クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第6ステージでトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)が魅せた。ともに逃げた3名とのゴールスプリントで圧勝し、来季のスポンサーを模索中のユーロップカーに2勝目をもたらした。ツールに向けて上々の仕上がりだ。

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2013第6ステージ・コース高低図クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2013第6ステージ・コース高低図 image:A.S.O.ドーフィネ6日目はラ・レシェールからグルノーブルまで、4つのカテゴリー山岳を含む143kmを駆け抜ける。総合を動かすほどの破壊力は無く、かと言ってスプリンターには厳しいステージ。逃げ切りが決まりやすいコースは、激しいアタック合戦を呼んだ。

フランス東部の山岳地帯はこの日も好天に包まれたフランス東部の山岳地帯はこの日も好天に包まれた photo:Riccardo Scanferlaアタックに次ぐアタックで、レース序盤にフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)ら3名が先行する。しかしユーロップカーがこれを許さずに追撃し、更なるカウンターアタックを生む。トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)が積極的にアタックを仕掛けた。

チームメイトに囲まれて走るクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)チームメイトに囲まれて走るクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:Cor Vosレース中盤、80km地点の1級山岳バリオ峠でヴォクレールやトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)、アレクサンドル・ジェニエ(フランス、FDJ)を含む8名が集団を飛び出して先頭グループを形成。この逃げがようやく決まった。

4名に絞られた逃げグループを率いるトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)4名に絞られた逃げグループを率いるトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) photo:Riccardo Scanferlaスカイプロサイクリングがコントロールするメイン集団に対して3分弱のリードを得て逃げるヴォクレールら8名。しかし集団スプリントに持ち込みたいオメガファーマ・クイックステップのコントロールが始まると、タイム差は縮小を始める。

アップダウンを繰り返すうちに逃げグループの中で脚の差が出始め、ヴォクレールとホセ・エラーダ(スペイン、モビスター)、ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ)、エゴール・シリン(ロシア、アスタナ)の4名が先行。その他の逃げメンバーはしばらくしてメイン集団に吸収された。

逃げるシールドライヤース、シリン、エラーダ、ヴォクレールに対し、オメガファーマ・クイックステップが総力を上げて追撃する。オメガファーマの作戦通り、徐々にメイン集団の人数は絞られたが、同時にアシストの人数も減ってしまう。逃げグループとのタイム差も縮まらず、4名の逃げ切りが決定的となった。

アスタナ2名、モビスター1名、ユーロップカー1名という状況でゴール勝負に突入。ラスト2kmを切ってシリンが先に仕掛けるが決まらない。アスタナが数の利を活かせぬままゴールまでの距離が縮まる。結局アタックは決まらず、先頭4名によるゴールスプリントに持ち込まれた。

「逃げグループが形成された時、アスタナの人数を最大限活用しようと思った。モビスターの選手を良く知らなかったので警戒したよ。僕は勝ち方を心得ていた。今日のチャンスを逃すわけにはいかなかった」。そう語るヴォクレールがラスト150mを切って一気にペースを上げる。追いすがるシリンとシールドライヤース、エラーダを振り切ったヴォクレールが両手を挙げた。

ゴールスプリントで勝利したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)ゴールスプリントで勝利したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) photo:Riccardo Scanferla
46秒遅れのメイン集団はエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング)を先頭にゴール46秒遅れのメイン集団はエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング)を先頭にゴール photo:Riccardo Scanferla「今年は6月に入っても勝てずにいたんだ。正直言って、自分のコンディションに自信をもてていなかった。チームは順調に勝利を重ねていたのに、僕はと言えば、勝てない状況が続いていた。この勝利は良い感触を取り戻してくれる。困難な時期を乗り越えることが出来たよ」。アムステル・ゴールドレースで鎖骨を骨折したヴォクレールは、ツールを前に自信を取り戻した様子だ。

ユーロップカーにとっては第1ステージのダヴィ・ヴェイユー(カナダ)に続くステージ2勝目。良いスポンサーアピールになったことは間違いない。「とにかく今は幸せな気分。スポンサー探しに奔走しているチームマネージャーのジャンルネ・ベルノドーのことを思いながら走った。我々(ユーロップカー)の将来はまだ確約されていないんだ」。

選手コメントはレース公式サイトより。

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2013第6ステージ結果
1位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)             3h24'13"
2位 ホセ・エラーダ(スペイン、モビスター)
3位 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ)
4位 エゴール・シリン(ロシア、アスタナ)
5位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング)    +46"
6位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
8位 ウェズリー・サルツバージャー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 アルノー・ジェラール(フランス、ブルターニュセシェ)
10位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
136位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)                +15'51"

個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)          19h33'43"
2位 リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)          +52"
3位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)            +54"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)         +1'37"
5位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)                +1'47"
6位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)                +1'49"
7位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)               +1'52"
8位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)+1'58"
9位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ)        +2'16"
10位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)               +2'20"

ポイント賞
ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)

山岳賞
トマ・ダムソー(フランス、アルゴス・シマノ)

新人賞
ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)

チーム総合成績
スカイプロサイクリング

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, Cor Vos

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