ツール・ド・フランス第2ステージ、モナコの0km地点をスタートする選手たちツール・ド・フランス第2ステージ、モナコの0km地点をスタートする選手たち photo:Makoto Ayano
ツール・ド・フランス2009のチームプレゼンテーションに臨む別府史之(日本、スキル・シマノ)。前哨戦ルート・デュ・スッドで山岳賞を獲得する活躍を見せたツール・ド・フランス2009のチームプレゼンテーションに臨む別府史之(日本、スキル・シマノ)。前哨戦ルート・デュ・スッドで山岳賞を獲得する活躍を見せた photo:Makoto Ayano ツール総合7連覇の帝王、ランス・アームストロング。8勝目なるか注目が集まるツール総合7連覇の帝王、ランス・アームストロング。8勝目なるか注目が集まる photo:Makoto Ayano 待ちに待ったツール・ド・フランス2009が開幕。ランス・アームストロングの復帰に加え、スキルシマノの別府史之をはじめ日本人選手2名が出場を果たし、欧州から遥か離れたここ日本でも、例年以上の盛り上がりを見せている。

日本人選手は今中大介氏以来久々の出場となったが、機材はこれに限らない。日本の誇る自転車コンポーネントのトップブランドとして、シマノは以前から各プロチームに機材を供給し続けているのだ。ランス・アームストロングのツール7連覇を支えたことは、いまだ鮮烈な印象を持っているファンも多いことだろう。

そんなシマノの最新モデルを、近年注目を集めつつある"PRO"ブランドを中心に、レース現地から入ったばかりの写真を交えながら紹介しよう。

PRO

SHIMANO PRO 日本では登場して間もない印象があり、最近になってその良さが次第に認められつつあるPROだが、実はヨーロッパではすでに高品質ブランドとしての地位が確立、多くのユーザから高い評価を得ている。

PRO製品群の一部。ハンドルとステムだけでもここには紹介しきれないバリエーションがある。プロ御用達なのもうなずけるラインナップの豊富さだPRO製品群の一部。ハンドルとステムだけでもここには紹介しきれないバリエーションがある。プロ御用達なのもうなずけるラインナップの豊富さだ
今回のツール・ド・フランス2009でも数多くのチームが採用するPRO。ジロ・デ・イタリア覇者デニス・メンショフ擁するラボバンク、最強スプリンターのマーク・カヴェンディッシュ擁するコロンビア・HTC、フランセーズデジュ、そして別府史之が所属するスキルシマノなど、ナンバーワンの使用率を誇る。

ジロ・デ・イタリア2009覇者、デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)。ツールのエースももちろん彼だジロ・デ・イタリア2009覇者、デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)。ツールのエースももちろん彼だ photo:Kei Tsuji チームコロンビア・HTC。エーススプリンターであるマーク・カヴェンディッシュを強力な牽引力でゴールに導くチームコロンビア・HTC。エーススプリンターであるマーク・カヴェンディッシュを強力な牽引力でゴールに導く photo:Cor Vos

PROのハンドルバーを使用するフランセーズデジューPROのハンドルバーを使用するフランセーズデジュー photo:Makoto Ayano 別府史之所属のスキル・シマノ別府史之所属のスキル・シマノ photo.CorVos

PROのラインナップはトップ選手向けのものからシティユースまで幅広い。この製品バリエーションの多さもPROの優れている点だ。用途に合わせた素材、形状を選択可能なため、プロ選手たちの厳しい要求に応える。ステムに見られるVのマークは貪欲にヴィクトリーを狙うライダー達を力づけるシンボルだ。

白に統一したPROのステムとハンドル。ステムのVマークが特徴的。サイクルコンピュータもPRO白に統一したPROのステムとハンドル。ステムのVマークが特徴的。サイクルコンピュータもPRO photo:Makoto Ayano ラボバンクが使用するジャイアントのTTバイク。ホイールやハンドル周りにPROを使用するラボバンクが使用するジャイアントのTTバイク。ホイールやハンドル周りにPROを使用する photo:Makoto Ayano

ジロ・デ・イタリア第5ステージ、ライバルのディルーカを引き離し、先頭でゴールラインを駆け抜けるデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)。ステムにPROのVマークが光るジロ・デ・イタリア第5ステージ、ライバルのディルーカを引き離し、先頭でゴールラインを駆け抜けるデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)。ステムにPROのVマークが光る photo:Kei Tsuji

SPD-SL ペダル & シューズ

ツール・ド・フランス第1ステージ、スタートする別府史之(日本、スキル・シマノ)。SPD-SLペダルとシューズは人並み外れた彼らの高い踏力をしっかりと受け止め、パワーに変換するツール・ド・フランス第1ステージ、スタートする別府史之(日本、スキル・シマノ)。SPD-SLペダルとシューズは人並み外れた彼らの高い踏力をしっかりと受け止め、パワーに変換する photo:Makoto Ayano
SPD-SL 続いてSPD-SLを紹介しよう。
ランス・アームストロングがこだわり続けたペダルの進化系がここにある。ワイドなプラットフォーム 、安定性が大幅に向上。幅広なベアリング位置。 ペダル軸から足裏までの距離を極限まで近づけ、ダイレクト感を向上。回転部の精度も徹底的に追求。トップレーサーのパワーを余すことなく伝達する。

そしてシューズ。こちらは熱成型によってライダー一人一人の足型に対し、最高のフィット感を実現する「カスタムフィットシステム」を導入。SPD-SLペダルシステムとともに、考え得る最高のパワー伝達性を発揮、軽量さと耐久性を兼ね備え、長時間のペダリングにもシューズの重さをほとんど感じさせず、疲労を軽減する。

SPD-SLペダルの最高峰PD-7810。従来モデルよりもクリートの接触面積を増やし安定性を向上、ベアリング部はULTEGRA、105のモデルとも異なった設計になっているSPD-SLペダルの最高峰PD-7810。従来モデルよりもクリートの接触面積を増やし安定性を向上、ベアリング部はULTEGRA、105のモデルとも異なった設計になっている SPD-SLシューズ、SH-R310SE。SPDカスタムフィットシステムによる、自分の足型に合わせたシューズ本体、インソールによって、最小限の締めつけで優れたフィット感が得られるSPD-SLシューズ、SH-R310SE。SPDカスタムフィットシステムによる、自分の足型に合わせたシューズ本体、インソールによって、最小限の締めつけで優れたフィット感が得られる 別府史之(日本、スキル・シマノ)のシューズ。ツール・ド・フランス・スペシャルカラーのSH-R310SE別府史之(日本、スキル・シマノ)のシューズ。ツール・ド・フランス・スペシャルカラーのSH-R310SE photo:Makoto Ayano

DURA-ACE

DURA-ACE “DURA-ACEは常にベストであらねばならない” それがシマノの設計思想である。そのために先進の技術を採り入れ、どこまでも品質にこだわり、妥協なき高性能を追求してやまない。なぜならば、使う人がまさにプロライダーだからである。

ジロ・デ・イタリア第16ステージ、デュラエース7900をインストールしたラボバンクが、マリアローザのメンショフを守りながらモンテ・デッレ・チェザーネを進むジロ・デ・イタリア第16ステージ、デュラエース7900をインストールしたラボバンクが、マリアローザのメンショフを守りながらモンテ・デッレ・チェザーネを進む photo:Kei Tsuji
下りをこなすマリアローザのデニス・メンショフ。7900は速度のアップダウンが激しい下りでも安心してこなせる高い信頼性を持っている下りをこなすマリアローザのデニス・メンショフ。7900は速度のアップダウンが激しい下りでも安心してこなせる高い信頼性を持っている phorto:CorVos そして今年、DURA-ACEが新しい次元のコンポーネントへとステップアップした。それがDURA-ACE 7900。

旧モデルとの見た目の違いは少ないが、その性能向上は明らかだ。例えば、超高精度ドライブトレイン。実際に使ってみたライダー達は「長距離・長時間のライディングでは明らかな違いを感じる」と話す。7800で極まったのでは?と思われた変速性能も「まだ煮詰まるのか」と唸らせるほどに向上している。

限界まで攻めることを余儀なくされるライダー達にとって、デュラエース7900は必須のコンポーネントと言える。

デュラエース7900シリーズの変速レバー、スプロケット、ハブデュラエース7900シリーズの変速レバー、スプロケット、ハブ デュラエース7900シリーズのクランク周りと変速機。デュラエース7900シリーズのクランク周りと変速機。 デュラエース7900シリーズのブレーキ、チェーン(ペダルはPD-7810)デュラエース7900シリーズのブレーキ、チェーン(ペダルはPD-7810)


次のページからは、いよいよ現地フォトレポート。プロレーサー達がツールで実際に使用している機材をレース中の写真も交えながら紹介していく。また、ツールは世界最大のロードレースであるとともに、新しい機材を試す最大のテストケースでもある。市場に出回ることのないプロトタイプや来年以降登場予定のモデルも見られる。今回のレポートでは秘密のベールを纏ったこれらの機材もピックアップするので、ぜひ注目してほしい。


現地フォトレポート Vol.1 ツール・ド・フランスで闘うPRO & デュラエース
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