リーダージャージを着るテオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)がロングスプリントで勝利。ツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)第2ステージで、今一度ボスがその速さを見せつけた。

イエロージャージを着るテオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)イエロージャージを着るテオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング) photo:Sonoko Tanakaランカウイ2日目、第2ステージはセルダンからクアラカンサーまで南下する117.8km。レース前半、ゴールの66km手前に標高560mの2級山岳ブキット・スンピタンが設定されているが、後半の平坦部分が長く、スプリンター向きのステージだと言える。

イスラム教の礼拝の関係で、15時にスタートした第2ステージイスラム教の礼拝の関係で、15時にスタートした第2ステージ photo:Sonoko Tanaka逃げたのはアヌアル・マナン(マレーシア、シナジーバクサイクリング)、モハマドシャルル・マトアミン(マレーシア、トレンガヌサイクリング)、ファット・ゴーチュン(シンガポール、OCBCシンガポール)、ソ・ジュンヨン(韓国、KSPO)、リー・フーユー(中国、ハンシャンサイクリング)というアジア出身選手で構成された5名のメンバー。

テオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)を先頭にスプリントテオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)を先頭にスプリント photo:Sonoko Tanaka地元マレーシア人として唯一ステージ優勝経験があり、2010年大会でポイント賞に輝いたマナンは、積極的に中間スプリントポイントでポイント&ボーナスタイムを加算。しかしブランコプロサイクリングが牽引するメイン集団とのタイム差は3分以内に抑え込まれた。

2級山岳ブキット・スンピタンはソ・ジュンヨンが先頭通過。レース後半に入ると、ユーロップカーや愛三工業レーシング、オメガファーマ・クイックステップ、オリカ・グリーンエッジも集団先頭のローテーションにメンバーを送り込む。集団を長時間牽引する中島康晴(愛三工業レーシング)の姿も見られた。

結局逃げはゴールまで10kmを切って吸収。ここから集団は更にスピードを上げ、クアラカンサーのゴールに向かう。主導権を争うガーミン・シャープやブランコプロサイクリングの隊列に、盛一大(愛三工業レーシング)が混ざる。

リーダージャージのテオ・ボスは、この日もグレーム・ブラウン(オーストラリア)に連れられて集団先頭へ。するとラスト300m地点で早くもスプリント体勢に入る。リーダージャージを先頭に、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)らが追撃する展開。ゴール寸前でグアルディーニやアイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)、ブライアン・コカール(フランス、ユーロップカー)が並びかけたが、ボスが先頭を守りきった。

イエロージャージを着るテオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)にグアルディーニやクルオピスが並ぶイエロージャージを着るテオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)にグアルディーニやクルオピスが並ぶ photo:Sonoko Tanaka

第2ステージのトップスリーが表彰台に上がる第2ステージのトップスリーが表彰台に上がる photo:Sonoko Tanaka開幕2連勝を飾ったボスは「今日はかなり早いタイミングでスプリントを開始せざるを得なかったけど、継続的に勝利のリズムを刻むことが出来て嬉しく思う。今日はグレーム・ブラウンのリードアウト開始が早過ぎたんだ。すぐ後ろにヴォンホフとグアルディーニが見えたけど、グアルディーニはペダルにトラブルを抱えているように見えた。だから今日の勝利はラッキーだったと言える」と語る。ブラウンとの連携に少し失敗しながらも、持ち前のスピードで勝利を掴んだ。

キャメロンハイランドの頂上ゴールが設定された翌日の第3ステージでは、ボスは十中八九リーダージャージを失うだろう。しかしボスはここまでの走りに充分満足していると話す。そして「今シーズンはグランツールでもステージ優勝を狙いたい」と意気込んだ。

ゴールスプリントに絡んだ盛一大はステージ11位フィニッシュ。惜しくもトップ10は逃した。その他、日本人選手は全員先頭集団でゴールした。

ポイント賞トップのテオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)ポイント賞トップのテオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング) photo:Sonoko Tanaka各賞ジャージの受賞者が表彰台に上がる各賞ジャージの受賞者が表彰台に上がる photo:Sonoko Tanaka


ツール・ド・ランカウイ2013第2ステージ結果
1位 テオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)          2h54'48"
2位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
3位 アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 ブライアン・コカール(フランス、ユーロップカー)
5位 アンドリュー・フェン(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)
7位 スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
8位 ホセイン・ナテギ(イラン、タブリスペトロケミカル)
9位 ファビアン・シュナイト(ドイツ、チャンピオンシステム)
10位 オマール・ベルタッツォ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
11位 盛一大(日本、愛三工業レーシング)
21位 福田真平(日本、愛三工業レーシング)
22位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
53位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシング)
60位 福島晋一(日本、チームNIPPO・デローザ)
65位 伊藤雅和(日本、愛三工業レーシング)
93位 石橋学(日本、チームNIPPO・デローザ)
96位 中島康晴(日本、愛三工業レーシング)
111位 佐野淳哉(日本、ヴィーニファンティーニ)
120位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシング)
123位 徳田鍛造(日本、チームNIPPO・デローザ)

個人総合成績
1位 テオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)          6h54'45"
2位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)            +10"
3位 ワン・メイイン(中国、ハンシャンサイクリング)             +11"
4位 ブライアン・コカール(フランス、ユーロップカー)            +14"
5位 アヌアル・マナン(マレーシア、シナジーバクサイクリング)
6位 アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)      +16"
7位 ソ・ジュンヨン(韓国、KSPO)
8位 ジュンロン・ホー(シンガポール、OCBCシンガポール)
9位 リー・フーユー(中国、ハンシャンサイクリング)             +18"
10位 セルジュ・パウエルス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)   +19"

ポイント賞
テオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)

アジアンライダー総合成績
ワン・メイイン(中国、ハンシャンサイクリング)

山岳賞
ソ・ジュンヨン(韓国、KSPO)

チーム総合成績
ガーミン・シャープ

text:Kei Tsuji
photo:Sonoko Tanaka

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