サクソ・ティンコフ)
10位 ムリロ・フィッシャー(ブラジル、FDJ.fr)

65位 新城幸也(日本、ユーロップカー)                      +10"
128位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)            +53"

個人総合成績 マイヨジョーヌ
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)         83h56'40"
2位 ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)              +4'20"
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)              +5'04"
4位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)         +6'27"
5位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)           +7'27"
6位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキンプロサイクリング)           +11'42"
7位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)               +12'17"
8位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)             +15'26"
9位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)               +15'52"
10位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)       +17'39"

ポイント賞 マイヨヴェール
1位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)       409pts
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)  312Pts
3位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)              267pts

山岳賞 マイヨブランアポワルージュ
1位 ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)               147pts
2位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング             136pts
3位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)                117pts

新人賞 マイヨブラン
1位 ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)             84h01'00"
2位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)         +13'19"
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)+14'39"

チーム総合成績
1位 サクソ・ティンコフ                          251h11'07"
2位 アージェードゥーゼル                           +8'28"
3位 レディオシャック・レオパード                       +9'02"

スーパー敢闘賞
クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)

text:Kei Tsuji
photo:A.S.O., Cor Vos, Makoto Ayano
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