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レースからロングライドまで、使用目的ごとに選べるように設計・企画されていることが特徴のアンカーのロードバイク。楽しみたい乗り方と自分のレベル、そして予算をもとにユーザーが自分に適したモデルを判断しやすいとも言える。ここではラインナップ7台の各モデルごとの特徴を解説する。藤田晃三さんによる解説を読みながら、自分に合ったアンカーのロードバイクを探してみよう。

藤田晃三さんが解説する アンカーが考えるロードバイクの選び方



剛性とジオメトリーオーダーを可能にした究極のカーボンフレーム

RMZ

ロードラインナップのフラッグシップ。ライダーとバイクが共に最高のパフォーマンスを発揮するために「パーソナルマッチング」のコンセプトを掲示し、カーボンラグを使った接着工法を採用することで剛性とジオメトリーのオーダーを実現する、世界でも稀なカーボンフレーム。専用に開発されたフィッティングマシンとPCソフトを駆使して、ライダーに最適な剛性と理想的なポジションを提案する。ハイモジュールカーボンを使ったフレームは、1-1/4インチ径のロワーベアリングを搭載したテーパードヘッドチューブ、インテグラルシートポストなど、最新のトレンドもしっかり反映している。

多くのライダーから支持されるバランスに優れたレーシング性能

RHM9 RS

チームブリヂストン・アンカーでも使用されるレディメイドモデルの最高峰。ハイモジュラスカーボンを3ピース構造によって仕上げたフレームは、必要とされるフレーム剛性に菱形や角形など、多様な断面形状を用いて対応。竜の爪を模した独自のドラゴンクローヘッドは、菱形に成型されたトップとダウンチューブを自然な形でヘッドチューブに融合させてフロント周りの剛性を最適化。スプリントにおける優れた加速感、ダウンヒルでの安定感ある走りを生み出した。一方で横扁平させたヘッドチューブとモノタイプのシートステーにより快適性も追求し、レーシングバイクに必要な性能を高次元でバランスする。

ハイドロフォーミングとフルカーボンフォークで
大幅に走行性能が向上

RCS6 Equipe

今年リニューアルされた、カーボンバックを搭載したエントリーグレードのアルミモデル。6061アルミにハイドロフォーミングを施し、レーシングモデルに求められる高剛性を得つつ軽量化。シートステーにカーボンバックを装備することでアルミ素材の弱点と言われる振動吸収性の悪さも緩和。フロント周りはロワーベアリングに1-1/4インチ径のベアリングを装備して、フロントフォークを含めたボリュームアップにより軽快な加速と高いスタビリティを演出する。さらに新設計のフロントフォークはコラムまでフルカーボンとなり、軽量化と乗り心地が向上。従来モデルに比べて大幅に性能がアップしている。

高性能をさらに手頃な価格で実現した
レース向きアルミフレーム

RA6 Equipe

レーシングモデルのボトムを受け持つ新型フルアルミフレーム。ハイドロフォーミングで整形された6061チューブセット、フルカーボン化された新設計のフロントフォークをはじめ、メインフレームのスペックは上位機種のRCS6から受け継ぐ。唯一の違いはシートステーまでアルミ素材を採用していること。心配される振動吸収性については、トルクロスを最小限に抑えつつ、路面からの突き上げを積極的に吸収するようシートステーを縦横に扁平加工を施して対応する。メインコンポはRCS6同様シマノ・105をフル装備。高性能なアルミフレームを可能な限り価格を抑えてユーザーに届ける。


アンカー最軽量を実現したカーボンロングライドモデル

RFX8 Equipe

カーボンフレームのサードグレードとなるモデル。上位機種がレーシング志向であるのに対して、ロングライドやヒルクライムをターゲットにする性能を追求した。ハイモジュールカーボン素材3ピース構造で製作したフレームは、アンカー最軽量の1000gを実現。RHM9シリーズからドラゴンクローヘッドを受け継ぐことで、山岳コースにおけるシャープにして安定感のある運動性能を両立している。細身のシートステーとシートチューブ側を薄く仕上げられたトップチューブの組み合わせによって、ロングライドに不可欠な優れた乗り心地も獲得。390㎜のスモールサイズを展開するのも魅力だ。

アルミ素材で目指した
最高のロングライドパフォーマンス

RFA5 Equipe

ロングライドなどに挑戦する入門者をターゲットに開発されたモデル。RFX8の優れた乗り心地とクライミング性能は、アルミ素材によって追求することで価格を大幅に抑えた。新設計のアルミフレームは、ダウンチューブとチェーンステーの外径をダウンさせたことで、アルミ素材が苦手とする振動吸収性の向上に加え、入門者に最適な剛性レベルを追求。でありながらアルミ素材のシャープな走りを表現するために、シートチューブは外径を上げてBB周辺の剛性の低下を防止。なおかつロワーベアリングに1-1/4インチ径を採用したヘッドチューブによりフロント周りの剛性が向上。軽快な操作性を実現している。

スチール素材の魅力を最大限引き出す
ネオコット形状を採用

RNC7 Equipe

登場から18年が経過して、今なおその基本設計を変えずにラインナップされるクロモリモデル不朽の名作。最適形状理論によって生み出される独自のネオコットフレームは、スチールの性能を最大限に引き出すためにチューブから自社で開発。バルジフォーミングと呼ばれる技術によってラグを兼備したチューブによって溶接時の熱劣化を防ぎ、接合面積を増加させることで剛性を高めている。さらに肉厚を無段階に変化できるスピニングバテッド加工の駆使によってチューブの軽量化も図られた。スチールならではの繊細さにネオコットの流麗な美しさを加えたその外観は、見事な機能美の結晶といえる。


ライダー紹介

左:佐野友哉、右:浅野浩一左:佐野友哉、右:浅野浩一
佐野友哉(さの ともや)
YOU CAN海老名店・店長→YOU CANホームページ
1981年9月2日生まれの29歳。身長175cm、体重58㎏。フランスのアマチュアチームでレース経験を積んだ後、ブリヂストン・アンカーに加入。03年には全日本実業団サイクルロードレースin石川で優勝。後にマトリックス・パワータグで3年活躍。2008年シーズンを最後にレース活動に終止符を打つ。体は細身だが現役時代はスプリントでの勝負を得意としていた。引退後は東京・神奈川・静岡・山梨に店舗を展開するサイクルショップYOU CANのスタッフとなり、今年5月から同グループ海老名店の店長となる。現在の愛車はフォーカス・イザルコ。

国内外、大小問わず数多くのブランドを扱っているYOU CANの店舗で店長を務めるだけに、バイク選びの目は非常にシビアだ国内外、大小問わず数多くのブランドを扱っているYOU CANの店舗で店長を務めるだけに、バイク選びの目は非常にシビアだ
浅野浩一(あさの こういち)
YOU CAN八王子店・店長→YOU CANホームページ
1978年6月17日生まれの33歳。身長168cm、体重53㎏。有力クラブチームのなるしまフレンドで頭角を表した後、現在宇都宮ブリッツェンの監督を務める栗村修氏、マトリックス・パワータグの真鍋和幸選手などが所属した当時の強豪実業団チーム、ミヤタ・スバルに加入する。現役時代には2000年にツール・ド・熊野で新人賞を獲得するなど、軽量な体を生かして上りのコースを得意としていた。引退後は2003年からYOU CANのスタッフとなり、現在は八王子店の店長を任されている。現在の愛車はスペシャライズド・ターマックSL3。

選手として多くレースを走った経験、そしてショップスタッフとして接客するユーザー目線を持つ2人だけに、アンカーの各モデルに的確なコメントを寄せてくれた選手として多くレースを走った経験、そしてショップスタッフとして接客するユーザー目線を持つ2人だけに、アンカーの各モデルに的確なコメントを寄せてくれた

提供:ブリヂストンサイクル株式会社 企画/制作:シクロワイアード