前作『サクリファイス』は5万部を突破し、自転車に興味のない一般の読者にサイクルロードレースの醍醐味と怖さを存分に知らしめた。近藤史恵の新作長篇『エデン』は、サクリファイスの続編にあたる。

日本からフランスのチームへ飛び立った主人公が、いよいよ世界最高峰のレース「ツール・ド・フランス」に挑む。奇しくも日本人2人が13年ぶりにツールに出場し、完走を成し遂げた記憶が新しい今、この出版はなんともタイムリーだ。
「サイクリストの皆さんには『小説でツールがこんなふうに描けるとは』と驚いてほしいと願っています」と、新潮社の担当者は話す。

『エデン』 近藤史恵・著『エデン』 近藤史恵・著 (c)新潮社

『エデン』
近藤史恵・著 定価1470円(税込)3月26日発売 新潮社刊
書籍(単行本) ISBN:978-4-10-305252-4 C-CODE:0093


【内容紹介】

ひとりの栄光の陰に、たくさんの犠牲がある。
でも、もう迷わない。いま立っているこの場所こそが、僕にとっての「楽園」なのだ――

サイクルロードレースの世界を描ききって大反響を呼んだミステリ長篇『サクリファイス』、待望の続編が登場!

前作『サクリファイス』のラストから数年後。フランスのチームで走る白石誓(しらいし・ちかう)は、世界最大のロードレース、ツール・ド・フランスに挑むことになった。日本人としては二人目となる快挙である。

だが、レースの開始直前になって、衝撃的なニュースがもたらされる。スポンサーが降りて、このチームは今期で解散が決まったというのだ。今後、別のチームとの契約が取れるかどうか、気をもむ選手たち。

そして少しずつ、チーム内に不穏な空気が流れはじめる。新しいスポンサーを見つけてチームの存続を図るため、監督は選手たちに、ある工作をするよう、内々にもちかけているらしいのだ……。

レースは興行であり、プロスポーツは職業である。スポンサーなくして興行は成り立たない。だが、スポーツとは、そういうものなのか?

興行とスポーツマンシップとの狭間で揺れる心に追い討ちをかけるように、レース終盤で事件が起こる。
誓はそこでまた、ロードレースの深淵を覗き込むことになる――。



近藤史恵/著 コンドウ・フミエ
1969年大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。1993年、『凍える島』で、第四回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。複雑な人間心理を描く細やかな筆致に定評があり、『ねむりねずみ』『桜姫』『二人道成寺』など、歌舞伎を題材にしたシリーズで知られる。2008年には、『サクリファイス』で、第十回大藪春彦賞を受賞し、同作は第五回本屋大賞の第二位にも選ばれた。『エデン』は、『サクリファイス』の続編にあたる。


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