ジロ・デ・イタリアでステージ3勝を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)擁するチームコロンビア。ツールではカヴのステージ優勝量産と、キルシェン(ルクセンブルク)らの総合上位入賞を目指す。ツール開幕を前に、チームには携帯電話/PDAメーカーのHTC社がサブスポンサーについた。

世界最強スプリンターの地位を確立したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)世界最強スプリンターの地位を確立したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア) photo:Kei Tsuji昨年プロツアーチーム最多勝利を飾ったチームコロンビアは、今シーズンも躍進の手を緩めていない。シーズン序盤から勝利を重ね、ツール前哨戦のツール・ド・スイスでは9ステージ中6勝するという離れ業を成し遂げた。

ツール開幕を前に、チームには携帯電話やPDA(携帯情報端末)を製造する台湾のHTC社がサブスポンサーについた。それに伴い、正式なチーム名は「チームコロンビア-HTC」に変更されている。

ツール・ド・スイスで復活の勝利を飾ったキム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア)ツール・ド・スイスで復活の勝利を飾ったキム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア) photo:Cor Vosチーム最大の注目は、世界最強&最速スプリンターの名を欲しいままにしている24歳のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)だろう。昨年ジロ・デ・イタリアでステージ2勝、ツールでステージ4勝を飾ったカヴは、強力なアシストを得て再びツールに降り立つ。

5月に開催されたジロでステージ3勝を飾ったカヴを支えるのは、スプリントのリード役として定評のあるマーク・レンショー(オーストラリア)やベルンハルト・アイゼル(オーストリア)ら。自らスプリント勝利を狙えるほどの牽引役にアシストされたカヴが、爆発的なスプリントでステージ優勝量産を狙う。山岳をグルペットで乗り切ることが出来れば、カヴはマイヨヴェールの最有力候補だ。

スイスで山岳賞&総合2位に入ったトニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)スイスで山岳賞&総合2位に入ったトニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア) photo:www.tds.chかつてアームストロング(アメリカ)のツール7連覇を支えたジョージ・ヒンカピー(アメリカ)は14度目のツール出場。平坦ステージではカヴの牽引役を務める。チャンスがあれば逃げに乗り、自身2度目のステージ優勝を狙ってくるだろう。

チームコロンビアの売りは何もカヴだけではない。キム・キルシェン(ルクセンブルク)やマイケル・ロジャース(オーストラリア)ら、総合成績で上位を狙えるオールラウンダーも揃っている。

昨年4日間マイヨジョーヌを着たキルシェンは、昨年の総合7位を上回る成績を目指す。今シーズンは序盤のツアー・オブ・カリフォルニアで鎖骨と肋骨を骨折。シーズン前半を棒に振ったが、ツール・ド・スイスで頂上ゴールを制して復活をアピールしている。

世界選手権タイムトライアルで2003年から3年連続でチャンピオンに輝いたロジャースは、2006年ツールで総合10位。昨年はウィルス性の病気により影を潜めたが、今シーズンのジロでは総合8位に入って復活。この2人に加えて、マキシム・モンフォール(ベルギー)もグランツールで総合トップ10を狙える選手だ。

これら総合狙いの選手にとって、タイムトライアル世界チャンピオンのベアト・グラブシュ(ドイツ)と若手トニ・マルティン(ドイツ)は心強い存在だ。第4ステージのチームTTでは総合リードを広げるだろう。

パリ〜ニースに続いてツール・ド・スイスでも山岳賞(スイスでは総合2位)を獲得したマルティンは、TTスペシャリストからオールラウンダーへと成長しつつある。初出場のツールでもその勢いは継続するだろうか。

その一方で、Tモバイル時代からツールの常連だったマークス・ブルグハート(ドイツ)やアンドレ・グライペル(ドイツ)は欠場。苦渋の決断を行なったラルフ・アルダグ監督はチームサイトの中で「一年の中で最も難しい決断だった。チームにはツール出場に値する選手が15名ほどいて、(落選した)選手を落胆させてしまうのが心苦しかった」と、胸の内を語っている。

チームコロンビアメンバー
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
マーク・レンショー(オーストラリア)
ベルンハルト・アイゼル(オーストリア)
ジョージ・ヒンカピー(アメリカ)
キム・キルシェン(ルクセンブルク)
マイケル・ロジャース(オーストラリア)
マキシム・モンフォール(ベルギー)
ベアト・グラブシュ(ドイツ)
トニ・マルティン(ドイツ)

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