ロシアの新勢力として今シーズン誕生したカチューシャは、ウラディミール・カルペツ(ロシア)を軸に初出場のツールを闘う。総合だけでなく、フィリッポ・ポッツァート(イタリア)らが積極的にステージ優勝を狙うだろう。故障を抱えるマキュアン(オーストラリア)は欠場。ステーグマン(ベルギー)はメンバーから落選した。

エースとしてグランツールでの活躍が期待されるウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ)エースとしてグランツールでの活躍が期待されるウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ) photo:CorVos昨年までのティンコフを買収し、国家プロジェクトの一環として誕生したチームカチューシャ。豊潤な資本を活かした大型補強が功を奏し、チーム1年目からトップチームに肩を並べる活躍を見せている。

ロシア資本のロシアチームだけに、エースは当然ロシア人。総合成績を狙うのは、2004年ツールでマイヨブラン(新人賞ジャージ)を獲得したウラディミール・カルペツ(ロシア)だ。

アムステル・ゴールドレースを制したセルゲイ・イワノフ(ロシア、カチューシャ)アムステル・ゴールドレースを制したセルゲイ・イワノフ(ロシア、カチューシャ) photo:Cor Vosカルペツは、タイムトライアルが得意な28歳の大柄なオールラウンダー。ケースデパーニュに所属していた昨年まではバルベルデ(スペイン)のアシストに徹していたが、今年はエースとしてツールに挑む。グランツールでは2005年のジロ・デ・イタリアで総合7位、2007年ブエルタ・ア・エスパーニャで総合7位。今シーズンはツール・ド・ロマンディで総合2位に入っている。

身長193cmのカルペツを山岳でサポートするのは、164cmの小柄なアレクサンドル・ボチャロフ(ロシア)。ボチャロフのツール出場は8回目。昨年総合18位に入っているベテランだ。

他にもアムステル・ゴールドレースで優勝したセルゲイ・イワノフ(ロシア)や、アテネ五輪ポイントレース金メダリストのミハイル・イグナチエフ(ロシア)ら、ステージ優勝を狙えるロシア人選手が揃う。



イタリアチャンピオンジャージを着てツールに出場するフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)イタリアチャンピオンジャージを着てツールに出場するフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ) photo:Cor Vosエーススプリンターのロビー・マキュアン(オーストラリア)はツアー・オブ・ベルギーで負傷した膝が完治せずに欠場。第2のスプリンターとして期待されたヘルト・ステーグマン(ベルギー)は、アンチドーピング条項に関してチームと対立し、メンバーから外れた。条項とは、ドーピングが発覚した選手が年収の5倍に相当する額の罰金を支払うというもの。チームが新たに選手契約に盛り込もうとしていたこの条項へのサインを、ステーグマンは拒否している。

チーム創設時から話題を集めたフィリッポ・ポッツァート(イタリア)は、直前のイタリア選手権でクネゴらを破り、新イタリアチャンピオンに輝いた。ツールにはトリコローレを着て出場する。逃げて良し、スプリント良しのこのスピードマンは、ツールで2004年と2007年にステージ優勝。マキュアン&ステーグマン不在のツールで、ダニーロ・ナポリターノ(イタリア)とともにスプリントに加わるだろう。

カチューシャメンバー
ウラディミール・カルペツ(ロシア)
アレクサンドル・ボチャロフ(ロシア)
ミハイル・イグナチエフ(ロシア)
セルゲイ・イワノフ(ロシア)
ニコライ・トルソーフ(ロシア)
ダニーロ・ナポリターノ(イタリア)
フィリッポ・ポッツァート(イタリア)
ホアン・オラク(スペイン)
ステイン・ファンデンベルグ(ベルギー)

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