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ブランド創始から135年を迎えたルコックスポルティフ。フランスの歴史あるアパレルブランドが、ベルギーの実力派レーシングウエアであるビオレーサーとコラボレーションし、高機能なウィンタータイツをラインアップに加えた。ヨーロッパに名を馳せる2社が手を組む、その理由と、彼らが生み出したプロダクトの実力に迫るスペシャルコンテンツをお届けしよう。

ルコックスポルティフ その歴史は自転車競技とともに

1951年のツール勝者、ユーゴ・コブレ1951年のツール勝者、ユーゴ・コブレ (c)le coq sportif
フランスを代表するスポーツアパレルブランド、ルコックスポルティフ。かのブランドが産声を上げたのは、フランスでも多くのメリヤス製品職人を輩出してきたロミリー・シュール・セーヌ地方でのことだった。職人の一人であったエミール・カミュゼ。メリヤス製品、そしてスポーツに対する情熱を持った彼が生み出したのが、135年の長きにわたって続くこととなるルコックスポルティフである。

サッカー、テニス、ゴルフなど、多くのスポーツにおいて、ルコックスポルティフの象徴である、雄鶏のマークを見ない日はない。積み重ねてきた歴史の中で培ってきたテクノロジーによって、様々な競技で数多のチャンピオンを生み出してきた。

ツール・ド・フランス2017 総合優勝を果たしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) その肩にはルコックスポルティフのロゴがツール・ド・フランス2017 総合優勝を果たしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) その肩にはルコックスポルティフのロゴが photo:Kei Tsuji / TDWsport
マイヨヴェールを獲得したマイケル・マシューズ(サンウェブ)がオーストラリア国旗とともにマイヨヴェールを獲得したマイケル・マシューズ(サンウェブ)がオーストラリア国旗とともに photo:Makoto.AYANO新人賞を獲得したサイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)新人賞を獲得したサイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) photo:Makoto.AYANO


そして、その栄光ある歴史は自転車競技と常に共にあり続けてきた。世界最高のロードレースたるツール・ド・フランス。3週間に渡り、ただ力の限界まで振り絞って戦い続けるサイクリストたちの頂点に立つリーダージャージを1951年からほぼ40年間作り続けてきたのは、他ならぬルコックスポルティフなのだ。

90年代からしばらくは他ブランドがジャージを提供してきたが、2012年から再びルコックスポルティフが各リーダージャージを手掛けることに。今シーズンもASOが主催する全レースの各賞ジャージの胸元には雄鶏のマークが輝いていた。

勝利のための一着を創るベルジアンピュアレーシングブランド ビオレーサー

ベルギーナショナルチームが採用するビオレーサーベルギーナショナルチームが採用するビオレーサー photo:Kei Tsuji / TDWsport
さて、そんな栄光に満ちた歴史を歩んできたルコックスポルティフが今回、パートナーとして指名したのが、ベルギーのサイクルアパレルブランド・ビオレーサーだ。1984年に開発されたバイクフィッティングシステムに起源をもつブランドであり、現在では勝利のためのサイクルアパレルを開発するベネルクスのリーディングカンパニーである。

産官学一体となって開発するビオレーサーのレーシングアパレルには、最先端のテクノロジーとマテリアルが詰め込まれており、プロ・アマを問わずレーサーからの圧倒的な支持を受けている。年間9,000を超えるチームのジャージを手掛ける中には、強豪選手を擁するベルギー、オランダ、ドイツのナショナルチームも含まれており、数え切れないほどの勝利を掴み取ってきた。

プロの認める性能があなたの手に ルコックスポルティフ×ビオレーサー


ルコックスポルティフとビオレーサー。積み重ねてきた時間の多寡はあれども、輝かしい歴史を持つ2つのアパレルブランドが今回コラボレーションすることになったのはなぜか。日本においてルコックスポルティフのサイクルラインをプロデュースする井上大平氏は、ルコックスポルティフの持つ、一つのフィロソフィーが理由だと語る。

「最高の性能をビギナーにも届けたいから、今回のコラボレーションを企画したんです」とルコックスポルティフの井上大平氏「最高の性能をビギナーにも届けたいから、今回のコラボレーションを企画したんです」とルコックスポルティフの井上大平氏 photo:Makoto.AYANO
「ルコックスポルティフが掲げる価値の一つに『ACCESSIBILITY』というものがあるんです。トップアスリートが本番のレースで使うプロダクトを一般のユーザーにも使ってもらいたい。手頃な価格でプロの世界の一端を体感してほしい。そういった思いがルコックスポルティフのラインアップに通底する哲学で、それは創業時から今に至るまで変わっていません。

サイクルウェアでは、トップスはマイヨジョーヌをはじめプロライダーが満足する製品を供給しています。それに比べるとボトムスが弱かったのが、これまで抱えてきた問題でした。そこを強化する目的で、今現在最高のタイツを作っているメーカーとのコラボレーションを企画したのです」

ルコックスポルティフとビオレーサーのロゴが並び立つルコックスポルティフとビオレーサーのロゴが並び立つ photo:Makoto.AYANOだが、なぜ数多あるアパレルブランドから選ばれたのがビオレーサーだったのか。「とてもシンプルな理由で、多くのトッププロ達がビオレーサーを着用しているから。極限を知る彼らが履き続けるという事実が、ビオレーサーの性能と信頼性を証明しています。ACCESSIBILITYの理念に最も近いのがビオレーサーとのコラボレーションだったんですよ」

勝利を追求するプロが求める性能を手の届きやすいプロダクトとして送り出す。一般サイクリストにとっては夢のようなコラボレーションがこの秋冬モデルとして発表したのは2つのタイツ。一つはビオレーサーの誇る最先端素材「テンペスト」を使用した極寒に対応するビブタイツ、もう一つは国内ライダーの最初の冬物としてぴったりな肩ひも無しのウィンタータイツだ。

シリアスライダーもビギナーも シチュエーションに合わせて選べる2つのタイツ

TEMPEST BIB TIGHTSTEMPEST BIB TIGHTS (c)le coq sportif
今回発表されたのは、ハイエンドとなる「TEMPEST BIB TIGHTS」と扱いやすさを重視した「TEMP CONTROL TIGHTS」の2つ。どちらもビオレーサーの手によって製造された高機能ウィンタータイツとしてデビューした。

両者に共通するのはパッドだ。過酷な環境で走り続けるプロレーサーからの支持も厚いビオレーサーオリジナルのパッドを2モデルとも採用する。その快適性は折り紙付きで、他社のサポートを受ける選手が秘密裏に交換するという逸話が語られるほど。

ビオレーサーが誇るオリジナルパッドビオレーサーが誇るオリジナルパッド photo:Makoto.AYANO単一の素材ながらも部位によって密度を変更することでクッション性を確保している単一の素材ながらも部位によって密度を変更することでクッション性を確保している photo:Makoto.AYANO


とはいえ、見た目はとてもシンプル。ワンピースのフォームを採用しているため、近年主流の3Dパッドを見慣れた人の目には少し不安に映るかもしれない。だが安心してほしい、そこにはしっかりとした理由がある。

ビオレーサーCOOのダニー・セジャース氏ビオレーサーCOOのダニー・セジャース氏 (c)le coq sportif「3Dのパッドを各社が採用する理由は、通気性とクッション性を両立するためです。でも、3Dで形づくるために溝をつけてしまうと、フィットが失われてしまい、パッドと身体に隙間ができてしまう。隙間ができることによって、股ずれなどのトラブルが起こってしまうんです。

ビオレーサーはあるべきところにクッションが当たるように、フィッティングを大切にしています。そのために、ワンピースのパッドを採用しています。一方で、表面のディンプル加工によって通気性を確保し、低反発素材を部位によって密度を変えることで高いクッション性を実現しているのです」と語るのはビオレーサーCOOのダニー・セジャース氏だ。

そして、こだわりが詰め込まれたパッドは、職人の手によってタイツへ装着される。あるべきところへパッドが収まる、そのためにビオレーサーは一着一着、裏返したタイツをマネキンへセットし、一つ一つパッドを縫い付けていくのだ。

「本当によく考えられているな、と感じますよ」とは井上氏の弁。「着用した時に本当にしっくりくる。脱いだ状態だとパッドが畳めなかったり、縫い目も余っているように見えたりするんですが、いざ脚を通してみるとピタッと収まるんですよ。余ることも突っ張ることもなく、身体を包み込んでくれる」

高性能なパッドの性能を100%引き出すのが縫製だ高性能なパッドの性能を100%引き出すのが縫製だ photo:Makoto.AYANOショーツをマネキンに被せた状態でパッドを縫い付けるショーツをマネキンに被せた状態でパッドを縫い付ける (c)Clannote


着用したときにもっとも自然なフィーリングになるようなパネリングが施される着用したときにもっとも自然なフィーリングになるようなパネリングが施される photo:Makoto.AYANOシームレスであたりを感じづらいヒールループシームレスであたりを感じづらいヒールループ photo:Makoto.AYANO


ビオレーサーの誇るパッドとフィッティング。サイクリングタイツとして最も重要な性能はこの2モデルで共通だ。一方で異なるのは、使用される素材だ。

上位モデルであるTEMPEST BIB TIGHTSは最新の防寒素材である「テンペスト」をメインファブリックとして使用する。こちらのファブリックは優れた防寒性能、そして防風はっ水機能を持ちながらも、4方向へとストレッチする最新素材で、真冬のライドをものともしない快適性を実現している。

一方のTEMP CONTROL TIGHTSに使用されるのは2WAYビオストレッチホットと呼ばれるファブリック。適度な保温効果を持ちつつも、ペダリングに追従するストレッチ性を持つ素材で、10℃前後の気温で活躍する使い勝手のいい一着だ。こちらは、ビブなしのタイツとなっているため、着用しやすいのもビギナーには嬉しいポイントだろう。

ルコックスポルティフ×ビオレーサー コラボレーションタイツスペック

TEMPEST BIB TIGHTS

TEMPEST BIB TIGHTSTEMPEST BIB TIGHTS (c)le coq sportif
サイズS/M/L/O
素材テンペストビオボンディング
原産国ルーマニア
税別価格29,000円

TEMP CONTROL TIGHTS

TEMP CONTROL TIGHTSTEMP CONTROL TIGHTS (c)le coq sportif
サイズS/M/L/O
素材2WAYビオストレッチホット
原産国ルーマニア
税別価格18,000円

提供:ルコックスポルティフ 製作:シクロワイアード text:Naoki.Yasuoka