前後120mmトラベルの完全新設計モデル ONE-TWENTY

ONE-TWENTY 7.XT EDITIONONE-TWENTY 7.XT EDITION
メリダ2015年モデルの中での最注目がこのONE-TWENTY。軽量でトラクションに優れたヒルクライム、シングルトラックでの軽快なハンドリング、超高速でも安定したダウンヒル性能など、オールマウンテンMTBに求められる要素を妥協無く実現した、27.5インチホイール装備のアルミバイクだ。

新型ONE-TWENTYの最たる特徴の一つは完全新設計されたフレームによる新しいジオメトリーだろう。74.5°と、よりスティープなシートアングルはダウンヒルのみならずヒルクライムでも楽しさを提供。シングルピボットと「FLOAT LINK」を組み合わせた独自のM.O.R.Eシステムは、フルサスバイクに起こりがちだったボビングやダウンヒルでのダイブを解消し、トラクションに優れた走りを可能に。27.5インチ化したことでエンデューロからツーリングまで、幅広い用途に対応するようになった。

リアスイングアームのフォルムを見る。リアは12mmスルーアクスル仕様だリアスイングアームのフォルムを見る。リアは12mmスルーアクスル仕様だ
フレームはアルミ製。溶接痕も滑らかに処理されているフレームはアルミ製。溶接痕も滑らかに処理されている
シングルピボットと「FLOAT LINK」を組み合わせた独自のM.O.R.Eシステムシングルピボットと「FLOAT LINK」を組み合わせた独自のM.O.R.Eシステム

リアエンドは剛性の強化とホイール脱着時に確実な位置にローターをマウントできるよう最新の12mmスルーアクスル化が行われた。リヤエンドのベアリングはダブル仕様となりピボット剛性を強化。これによって、スムースな動きだけでなく、ノイズの少ない快適なブレーキングすら手に入れている。更に独自の「DOUBLE STOP」ケーブルマウントでサスペンションの動きによる予期しないゴーストシフトを解消。オフロードツアラーとしての基本設計を突き詰めながら、トレイルでの楽しさを最大限に追い求めたバイクに仕上げられている。

今回テストした上級モデルの「ONE-TWENTY 7.XT EDITION」は、コンポーネントにシマノXT、フロントサスペンションにFOX Floatを装備。299,000円という値段を達成したハイコストパフォーマンスモデルだ。

インプレッション

朝倉 : 一言で言ってしまえば「これ買って下さい」です(笑)。MTBって速さを競うのももちろん楽しいんですが、元はと言えば"楽しさ"を追い求めて完成されたジャンル。つい軽さを追い求めてしまうためピュアレーシングモデルに目が行きがちですが、このバイクはレースに出ない方のベストバイモデルと言い切ってしまって構いません。

「レースに出ない方のベストバイモデル。滑らかに路面に追従するから安定感とトラクションに秀でている」「レースに出ない方のベストバイモデル。滑らかに路面に追従するから安定感とトラクションに秀でている」
27.5インチ化したこともそうですが、その最たる特徴はフロートリンクによるリンクの動きと、ボビングの少なさです。無駄な動きが無いためサスペンションをしっかりと使うことができ、通じて一般的な120mmトラベルのバイクよりも深くボトムするような感覚がありました。従来のONE-TWENTYよりも一躍進化を遂げており、レジャーを楽しみたい方には最適でしょう。

鈴木 : 流行りはじめのエンデューロ用の下り寄りなバイクという先入観をもって乗りました。もちろん下りの性能は抜群に優れているのですが、登りが非常に速いんです。朝倉さんもおしゃっていますがサスペンションによる走行ロスが少ないので、まるで地面を這うような安定感とトラクションが魅力的ですね。

通じて下りでも速いし、常にタイヤが接地しているからブレーキも良く効く。楽に、かつ安全に下りをこなせるバイクと言えるのではないでしょうか。非常に質の高い、推進力に繋がるリアサスの動きが特徴。サスペンションと言えば下りのためにあると思いがちですが、実は登りでも役に立ってくれます。XCバイクと一緒に走っても全く問題ないでしょうね。そのくらいの走りを楽しむことができました。

新基軸を切り開く27.5インチハードテイル BIG-SEVEN

BIG-SEVEN TEAMBIG-SEVEN TEAM
BIG.SEVENはマルチヴァン・メリダバイキングチームと共に、長い期間をかけて開発されたトップレベルの27.5インチハードテイルレーシングバイク。

XCO世界選手権の過酷なコース設計に耐え勝利をもたらすために、メリダの誇る様々なテクノロジーがフル投入されいる。ヘッドチューブはアウトバテッドした形状と下側ワンポイントファイブの大口径ベアリングを採用することで、フロント周りの剛性を強化しており、ハンドリングとブレーキング性能の向上を果たしている。シートステイとチェーンステイは快適性を高めるバイオファイバーを用いて扁平に加工され、マイクロサスペンションとして作用することで、高い衝撃吸収性と、トラクション性能を獲得している。

シートステイとチェーンステイには快適性を高めるバイオファイバーが用いられているシートステイとチェーンステイには快適性を高めるバイオファイバーが用いられている マルチヴァン・メリダバイキングのチームバイクであることを示すレプリカカラーを纏うマルチヴァン・メリダバイキングのチームバイクであることを示すレプリカカラーを纏う 屈曲を設けることで路面からの突き上げをカットし、スタビリティも確保している屈曲を設けることで路面からの突き上げをカットし、スタビリティも確保している


リアエンドは14mmスルーアクスルと142mm幅のワイドリアエンドを採用し、リア三角の剛性を高めることでペダリングロスを軽減した。各チューブ内にはリブが設けられており、曲げや捻じれに対して強くなっているとともに軽量化にも貢献している。また、カーボンチューブに使用されるエポキシ素材に、ナノテクノロジー素材を配合して強度を高めたナノマトリクスカーボンを使用。飛び石などの衝撃にも強く、耐久性の高いフレームとして完成した。

今回のテストバイクはSRAM XX1を搭載したプロスペックの「TEAM」。完成車重量8.9kgという超軽量モデルだ。

インプレッション

鈴木 : このBIG-SEVEN TEAMは私も選んでレースで使っているモデルです。特徴はやはり純然たるレーシングXCバイクであること。バイクの動きが非常に俊敏で、これは他社の同グレードバイクと比較してもかなり際立つ部分ですね。路面からのインフォメーションもかなりダイレクトですから、自分がしなくてはならない動作がはっきりと分かる。とてもコントローラブルですからトレイルでスゴく面白いし、自分の動作がはっきりと路面に伝えることができるんです。自らムーブを作っていくようなスタイルのライダーにとっては最適な性能があります。

「非常にコントローラブル。路面の凹凸を掴みやすく、乗り手の動きを伝えやすい」「非常にコントローラブル。路面の凹凸を掴みやすく、乗り手の動きを伝えやすい」
朝倉 : とても硬く、ダイレクトで、かつ軽いレーシングMTB、という言葉がぴったりと当てはまります。ワールドカッパー向けのレーシングマシンですからかなり剛性が高いですね。26インチのようにカッチリし
ていて、それでいて27.5インチだけに速い。

でも僕らのようなホビーレーサーが乗るのであれば、一つ下のグレードをお勧めしたいんです。重量こそかさみますが肉厚なぶん優しさがプラスされていて、とても乗りやすい。バランスもとれていますし、コストパフォーマンスも良い。全体的に楽しさのあるバイクだと思います。

インプレッション総括

—今回はロードからMTBまでを乗り倒してもらいましたが、総括してどういう印象を持ちましたか?

朝倉 : ドイツに開発拠点を置くメリダですから、開発段階で非常に数値にこだわっていますし、実際に乗ってみてもそれを感じるだけの性能があります。開発から生産までを全て自社で行っているからこそ品質も安定するし、コストパフォーマンスも素晴しいし、モデルの継続年数も長いので時代遅れにもなりにくい。継続年数の長さはつまり性能の高さを物語っていますよね。だからユーザーさんが購入する場合にもどこか安心感があると思うんです。


「バイクのテーマ通りの性能を実現しているということは、通じて技術力の高さを現している」「バイクのテーマ通りの性能を実現しているということは、通じて技術力の高さを現している」 鈴木 : メリダのバイクは個々のキャラクターがすごく立っていて、それが乗ってもすぐに伝わってくる。例えばロードバイクで言えば、速さならREACTOで、快適性や乗り味の軽さならRIDE、そして自転車との一体感を味わいたいならSCULTURA。テーマ通りに作られているということは、通じて技術力の高さを現しているのだと思います。これはとても感心できる部分でした。

「どのバイクもそれぞれ性能がバランス良くまとまっていて、かつエントリーモデルにも妥協が無い」「どのバイクもそれぞれ性能がバランス良くまとまっていて、かつエントリーモデルにも妥協が無い」 朝倉 : どのバイクもそれぞれ性能がまとまっていて、あえて悪いように言えばそこまで尖っていません。だからマニア層からの受けこそ狙えないとは思いますが、一般的な方だったら所有できるのは1台ですよね?だったら目的に応じたバイクチョイスをしながらも、その一台が実はどんな目的や用途にも幅広く対応してくれる。そんな許容範囲の広さがメリダバイクの特徴ではないでしょうか?

またミドルグレード以下のモデルでも妥協無く作られていますから、どのバイクでもパーツのグレードがフレームを上回っていることがありません。だから初めての方が20万円ほどの完成車を選んで、そこからパーツをグレードアップさせても自転車全体のバランスが崩れないんです。塗装も非常に丁寧に行われていますし、見た目で気に入って購入したとしても外れがない。それがメリダの魅力だと言えますね。

提供:ミヤタサイクル 作成:シクロワイアード編集部