参加者を楽しませることを第一に全てのイベントが企画される、カクタスカップ in 峰の原。今年は高原ルートを結ぶロードツーリングが新たに企画された。サポート体制も万全のツーリングに同行したスタッフのレポートをお届けしよう。

今年は絶景のオンロードツーリングが開催された今年は絶景のオンロードツーリングが開催された

今年が初開催のロードツーリング

昨年の大会では、会場周辺に広がる豊富な自然のシングルトラックを進む、オフロードツーリングが行なわれカクタスカップ。今年は周囲の絶景を巡る舗装路だけのロードツーリングに変更された。

カクタスカップの会場周辺はスキーリゾートだ。だからどちらに向かっても、アップダウンのある一般道が続く。これは軽量なロードバイクでないと、あるいはある程度足に憶えがないと参加するのはツライ行程なのかというと、まったくそんなことはない。

この日がスポーツバイク初体験「このグローブもさっき会場で買ったんです」この日がスポーツバイク初体験「このグローブもさっき会場で買ったんです」 キッズライダーも元気に参加!キッズライダーも元気に参加!


地元の道と絶景ポイントを知り尽くしたペンション経営者と、毎回参加者を楽しませることにかけては一流のコラテックライダー、御子柴さんによる巧みなコース設定で、ゆったりと参加者のペースに合わせて進んでいくので、ご安心を。時間もルートも全体を通して無理のない設定は、昨年のMTBツーリングにも共通した、カクタスカップの伝統ともいえるものだ。


贅沢なサポートライダー陣と万全のサポート体制

土曜日に行なわれたツーリングは、コラテックサポートライダーの御子柴さんが先導を努め、他にもマウンテンバイクライダーで「やまめ工房」というMTBスクールを主催する堂城 賢さん、元プロロード選手で現在はロードチーム「チームマッサ」の監督を努める三船雅彦さんも伴走するという、豪華メンバーと一緒に行なわれた。

御子柴さんや堂城さんがツーリングに同行御子柴さんや堂城さんがツーリングに同行 三船さんもしっかりと参加者をサポート三船さんもしっかりと参加者をサポート


加えて参加者の後方にはマイクロバスが伴走し、もし途中でトラブルや体調不良に出くわしても、迅速なサポートができるよう、万全の体制がとられている。

全体のルートを簡単に説明すると、メイン会場の峰の原高原スキー場をスタートし菅平高原の緑の深い峠道を抜け、群馬県と長野県の県境に位置する鳥居峠を目指す。そこから高原レタスの広大な畑が広がる絶景の道路を通って、嬬恋パノラマラインの途中にある名物スポット「愛妻の丘」を目指す、約31kmのコースとなる。

この距離はじつはこのルートの片道だけの距離となる。それというのも今回のツーリングは、目的地の愛妻の丘にたどり着いたら、そこでみんなでお弁当を食べながらの昼食タイム。そして帰りは自転車を主催者のトラックに預け、参加者はマイクロバスでメイン会場に帰ってくるという、こちらもなんとも贅沢なプランだ。


マイナスイオンが気持ちよい高原ルートに出発

さて出発する前に忘れてはいけないのが準備体操。MTBスクールを主催する堂城さんのとても丁寧な指導のもと、まずは参加者全員でストレッチ。身体も少しほぐれたところで、一列になってスタートする。

まずはみんなで準備体操で軽くストレッチまずはみんなで準備体操で軽くストレッチ 気持ちよい高原のスキーリゾートを抜けて出発気持ちよい高原のスキーリゾートを抜けて出発


高原の心地よさに参加者からは笑顔が絶えない高原の心地よさに参加者からは笑顔が絶えない 走り出してしばらくは、原生林の生い茂る峠の道を行く。クルマも少なくアップダウンも少なめの道で、走り出しのウォーミングアップと山道に慣れるには、ちょうどいいルートだ。それに何より高原の空気は気持ちよく、マイナスイオンを全身で浴びながらツーリングは進んでいく。
もちろん峠道なので上り下りはあるものの、早くも参加者のみんなから笑顔が絶えない。これこそがこのツーリングの最大の目的というわけだ。


鳥居峠から広大な高原野菜畑へ

さらに進むと通行量のやや多い国道と合流する。ここから鳥居峠までは上り基調となった、このルートのちょっとキツい部分だ。グループがバラけてきたが、押しが入るほどではない。やや遅れ気味の参加者には、三船さんや堂城さんがしっかりと伴走して完全サポートの体制。う〜ん、なんという贅沢。

各ポイントではこうして停まって、軽い休憩とルート説明が行なわれる各ポイントではこうして停まって、軽い休憩とルート説明が行なわれる 上りで三船さんを従えて走るキッズ。三船さんいわく「上りで引いてもらってます」とのこと上りで三船さんを従えて走るキッズ。三船さんいわく「上りで引いてもらってます」とのこと


この上りをクリアすると鳥居峠に到着する。この鳥居峠は、ルートによってはかなり長い上りを延々と進むハードな行程となるのだが、今回は意外にあっさりと到着。正直なところ「もうここまで来たの?」という感じで、標高1,362mの峠に到着したのだった。一行はここでバナナ休憩と、記念撮影を済ませ、この先の絶景ポイントに進む。

最初の上りをクリアしてバナナ休憩。満足〜最初の上りをクリアしてバナナ休憩。満足〜 標高1,362mの鳥居峠で記念撮影標高1,362mの鳥居峠で記念撮影


鳥居峠からすぐ先には、それまでの原生林が生い茂る峠道とは一変して、広大な高原野菜の畑が広がっていた。緩いアップダウンで続く道と、先まで見通せるその広大な景色は、まるでヨーロッパの田園風景のよう。この日は一行が到着した時点で生憎霧が立ちこめてしまったが、かえってそれが幻想的な風景となって広がっていた。
峠道で少し疲れたところだが、おそらく参加者の大半がこの景色で疲れも吹き飛んだことだろう。

それまでの峠道からは想像もつかないほど、広大な風景が広がっていたそれまでの峠道からは想像もつかないほど、広大な風景が広がっていた
まるで空へと続くような一本道まるで空へと続くような一本道 立ちこめた霧が幻想的な風景を作り出していた立ちこめた霧が幻想的な風景を作り出していた


愛妻の丘目指して最後の上りにチャレンジ!

畑を抜けると、あとはこの日の目的地「愛妻の丘」目指して進む。そこに至る上りは斜度こそ緩いものの、距離が長く、また遠くまで続く上りが見通せる。ここまでの疲れが出てきたのか、やや遅れ気味の参加者も。そんなときに絶妙のタイミングで参加者に声をかけ、温かく見守るのはサポートライダーの堂城さん。上りで頑張り過ぎない走り方をレクチャーしながら、初心者の女性を励ましていた。

最後の上りで疲れ気味の参加者を、三船さんがしっかりサポート最後の上りで疲れ気味の参加者を、三船さんがしっかりサポート 上りで頑張りすぎない走り方をレクチャーする堂城さん上りで頑張りすぎない走り方をレクチャーする堂城さん


ゴール目前にしてちょっと空模様が怪しくなってきたゴール目前にしてちょっと空模様が怪しくなってきた この日最年少の小学生ライダーは少し休みながらも、マイペースで頑張っている。後方では主催者のマイクロバスが参加者を追い立てないようにゆっくりと伴走している。
そしてサポートライダー、主催者の温かく確実なサポートの甲斐あって、キッズライダーを含む参加者全員が、脱落者もなく自走でゴールの愛妻の丘に到着。ここまでなんとか降らずに保っていた空模様も、少し怪しくなってきた。


マイクロバスで参加者みんなで昼食

目的地の愛妻の丘は、その先に浅間山が見通せる絶景スポット。のハズだったのだが、この日は一行が到着した途端に雨が降り出してしまった。
本来ならここで素晴らしい景色を見ながらの、気持ち良い高原お弁当タイムとなるところだったのだが、一行は雨を避けてマイクロバスの中で昼食をとることに。
残念ながら絶景はお預けとなってしまったが、全員の到着直後に雨が降り出したので、参加者はほとんど雨に濡れることなくバスに待避できたのは幸いだった。

愛妻の丘に無事に到着!愛妻の丘に無事に到着! キッズライダーも自力で完走!!お疲れさま!キッズライダーも自力で完走!!お疲れさま!


頑張ったあとは、待望のお昼ご飯頑張ったあとは、待望のお昼ご飯 残念ながら到着の途端に雨となったので、みんなでバスの中でお弁当。いい笑顔してます!残念ながら到着の途端に雨となったので、みんなでバスの中でお弁当。いい笑顔してます!


参加者はマイクロバスでメイン会場に戻り、そして皆さんの自転車は主催者により毛布にくるまれて大切にスタート地点まで運ばれた参加者はマイクロバスでメイン会場に戻り、そして皆さんの自転車は主催者により毛布にくるまれて大切にスタート地点まで運ばれた 今回のツーリング参加者の大半はMTBでの参加。当日は小学生を含むキッズライダーや、友人の自転車を借りて、この日がスポーツバイクデビューという初心者もいたが、それを見越した時間配分と無理のないルートを用意するあたりは、地元密着型イベントのカクタスカップならでは。

ビギナーも子供たちも全員が完走した高原ツーリングは、参加者だれもが満足のイベントとなった。来年はぜひ絶景ポイントも満喫できることを祈ろう。



text&photo:Takashi Kayaba

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