美ら島オキナワセンチュリーランの最終出走となる"めんそーれコース"。過去最高の好天に恵まれた50kmのライドでは、次から次に振る舞われるグルメに舌鼓を打つライドとなった。走りごたえもあり、ロケーションは最高、食べ物は美味しいサイクリングの様子をお届けしよう。



夜明けとともにセンチュリーコースは出走する。めんそーれコースの出番はまだまだ夜明けとともにセンチュリーコースは出走する。めんそーれコースの出番はまだまだ
160kmを走るセンチュリーコースに参加する何百人というサイクリストが恩納村コミュニティーセンターを飛び出していく午前7時ごろ、50km走行する"めんそーれ"コースの1日が始まる。出走時間は朝10時。めんそーれに参加する面々は、他のコースを走る方々がスタート地点に集まる時間帯はまだ寝ていても、優雅なブレックファーストタイムを楽しんでいても、自分の出走時間までかなり余裕がある。

"めんそーれ"コースを取材するCW編集部員フジワラは、センチュリーやヒルサイド、シーサイドコースの出走を見届けるため朝早くに会場入り。粛々と取材を行っていてもセンチュリーとヒルサイドの出走時間までに1時間のポケットタイムが生まれるため、50kmに参加する方々同様に優雅なリゾートで迎える朝を満喫することができる。

宿泊しているホテルに戻り朝食ビュッフェを堪能しても良かったが、せっかく沖縄に来たのだからと恩納村の自然を満喫するプチサイクリングに出かけることに。目的地はメイン会場である恩納村コミュニティーセンターの目と鼻の先にある"万座毛"。普段は観光客で賑わうスポットだが、朝8時前ならば地元の方がワンチャンと散歩しているだけなので観光したいのならチャンスな時間帯だ。

たっぷりとある時間を使い会場付近を散策。万座毛は外すことができない定番だたっぷりとある時間を使い会場付近を散策。万座毛は外すことができない定番だ 地元の方に教えて頂いた穴場のアポガマ地元の方に教えて頂いた穴場のアポガマ

恩納海浜公園ナビービーチには笑顔のシーサーが観光客を迎えてくれる恩納海浜公園ナビービーチには笑顔のシーサーが観光客を迎えてくれる めんそーれコースも「頑張ろう」三唱からイベントの幕が上がるめんそーれコースも「頑張ろう」三唱からイベントの幕が上がる


万座毛だけではなく至近にあるウドゥイガマやアポガマにも足を運べるだけ時間に余裕があるのが嬉しい。ウドゥイガマは波打ち際にあるものの洞穴内に届く波の音はわずかで、凛とした空気感がこの場所を特別な場所足らしめている気がした。アポガマはウドゥイガマに向かう途中に「おう、兄ちゃん!」と私を呼び止めた地元の方が教えてくれたおすすめスポット。このような出会いがあるこそブラリと散歩するのはやめられない。

絶景スポットを3箇所もめぐり大満喫したところで、ヒルサイド、シーサイドコースの出走が順に行われる時間に。1時間もかからずにポピュラーな場所からディープなところまで見て回ることができる恩納村にある観光スポットの密度の高さには驚きだ。ぜひ、早起きをして散歩を楽しんでもらいたい。

そんなこんなしながら時間を潰し朝10時前になると、本レポートの本筋である"めんそーれ"コースの参加者たちが恩納村コミュニティーセンターに集まってくる。これまでに出走したカテゴリーの参加者はロードバイクの数が圧倒的に多かったが、このカテゴリーではクロスバイクや小径車が同じぐらいの人数を集めている。年齢層も多彩であり、老若男女問わず集うのがこのカテゴリーだ。

老若男女問わずエントリーするめんそーれコースがスタートする老若男女問わずエントリーするめんそーれコースがスタートする
さて、他の3カテゴリーと同様に「頑張ろう」三唱で気合を入れてから、いよいよ"めんそーれ"コースのライドが始まる。約50km走るこのカテゴリーは、恩納村をスタートし読谷村の半分を回るコースが設定されている。エイドの数は約100km走行するヒルサイドコースと同じ4箇所。エイドの密度が高く約10kmごとに一息つく事ができるため、体力に自信がない方でも参加しやすい。

恩納村コミュニティーセンターを飛び出した我々は国道58号線をひたすら走り込んでいく。沖縄は道路幅が広く走りやすい上に、サイクリストを追い越す自動車も間隔を広く取ってくれるため、危険を感じることは多くはない。自転車に乗る上でのルールとマナーを守っていれば、国道では必要以上に肩肘を張らなくても良いのは嬉しい。イベント当日は休日で交通量が少ないというのも、そう感じる要因かもしれない。

サイクリングで我々の行く手を阻むのは地形と向い風で間違いないはず。沖縄には長い峠が少ないが、細かいアップダウンや、緩やかな斜度でそれなりの距離を登らせる丘が無数に存在する。この日も我々の脚を削る上り坂が幾つも登場することになっている。"めんそーれ"コースに用意された最初の上り坂は、航空自衛隊の恩納分屯基地が頂に構えられている国道58線のバイパスだ。

恩納村の中心部を抜け、読谷村へと向かう恩納村の中心部を抜け、読谷村へと向かう ヒルクライムのピークで背に目を向けるとエメラルドグリーンのきれいな海が広がっているヒルクライムのピークで背に目を向けるとエメラルドグリーンのきれいな海が広がっている

クガニーとはシークワーサーであると教えてくれたお姉さんたちクガニーとはシークワーサーであると教えてくれたお姉さんたち ちんすこうや黒糖パンなど補給食が用意されていたちんすこうや黒糖パンなど補給食が用意されていた


前日イベントで「沖縄の丘はアップダウンというほどではないよ」という言葉を小耳に挟んでいたが、距離約500mで斜度5%ほどの丘は、これから50kmを走らんとする我々にとってはそれなりのハードルである。少しチャレンジングなサイクリングのほうがスパイスが効いていて面白いし、充足感は満たされるだろう。

登坂車線が途切れ、走行車線に合流することを表す看板がヒルクライムの終了を告げる。ここからはシェラトンホテルやリザンシーパークホテル、カフーリゾートなど豪華なホテルが立ち並ぶリゾート地帯を駆け下りていく。9回行われている大会史上最も好天に恵まれた今回の美ら島オキナワセンチュリーラン。太陽からの日差しは暑く感じるほどで、身体が受け止める風は涼しいという状況は控えめに言っても最高。

テンションも上がると自然にペダルが回りはじめる。高い頻度で現れる上り坂では省エネ走行へと切り替えるなど体力マネージメントをしつつ、風を切りながら進んでいくと、約11km地点のファーストエイド「おんなの駅 なかゆくい市場」へと辿り着く。

ライトグリーンの植栽とライトブルーの空。サイクリングには絶好のシチュエーションだライトグリーンの植栽とライトブルーの空。サイクリングには絶好のシチュエーションだ リゾート感あふれる気候とロケーションに気分も上々リゾート感あふれる気候とロケーションに気分も上々

ヤシの木が連なる国道58号線をひたすらに登るヤシの木が連なる国道58号線をひたすらに登る 飛行場の滑走路跡をそのまま道路としているため、視界を遮るものがなく開放的飛行場の滑走路跡をそのまま道路としているため、視界を遮るものがなく開放的


元気よくサイクリストを迎え入れてくれるエイドのお母さんたちから手渡されるのは”クガニー”という果物。このゆず程の大きさでオレンジ色に彩られた柑橘系果物は蜜柑やタンカン、ゆずでもない。それらとは甘さと酸味は控えめ、落ち着いたシトラスの香りがほんのりと鼻を抜ける程度。お母さんたちに正体を聞いてみると、なんと、青々しい柑橘で有名なシークワーサーの完熟したものだという。突き抜けるような爽やかな酸味のシークワーサーが熟れるとこうなるのかと新たな発見。

コースに戻ると再び那覇から島北端を貫く大動脈・国道58号線を再び走行することに。海岸線から離れ、進路を一気に南へと向けると"めんそーれ"コースの走りごたえという面でのハイライトとなる丘越えが始まる。距離は約4.5kmだが、平均勾配が1.7%となっており越えられない壁ではない。所々に平坦区間や下り坂が現れるため、休憩しながら約77mの標高差を獲得していく。

ピークを過ぎ少し下ったところで幹線道路を離れ少し進むと、終点が目視できないほど続く直線路へと案内される。この場所は、WWII終戦後アメリカ軍に接収され、2006年に返還という歴史を辿った飛行場の滑走路だ。今はガードレールが設置されていたり、工事中だったりするが、飛行機は離着陸できそうなほど、周りには高い建物や樹木がない。

第2エイドは読谷村の「ファーマーズマーケット ゆんた市場」第2エイドは読谷村の「ファーマーズマーケット ゆんた市場」 じゅーしーオニギリやポーポー、グァバゼリーなど美味しいグルメが沢山振る舞われるじゅーしーオニギリやポーポー、グァバゼリーなど美味しいグルメが沢山振る舞われる

緑が広がる平坦路を気持ちよく飛ばしていく緑が広がる平坦路を気持ちよく飛ばしていく ふと脇道に目を向けると東シナ海が広がっているふと脇道に目を向けると東シナ海が広がっている


イベント当日の風は車体を横に押したり、正面から我々を押し戻すことはなく、至って穏やか。周りには背の高いものは何もなく開放感に溢れている。ジリジリと肌を焼く強い日差しはまるで夏のよう。暖かさを求め、凍てつく関東を抜け出してきた価値がある。

約1.4kmの直線路を抜けたところに第2エイドステーションの「ファーマーズマーケット ゆんた市場」が構えられている。ここではじゅーしーのオニギリ、楚辺ポーポー、グァバゼリー、ヒラミジュースとグルメが沢山振る舞われ、小腹どころか十分にお腹を満たすことができてしまう。ヒラミはシークワーサーの和名である平実檸檬のことであり、つまり用意されていたドリンクはシークワーサージュースということになる。シークワーサー1つとっても様々なネーミングがあるのは面白い。

沖縄ビギナーである筆者にとってはポーポーを頂くのは初体験だった。沖縄の伝統的なお菓子の1つであるポーポーは、小麦粉と卵を混ぜた物をパンケーキのように焼いて丸めたもの。油味噌を入れるのが一般的であるが楚辺のポーポーには入らず、ほんのりと甘さを感じる黒砂糖入りの生地となっている。食感が独特で非常にモチモチとしており、食べごたえも満点でエイドの補給食にはピッタリ。ポーポーは大好評で、あっという間に品切れ状態に。

飛行場跡の丘から一気に海岸線沿いのエリアまで下っていく飛行場跡の丘から一気に海岸線沿いのエリアまで下っていく 第3エイドの残波ロイヤルホテルの入り口には、ご存知「御菓子御殿」の本社が構えられている第3エイドの残波ロイヤルホテルの入り口には、ご存知「御菓子御殿」の本社が構えられている

のんびりと昼食を楽しむファミリーのんびりと昼食を楽しむファミリー キッズも食べられる甘めのルーと、ほんのりと苦いゴーヤのアクセントがGOODキッズも食べられる甘めのルーと、ほんのりと苦いゴーヤのアクセントがGOOD


あれこれ食べて大満足したところで、我々はコースに戻り次なる目的地「残波ロイヤルホテル」を目指すことに。丘の上に位置する旧飛行場一帯を抜け出し、海沿いの農耕地帯へと走行地域を移す。この地域には「ざわわ~ざわわ~ざわわ~」で有名な歌"さとうきび畑"の歌碑が設置されるほど、さとうきび畑が広域に渡り広がっており、歌を口ずさみながらサイクリングなんて定番だろう。

"めんそーれ"コースの前半は丘に登るレイアウトであったが、ここからは平坦基調のルート設定となっているため、リズミカルなペダリングでサイクリングを楽しむことができる。約8km進んだところにご存知「御菓子御殿」の本社が構えられており、花笠のエントランスを確認すると同時に、残波ロイヤルホテルに到着する。

いかにも格式高そうなホテルにサイクルジャージ、レーパン、ビンディングシューズで入るのは気が引けるが、お昼ごはんが待っているというのだから入館しないわけにはいかない。シャンデリアが下がる大広間で我々に振る舞われたのはゴーヤ入りのカレー。キッズも食べられるようにか甘めに味付けされたルーと、ほんのり苦味を感じるゴーヤのバランスが丁度よい。

コースから離れ、残波岬へと足を運んでみたコースから離れ、残波岬へと足を運んでみた 沖縄では秋と春の桜を同時期に見られるという稀有な気候だ沖縄では秋と春の桜を同時期に見られるという稀有な気候だ

仲泊の海岸沿いは海が直ぐ側に迫り、気持ちよく走ることができる仲泊の海岸沿いは海が直ぐ側に迫り、気持ちよく走ることができる 最高のロケーションに思わずニンマリ最高のロケーションに思わずニンマリ


美味しいグルメでお腹を満たした参加者の皆さんは、食後ものんびりと仲間たちとの会話に華を咲かせ、終盤に向けての英気を養っている。筆者は残波岬灯台まで足を運び腹ごなしをしてからコースに戻ることに。ここからが"めんそーれ"コースの後半戦となり、読谷から恩納まで北上していくルートとなっている。これまでそっと背中を押してくれていた風が、途端に牙を剥き我々を正面から押し返そうとしてくる。

無理に抗うと体力を消耗するだけなので、道中に現れるコスモス畑や海岸線沿いなどで撮影と称し休憩を取りながら先へと一歩一歩進んでいく。最終エイド「ホテルムーンビーチ」に至る道中でのハイライトは仲泊の海岸線沿いだ。道が海にせり出すように作られており、海の直ぐ側まで迫るところを走るのは非常に気持ちが良い。

ホテルムーンビーチで最後の休憩をとろうホテルムーンビーチで最後の休憩をとろう ライドの最後はビーチのあるホテルでユックリとティータイムライドの最後はビーチのあるホテルでユックリとティータイム

50kmのライドももう少しでフィニッシュ!背中を押してヒルクライムをクリア50kmのライドももう少しでフィニッシュ!背中を押してヒルクライムをクリア 一緒に走ってきた家族と健闘を称え合いながらゴール!一緒に走ってきた家族と健闘を称え合いながらゴール!

完走証を手にすれば、ロングライドも終了だ完走証を手にすれば、ロングライドも終了だ 日が暮れ始めても白熱し続けたじゃんけん大会日が暮れ始めても白熱し続けたじゃんけん大会


絶景を眺めた直後に最終エイドが現れる。ここではロールケーキと温かいコーヒーや紅茶でのティータイムとなる。プライベートビーチを所有するホテルでコーヒーブレイクを楽しめるとはなんて贅沢なのだろうか。寄せては返す波をぼーっと眺める時間は至高だ。中には会話が弾み、ホテルムーンビーチでのんびりと過ごした方もいたようだ。

残り10kmを走りきれるだけの英気を養ったところで、往路で通過した冨着ビーチなどリゾート地域を走り抜け、恩納村コミュニティーセンターへと戻ってくる。フィニッシュ地点に戻ってくる方たちは皆笑顔で、ロングライドを存分に満喫できたことが伝わる。完熟したシークワーサーからはじまり、じゅーしーオニギリ、ポーポー、ゴーヤカレー、ロールケーキとグルメが次々と振る舞われ、お腹と舌を満足させた多幸感に包まれながら"めんそーれ"コースの幕は降りた。もしかしたらオーバーカロリー?という不安が頭を過ぎったが、気にしても仕方がないので忘れることに。筆者フジワラがライド中に消費した熱量は1258KJ(ストラバ調べ)。



text&photo : Gakuto Fujiwara
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