ヨーロッパブランド各種を取り扱う代理店ポディウムが開催したタイムとFSAの展示会をレポート。タイムからはディスクブレーキ仕様のアクティブフォークが登場し、FSAではセミワイヤレスコンポーネント「K-Force WE」がついに発売開始となる。



ALPE D’HUEZを始め各種カラーのフレームがずらりALPE D’HUEZを始め各種カラーのフレームがずらり
フレンチブランド、タイムの展示会だけに東京都恵比寿にある日仏会館にて開かれたフレンチブランド、タイムの展示会だけに東京都恵比寿にある日仏会館にて開かれた タイムと言えばロード・MTBペダルも主力製品の一つだタイムと言えばロード・MTBペダルも主力製品の一つだ

高度なカーボンテクノロジーが織り成す高性能・高品質なフレームが特徴的なフランスのバイクブランド、タイム。今年2月に新作の軽量ヒルクライムマシン「ALPE D’HUEZ(アルプデュエズ)」を発表したばかりとあって、今回の展示会でも同バイクを大々的にアピール。シンプルながら力強さを纏うフレームワークに、タイム独自のRTM工法を感じられる美しいカーボンの織り目が所有欲をグッと高めてくれる1台に仕上がる。ちなみにALPE D’HUEZの登場により、同カテゴリーの「IZON(アイゾン)」はカタログから姿を消すこととなった。

19年モデルとしてニューバイクの発表はなかったものの、ディスクブレーキ仕様の新型アクティブフォークを搭載したエアロロード「SCYLON(サイロン)」も展示され来場者から大きな注目を集めていた。路面からの振動減衰に一役買ってくれるマスダンパーを搭載し、快適性を強化するアクティブフォーク。リムブレーキモデルでは両側のブレード内部に装備されるダンパー機構を、ディスクブレーキモデルでは片側のみとし形状や性能を最適化している。

ディスクブレーキ仕様の新型アクティブフォークを装備したSCYLONディスクブレーキ仕様の新型アクティブフォークを装備したSCYLON
同色の2カラーによってシンプルな単色フレームに仕上げることも可能同色の2カラーによってシンプルな単色フレームに仕上げることも可能 ディスクブレーキに最適化させ、片側のブレードにのみマスダンパーを搭載ディスクブレーキに最適化させ、片側のブレードにのみマスダンパーを搭載

またALPE D’HUEZにもディスクブレーキモデルが追加され、全てのラインアップでリムブレーキ/ディスクブレーキ仕様が選べる展開に。その中でもアクティブフォーク仕様のディスクブレーキモデルはALPE D’HUEZとSCYLONのみで選択可能だ。従来どおりISP仕様のトランスリンクと、ノーマルなシートポストタイプの2種類が用意される点は変わらない(ALPE D’HUEZはシートポスト仕様のみ)。

各モデルで新カラーも追加されており、今回の展示会ではブラックベースにレッドのライン、クリア塗装でカーボン柄を強調した「ブラックレーベル」カラーがお披露目された。レーシーなイメージが際立つルックスで人気の出そうなカラーだけにタイムファンは要チェックだ。

カスタムカラーのシステムも刷新され、従来よりも大幅に選択肢を増やした84パターンが用意されるという。今回展示された真っ白なSCYLONもカスタムカラーによるもの。ホワイト/ホワイトというように同色の2カラーを選択すれば、ブランドロゴすらも浮かび上がらないワンカラーフレームに仕上げることも可能だ。

タイム新色のブラックレーベルカラー。レーシーなイメージが際立つルックスに仕上がるタイム新色のブラックレーベルカラー。レーシーなイメージが際立つルックスに仕上がる
トップチューブ上部にはハニカム模様をあしらうトップチューブ上部にはハニカム模様をあしらう ブラックをベースにクリア塗装から美しいカーボン柄が覗くデザインブラックをベースにクリア塗装から美しいカーボン柄が覗くデザイン

同じくポディウムが取り扱うイタリアンパーツブランドのFSAとヴィジョンも各種製品を展示。来年モデルの新製品は7月に開催されるユーロバイクにて発表となるため今回は既存モデルのみが並んだ。その中でも、Bluetooth対応のアップデートを加えるために世界的に販売が延期されていた電動コンポーネント「K-Force WE」の発売開始が今回の大きなトピックとなる。

電波法の認可など各種問題をクリアし、つい先月からようやくヨーロッパで出荷が開始されたK-Force WE。今回の展示会では製品版がデモ機として持ち込まれ、実際に触って変速の感触を確かめることができた。生産の都合上、安定した出荷が可能となるのは秋頃になる見込みだという。

本国からエドアルド・ジラルディ氏が来日し、K-Force WEをアピール本国からエドアルド・ジラルディ氏が来日し、K-Force WEをアピール
展示会に合わせFSA本国からセールスマネージャーのエドアルド・ジラルディ氏も来日。「K-Force WEは無線変速ながらシマノDi2に匹敵する変速レスポンスを実現できたことが大きな特徴で、テストしてもらったプロ選手からも高い評価が得られました。実際に今年のツアー・ダウンアンダーではUCI女子チームのサイランスプロサイクリングによってレース投入による実戦テストも行っています。

ボタンを上下に振り分けた独自の機構は、上のスイッチで変速アップ、下のスイッチで変速ダウンなどより直感的に操作ができ、初めて触る人でも馴染みやすいと思います。専用のアプリを介してスイッチの機能割り振りや変速スピードの調整なども行えるようにしました。レバーのエルゴノミック形状にもこだわっているので、他社と比較しても握りやすく疲れにくく操作しやすいものになっていると自負しています」とコメントしてくれた。

ベストディストリビュータとしてFSAから送られた表彰プレート、チェーンリングを使用したデザインだベストディストリビュータとしてFSAから送られた表彰プレート、チェーンリングを使用したデザインだ Power2maxと共同開発したクランク型パワーメーターの「PowerBox」Power2maxと共同開発したクランク型パワーメーターの「PowerBox」

軽量かつ高剛性を誇りプロ選手使用率も高いFSAのK-Forceシリーズ軽量かつ高剛性を誇りプロ選手使用率も高いFSAのK-Forceシリーズ
またFSA本国サイトへの訪問数を解析すると、日本からのアクセスが世界的に見てもトップクラスなんだとか。その状況を受け今後日本語化への対応も順次進めていくとしており、ホームページやSNSでの情報発信をより強化していきたい考えだという。もちろんK-Force WEアプリも日本語対応で使いやすいものになるとのこと。

TRIMAX KBシリーズを説明するエドアルド氏TRIMAX KBシリーズを説明するエドアルド氏 ヴィジョンからはプロチームも使用する「METRON」シリーズもさることながら、18年モデルの新作ホイール「TRIMAX KB」シリーズをプッシュ。ブレーキ面を含めたリム全面にKeroniteコーティングを施し、アルミホイールながらバイクの見た目が引き締まるオールブラックのルックスに仕上がる。10万円を切る価格ながら上位グレードと同じハブを使用し25mmハイトで重量1380gと軽量に仕上がるなど、優れたコストパフォーマンスを実現。完成車からのアップグレードやレース用アルミホイールとして高い性能を発揮してくれるだろう。

その他プロ選手供給用のハンドルバーMETRON 6Dの市販化や、K-Forceハンドルバー・PowerBoxクランクへのマイナーアップデート、K-Force WE Discの発売などが予定されているという。詳細な情報はユーロバイク後に解禁されていくとのこと、続報を待ちたい。

text&photo:Yuto.Murata
リンク