大幅なモデルチェンジによってブラッシュアップを遂げたPRINCEをインプレッション。小西裕介さん(なるしまフレンド)西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)さんという両名にリムブレーキの2グレードを試してもらった。その乗り味や価値とは如何に。

インプレッションライダーのプロフィール

小西裕介さん(左、なるしまフレンド)と西谷雅史さん(右、サイクルポイント オーベスト)小西裕介さん(左、なるしまフレンド)と西谷雅史さん(右、サイクルポイント オーベスト) photo:Makoto.AYANO
小西裕介(なるしまフレンド)

なるしまフレンド神宮店メカニックチーフ。長年実業団登録選手として活躍し、国内トップレベルのレーサーとしてホビーレースで数多くの優勝経験を持つ。レース歴は20年以上に及び走れるスタッフとして信頼を集めながらも、メカニックの知識も豊富で走りからメカまで幅広いアドバイスをお客さんに提供する。現在の愛車はDOGMA F10。いちピナレロファンとしての目線からも話を聞いた。

西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)

東京都調布市にある「サイクルポイント オーベスト」店長。チームオーベストを率い、自らも積極的にレースに参戦。過去にはツール・ド・おきなわ市民200kmや、ジャパンカップオープンレースなどの国内ビックレースにて優勝を経験。2016年にはニセコクラシック年代別優勝も果たし、今なお衰えを知らない”最速店長”の一人である。

PRINCE FX&PRINCEインプレッション

西谷雅史:「レーサーバイクらしい味付け。高速域になるほど活きる」

「レーサーバイクらしい味付け。高速域になるほど活きる」西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)「レーサーバイクらしい味付け。高速域になるほど活きる」西谷雅史(サイクルポイント オーベスト) photo:Makoto.AYANO
―今回はPRINCEの2グレードを乗り比べてもらいました。小西さん、DOGMAと比較してその乗り味はいかがでしたか?

小西:個人的には2台とも好みで好印象でしたね。どちらもF10よりハンドリングがニュートラルで扱いやすくて、初めての方でも癖なく乗りやすいのかなと感じます。そして2グレード間には明確な差があって、上級グレードのFXは全てにおいてシャープ。どちらもレーサーバイクらしい基本的な味付けは変わりませんが、FXは1世代前のGAN RSよりもレーサー色が薄れて幅広く乗りやすくなったでしょうか。

西谷:私は完全にレーサー寄りの味付けに感じましたね。どっしり安定志向だから正直なところ低速域ではダンシングの振りなどに重さがあるんだけど、20、30、40km/hと速度を上げていくとすこぶる良いんですね。どんどん伸びていく様子がすごく心地良くて、低速域で感じる重さは高速コーナーではビシッと安定する要素になる。「あ、このスピード域だとこんなに豹変するんだ」と驚きました。乗り心地もハンドリングもスピードが出て初めて活きるものなので、そういう嗜好を持つ方でないとPRINCEの真価は見えてこないかもしれない。

「ノーマルグレードの走りもピュアレーサー」小西裕介(なるしまフレンド)「ノーマルグレードの走りもピュアレーサー」小西裕介(なるしまフレンド) photo:Makoto.AYANO
「DOGMAよりもずっと乗りやすい。空気の抜けの良さを感じる」小西裕介(なるしまフレンド)「DOGMAよりもずっと乗りやすい。空気の抜けの良さを感じる」小西裕介(なるしまフレンド) photo:Makoto.AYANO―西谷さんがレースバイクとして使うのであれば、どういったコースでメリットがあると思いますか?また、小西さんのお考えは?

西谷:ハイスピードのロードレースが良いですね。群馬とか、サーキットレースとか。登りがめちゃめちゃ厳しい修善寺は違いますね。スピードが絶えず落ちないようなレースであればすごく良いなと思います。

小西:うーん。僕の場合、今はレースから離れているんですが、でも走るからにはスピードを上げて、心拍も上げて、スポーツとしてロードバイクに向き合いたいんですね。休日的にもソロライドが多いので、そうなると空力が良くて、レーシーな走りに応えてくれるバイクで遠くまで走りたいな、っとなってF10を買いました。

そうすると空力が良いからちょっとした下りでも脚を溜められて、その分10km、20kmと更に遠くに行ける。エアロロードなのにオールラウンドな性能を持っているピナレロならではの魅力だと思いますし、PRINCEもそうしたニーズに応えてくれると思いますね。僕はFXではないノーマルPRINCEでも登り性能は悪くないと感じましたし、お客様に勧めることができます。

小西裕介:個人的に選ぶならイタリアンバイク。"らしさ"はPRINCEにも息づく

―2モデル間の差は、価格を考えると大きいですか?それとも少ないですか?

「価格差10万円だったら僕はより高級感あるFXを選ぶ」西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)「価格差10万円だったら僕はより高級感あるFXを選ぶ」西谷雅史(サイクルポイント オーベスト) photo:Makoto.AYANO
西谷:今回はほぼ同じ完成車スペックで乗り比べましたが、この2台の価格差って10万円以下なんですよね?だったら僕は、良く走るし塗装や表面処理の高級感もあるFXを選びたい。趣味のアイテムに関して所有欲っていうのは大事ですから。

小西:FXのデュラエース完成車だと100万円ですが、試してみたいですよね。ピナレロっていつの時代も革新的なイメージですが、一方でBBをスレッド規格に戻したり、フレームサイズによっては引きが悪くなるダイレクトマウントブレーキを見送ったり、ハンドルの形状を変えなかったりと革新と保守を上手くミックスしているので好感がもてます。乗り出し価格を抑えるためにあえてエントリーグレードのホイールが付いているのもユーザーフレンドリーだと言えるでしょう。

「アメリカンバイクよりも、やっぱり僕は所有欲のあるイタリアンバイクを選びたい」小西裕介(なるしまフレンド)「アメリカンバイクよりも、やっぱり僕は所有欲のあるイタリアンバイクを選びたい」小西裕介(なるしまフレンド) photo:Makoto.AYANO
今はアメリカンブランド全盛の時代ですが、僕はやっぱりイタリアンバイクに乗りたい。レース用ならスペシャライズドやトレックも素晴らしいですが、せっかく休みの日に乗るんであれば所有欲だったり、艶っぽさのある方が好きですね。そういうストーリーもピナレロの価値ですし、PRINCEもDOGMA同様に所有欲を満たしてくれるバイクだと感じました。

西谷:本当ですね。今はもう丸パイプの自転車に高いお金を出そうとは思わなくなった自分がいます。今回のモデルも普通の人なら100万円と言われても納得するでしょうし、例えばここ。ハンドルを切った時に見える、フォーククラウン裏側のペイントも憎いじゃないですか。正直PRINCEと言えばPRINCE CARBONだった頃のイメージが強いのですが、新世代のピナレロを垣間見た気がしましたね。

インプレッションバイク スペック

ピナレロ PRINCE FX シマノULTEGRA完成車

ピナレロ PRINCE FX シマノULTEGRA完成車ピナレロ PRINCE FX シマノULTEGRA完成車 photo:Makoto.AYANO
フレームサイズ44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5、62(CC)
カラー711 GRADIENT VULCANO、714 RED WHITE、712 GRADIENT FLUORITE
コンポーネントシマノ R8000系アルテグラ
ホイールシマノ WH-RS100
ハンドル・ステムMOST アルミ・エアロ
バーテープMOST UGバーテープ
サドルフィジーク・アンタレス R7
税抜価格528,000円

ピナレロ PRINCE シマノULTEGRA完成車

ピナレロ PRINCE シマノULTEGRA完成車ピナレロ PRINCE シマノULTEGRA完成車 photo:Makoto.AYANO
フレームサイズ44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5、62(CC)
カラー715/CARBON RED、716/BOB、717/WHITE ORANGE
コンポーネントシマノ R8000系アルテグラ
ホイールシマノ WH-RS100
ハンドル・ステムMOST アルミ・エアロ
バーテープMOST UGバーテープ
サドルフィジーク・アンタレス R7
税抜価格435,000円
提供:ピナレロジャパン 制作:シクロワイアード編集部